ブルックリン博物館所蔵
「特別展 古代エジプト」が
六本木にて開催中

ブルックリン博物館所蔵
「特別展 古代エジプト」が
六本木にて開催中

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2025.01.30

5 min read

2025年1月25日(土)から六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されている『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』。ブルックリン博物館が誇る古代エジプトコレクションから選りすぐった150点の名品を通じ、高度な文化を創出した古代エジプトの世界を掘り下げます。

Photo & Text:TRANSIT

展覧会は1st Stage、2nd Stage、Final Stageの3部構成。1st Stageでは古代エジプトにおける日常生活を、日用品や暮らしの様子を描いたレリーフなどの品々からひもときます。2nd Stageでは12人のファラオ(王)にまつわる作品からその実像に迫り、Final Stageでは古代エジプト人の死後の世界が体感できる内容に。

展示風景

まずは展覧会の予習として、注目の展示品を各ステージごとにピックアップ。

1st Stage「古代エジプト人の謎を解け!」

5000年前にすでに高度な文明を築いていた古代エジプトの人びとの姿や生活を、展示品から読み解く。

《鳥の形をした大型パレット》前3500〜前3300年頃
エジプトの歴史のなかで、多くの作品の主題となってきた鳥。化粧パレットとして使用されていたと思われるが、紐を通す穴があることから壁に吊るして崇拝していた可能性も示唆している。

《ニカーラー像とその家族の像》前2455〜前2350年頃
中央に〈穀物倉の書記の監督官〉であるニカーラーが座り、両脇に〈王の知人〉の称号をもつ妻と〈穀物倉の書記〉である息子が立っている2人の像。3人の頭部の高さは同じだが、ニカーラーの足の長さから彼の身長ははるかに高いことがわかる。古代エジプトでは、親が子に就かせたい職業のNo.1が書記だった。

《青色彩文壺》前1332〜1292年頃
際立った青い装飾で知られる新王国時代の青色彩土器。主にコバルトやミョウバンから採取される顔料を用い、パステルブルーの色彩を生み出した。この壺は液体か何かを入れるためのものと推測されている。

《女性と供物を描いた墓の壁画》前1539〜前1425年頃
青いロータスの香りをかぐ女性。テーブルの下にはビールとワインの壺、上にはパンと仔ウシの頭部が描かれていることから、当時の人びとが食していたものが伺える。

2nd Stage「ファラオの実像を解明せよ!」

絶対的権力者であったファラオの姿と、ファラオの墓であったピラミッドの謎に迫る。映像を用いた最新のピラミッド研究解説も。

《王の頭部》前2650〜前2600年頃
現存しているなかでは最古とみられるエジプト王の巨像の一部。一説にはギザの大ピラミッドを建造させたクフ王の姿ではといわれており、さらなる研究結果が待たれる。

《高官メチェチィの像》前2371〜前2288年頃
第6王朝の初代の王テティのもとで高官を務めた人物の像。上層の役人が着る長い布をまとう。目には銅の縁取りに石の象眼という高価な装飾が施されている。

《オシリス神像》前664〜525年
冥界を支配する神オシリスの像。神話でのオシリスは死後に再生したことから、エジプトの王たちも同様に来世で再生できると考えられた。オシリス像は生きている王と同様の王冠を被った姿が多く、この像では権力を強調する聖蛇ウラエウスが付いている。

《アメン・ラー神またはアメンヘテプ3世の像》前1390〜前1353年頃
古代エジプトでもっとも重要な神とされた太陽神ラー。ラーはさまざまな神と習合し、「隠された者」を意味するアメン神と一つになったアメン・ラーは中王国時代に国家神として崇められた。エジプト最大の神殿であるカルナク神殿はアメンの総本山。

Final Stage「死後の世界の門をたたけ!」

古代エジプトでは、人は死後、来世で復活し永遠の命を得ることができると考えられていた。ミイラ化という葬送儀礼や副葬品、現物のミイラ、棺に描かれたモチーフなどから古代エジプトの死生観を垣間見る。

《ジャッカルの伏臥像》前664〜前30年頃
ジャッカルはネクロポリス(共同墓地)の上の聖なる山に伏せるアヌビス神を表す。アヌビス神はエジプトのすべての死者のミイラ化をつかさどり、再生した死者の魂を冥界のオシリス神の元へ導く役割を担った。

《ヌン〈原初の海〉を表した皿》前1539〜前1493年頃
創造された宇宙を生み出した原初の水「ヌン」を想起させる深い青が特徴。中央の正方形はロータスの生える池を表し、泥水の中で成長し花を咲かせるロータスもまた創造の象徴とされる。

《カノプス壺と蓋》(4体)前664〜前525またはそれ以降
ミイラ作りの際に取り出される4つの臓器(胃、肺、肝臓、腸)を入れるための壺。4つの壺はジャッカル、ハヤブサ、人間、ヒヒをそれぞれ表し、「ホルス神の4人の息子」と呼ばれる4柱神に対応している。

《デメトリオスという名の男性の肖像とミイラ》ローマ時代、後95〜後100年
オシリス神の神話に倣い、遺体をミイラ化して保存する風習はローマ時代までつづいた。このミイラもエジプトの伝統に倣ってローマ時代にミイラ化されたもの。肖像画はローマ時代の技法である蝋画(蝋を混ぜた顔料を熱で溶かして描く技法)が用いられている。

《神官ホル(ホルス)のカルトナージュとミイラ》前760〜前558年頃
ミイラを収める棺であるカルトナージュに、死者を守り霊魂の復活を助ける神々が多数描かれている。ナイフをもって邪悪なものから死者を守る守護神や、カノプス壺のモチーフであるホルス神の4人の息子も見られ、古代エジプトの死生観がよく現れている。

Information

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』

 

公式HP:https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/egypt-brooklyn/

会期:2025年1月25日(土)〜4月6日(日)

会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)

観覧料:

一般、大学・専門学生/平日2500円、土日祝2600円

高校・中学生/平日1800円、土日祝1900円

小学生/平日1200円、土日祝1300円

※いずれも当日券

※土・日・祝日は日時指定制。

※障がい者手帳をお持ちの場合でも、ご鑑賞にはチケット購入が必要です。ただし介助者1名は無料。各種手帳のご提示が必要です。

※高校生以下は学生証など年齢がわかるもののご提示が必要です。

※未就学児は無料。

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Yayoi Arimoto

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