山形県がフルーツ王国
になって150周年!?
名産地になった理由や名物フルーツ
おいしいイベントのことまで。

連載:47都道府県ローカルのすゝめ|山形県vol.3

山形県がフルーツ王国
になって150周年!?
名産地になった理由や名物フルーツ
おいしいイベントのことまで。

People: 山形県

TRAVEL&EAT

2025.06.05

3 min read

北は北海道から、南は沖縄まで、ひとくちに日本といっても、食べ物、お祭、習慣、自然が織りなす景色まで個性はさまざま。その土地ならではの愉しみ方は、その土地の人に訊くのが一番!そんな日本各地の地元ネタを集めたのが、この連載「47都道府県ローカルのすゝめ」です。

山形県のvol.3では、フルーツ王国・山形が誇るフルーツについて。なぜフルーツの生産が盛んなの? どんなフルーツが採れるの? 山形とフルーツのおいしい関係を教えてくれたのは、山形県観光交流拡大課の真田恭輔さん!

Text:Kyosuke Sanada

山形がフルーツ王国になるまで!

山形県といえば、生産量が国内トップクラスをほこるフルーツ産地。いったいいつから山形はフルーツ王国になったのでしょう?
 
遡ること、1875年のこと。明治政府からさくらんぼや西洋なしなどの果樹の苗木が山形県に配付され、山形県庁の敷地に植えられました。2025年はそれから150周年の節目の年です。
 
この記念すべき年を「やまがたフルーツ150周年」として、いちずに果樹栽培に打ち込んだ先人たちの思いを未来に向けて受け継ぎ、やまがたフルーツの魅力を皆さんにお届けします。
 
ここからは”山形といえば”なフルーツをピックアップして解説。150周年ならではのイベントも、山形で企画されているのでそのお話も合わせてどうぞ!

山形といえば、あのフルーツ!
さくらんぼの一大産地、山形県。

🍒山形とさくらんぼ

山形を代表する味覚といえば、さくらんぼを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本一の生産量を誇り、全国の約7割を占めています。東根市、天童市、寒河江(さがえ)市などを中心に、壮麗な山々を望んでさくらんぼ畑が広がっています。

山形県寒河江市のさくらんぼ畑でさくらんぼ狩りをしているところ。

© JAさがえ西村山

1875年に、当時の内務省勧業寮から全国各県にさくらんぼの苗木が配布されましたが、山形県以外の地域ではうまく育たず定着しませんでした。雨に弱いさくらんぼにとって、山に囲まれ空梅雨になることが多い山形の環境が非常に適していたともいわれています。このほかにも「佐藤錦」に代表される品種開発や雨よけ栽培などの技術開発など、先人たちはたゆまぬ努力を続けてきました。こうして、山形県は日本一のさくらんぼの産地となりました。

さくらんぼの特徴

「赤い宝石」と呼ばれ最高級品種の「佐藤錦」は、ハリがありながらやわらかい食感が特徴です。口に入れればプチッと弾け、食べ応えのある果肉の甘みが口の中いっぱいに広がります。粒の一つ一つがツヤツヤ輝いてなんとも美しく、目にも美味しい一級品。

「佐藤錦」

昭和の終わりから平成にかけて、「佐藤錦」に追いつけ追い越せと、様々な品種が山形県から生まれました。ジューシーでさっぱりとした甘さが特徴の「南陽」、甘酸っぱく赤肉の「紅さやか」、甘みが濃くしっかりした果肉の「紅秀峰」、大粒で味が濃厚な「紅てまり」など。
そして、2023年に本格デビューしたのが「やまがた紅王」です。艶のある紅色が鮮やかで、なんと500円玉よりも大きい直径約3cmの大玉は食べ応えも抜群です。

「やまがた紅王」

もぎたてを味わうならここ!

山形のさくらんぼ狩りシーズンは、6月上旬頃から7月初旬頃まで。「紅さやか」、「高砂」、「佐藤錦」、「ナポレオン」、「紅秀峰」の順で収穫の時期を迎えます(4月中旬頃から温室さくらんぼ狩りを楽しめる農園もあります。)

今年はさくらんぼのイベントも!

●さくらんぼメモリアルフェスタ
2025年は、さくらんぼシーズンの到来と、やまがたフルーツ150周年をお祝いする「さくらんぼメモリアルフェスタ」を開催します。記念式典や山形県産フルーツ等を使ったジュースやスイーツ、さくらんぼを販売します。キッチンカーも出店します。

期間|2025年6月6日(金)、7日(土) 
場所|山形県郷土館「文翔館」(山形県山形市旅篭町3-4-51)ほか
Web|ymgt-f150.com/information/information-2398

●150(いこおー)!やまがた旬スイーツめぐり
山形県内の参加店で県産フルーツを使った特別感のあるスイーツを堪能しながら山形の観光を楽しむキャンペーンを開催しています。

Web|yamagata150-sweettrip.com

ほかにもたくさん! 
山形県が誇るフルーツ!

🍐山形と西洋なし

西洋なし

山形県は西洋なしの全国生産量1位、なんと国内で生産される西洋なしの6割以上を栽培しています。西洋なしの「ラ・フランス」は、フランス生まれの品種でその芳醇な香りとおいしさは、“果物の女王”と呼ばれるほど。ただ病害や強風に弱かったり、追熟の見極めも難しく、高品質な状態で栽培・収穫・出荷するのが大変な果物でもあります。長年の努力と気候風土によって、山形ではおいしいラ・フランスが収穫できるようになったのです。

🍇山形とぶどう

「デラウェア」

お馴染みのぶどう品種「デラウェア」。その日本一の生産地は、山形です。大粒ぶどうは「巨峰」「ピオーネ」などのほかに、「シャインマスカット」を生産しています。「シャインマスカット」は、種がなく、皮が薄いため広い世代に愛され、贈答用としても人気です。

🍉山形とすいか

「尾花沢すいか」

すいかの生産量全国3位の山形県。なかでも夏すいかの生産量は山形県が日本一です。全国に知名度を誇る夏すいかの「尾花沢すいか」は、おもに山形県の尾花沢市、村山市、大石田町で生産されています。日中暑く、夜涼しい山形の気候が、抜群の甘みとシャリ感を育みます。

🍓山形といちご

「おとめ心」

14年の歳月をかけて誕生したのが、山形オリジナルのいちごの品種「おとめ心」。香りがよく甘みもたっぷりの人気のいちごです。収穫は3月下旬から始まり、さくらんぼが出始める6月上旬頃まで続きます。また近年は雪の中でもいちご狩りが楽しめる観光いちご園もあり、多くの観光客でにぎわっています。

青空の下でもぎたてを! 旬のフルーツ狩りを一年中楽しめます

ここまで見てきたように、山形はさくらんぼ、洋梨、ぶどう、すいか、いちご………などを生み出す、フルーツ王国。多種多様なフルーツを栽培する山形県では、種類によって収穫時期が異なるので、1年を通じて収穫体験を楽しめます。山形まで足を運んで、瑞々しいもぎたてフルーツを堪能する収穫体験に挑戦してみませんか? 

山形県のことがもっと知りたくなったら!

TRaNSIT STORE 購入する?

ABOUT
Photo by

Yayoi Arimoto

NEWSLETTERS 編集後記やイベント情報を定期的にお届け!