朝早く起きた日は気持ちがいい。 実際に"early bird catches the worm"なんてことわざがあるように、朝の時間を有意義に使うと、1日が満ち足りたものになる。 そとからはなかなか見えない、自分だけの時間。 〈Rab〉のウェアとともに朝を頑張る人を訪ね、彼らの思考や、仕事における信念などを聞いた。
photography & text=JEREMY BENKEMOUN(TRANSIT)
関口佳那(せきぐち・かな)
IT企業退職ののち、陶芸家の竹村良則氏に師事。2023年に自身のアトリエを構え独立。制作と並行して、マインドフルネスを伝える陶芸ワークショップや、廃棄毛糸を減らすニットウェアブランドのプロジェクトも運営している。
IT企業退職ののち、陶芸家の竹村良則氏に師事。2023年に自身のアトリエを構え独立。制作と並行して、マインドフルネスを伝える陶芸ワークショップや、廃棄毛糸を減らすニットウェアブランドのプロジェクトも運営している。
関口佳那さんは2023年3月、東京の賑やかな西荻窪駅の近くにアトリエをオープンした。古民家を改装し、居心地のいい陶芸工房に生まれ変わらせた。
「陶器をつくることよりも、陶芸家としてのライフスタイルに憧れがありました。私にとって大切なのは、結果よりも過程なんです。もともとOLだった自分がコンピュータのキーボードよりも、土のような本物の何かに触れたかったのです」
時間という概念は人それぞれであり、朝と呼ばれるものも人それぞれだ。関口さんは、オフィスの時計に頼るのではなく、今は自分の時計を頼り、太陽とともに目覚め、季節を通して、また作品のおかげで生活のリズムを見つけたと言う。彼女はよく、陶芸をつくるときを瞑想状態に例える。土を練ることで得られる静寂をほかの人にも体験してほしいと思い、アトリエが完成して間もなくワークショップを開催した。数時間、参加者は日常生活から完全に切り離されて、携帯電話を触ることもできず、作業を通して自分自身に集中するよう促される。作品がうまく仕上がるかどうか、それはおまけだ。
陶芸を選んだ理由を尋ねると、彼女はこう答える。「もともと芸術には強い関心がありましたが、 結果を完全にコントロールできる絵画やデザインよりも、自然の力と人間の技術を同じように活用できるものを実践したかったのです。その結果は、自然と私の間にある。私が深い感銘を受けた言葉で、柳宗悦氏のこのようなものがあります。”人知は賢くとも、より賢い叡智が自然に潜む”」
アトリエには優しい風が吹き、庭には花が咲き始めていた。東京という人工的な環境の中でも、関口さんが言うように、私たちと自然とのつながりは明らかだ。
肌寒い朝に。〈Rab〉のおすすめアイテム
PERTEX 素材を使用したオールランドに活躍できるランナー向け超軽量シェル。「汚れをさっと落とせる素材のジャケットは、大胆に制作したい日のマインドにぴったり。アトリエも心も明るくなるような色がお気に入りです」と関口さん。
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