#旅人かく語りき
世界でもっとも有名な女性パイロット
アメリア・イヤハート

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世界でもっとも有名な女性パイロット
アメリア・イヤハート

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2024.11.26

2 min read

世界を旅する冒険者の言葉から、歴史に名を残す著名人の旅にまつわる名言まで。
旅ってどんなもの? 彼らがみた世界とは? 旅する人たちの言葉から旅を知ろう。

今回は、アメリカ生まれの女性パイロット、アメリア・イヤハートの言葉をお届けします。

Illustration:YOSHIMI HATOR Text:TRANSIT

死の危険より、飛びたい思いが勝った

空を飛びたいと願う人類の夢は、1903年ライト兄弟の有人飛行により現実のものとなった。以降、人類の得た翼はロマンティックな夢をのせるだけでなく、国家権威の象徴として、ときには戦争の道具となりながら、時流を映してきた。
 
1932年、女性初の単独大西洋横断飛行を果たしたアメリア・イヤハートは、航空黎明期に数々の飛行記録を打ち立てた、世界で最も有名な女性パイロットのひとり。容姿端麗で教養があり、友愛の精神に満ちたアメリカ航空界のスーパースターにとって、空を飛ぶことは、どんな意味があったのだろう。
 
女性の地位向上を目指すフェミニスト、あるいは世界恐慌で沈む国民の希望の光としての使命感もあったには違いない。しかし、それだけで人は生死をかけることができるだろうか。
 
幾度なく繰り返されただろう「なぜ飛ぶのか」の問いに、アメリアは「飛びたいから」と答えたそうだ。
 
1937年、世界一周飛行中の南太平洋上でアメリアは消息を断った。
 
しかし、「いつか落っこちるかもね」と危険を察知していながらも達観していた彼女には、死から逃げない覚悟があった。その覚悟は、時流が彼女に与えた使命ではなく、知的で勇敢、死を書き残したロマンチストでもあるアメリアの「飛びたいから」という純粋な欲求からくるものだったに違いない。
 
世界一周の夢は叶わなかったけれど、あらゆる海の上を飛んだ彼女の軌跡は、今も色あせることなく大空に輝いている。
 
 
「The most difficult thing is the decision to act, the rest is merely tenacity.」
もっとも難しいことは”行動すること”を決めること、あとは執念深くやることだけ

Profile

Amelia Earhart(アメリア・イヤハート)

1897年アメリカ・カンザス州出身。1922年パイロットの免状を取得し、初めて飛行機を購入。女性初の大西洋単独横断飛行、ハワイ〜カリフォルニア間の単独渡洋飛行に成功するなど、女性パイロットのパイオニアとして、故国アメリカで絶大な人気を誇る。

1897年アメリカ・カンザス州出身。1922年パイロットの免状を取得し、初めて飛行機を購入。女性初の大西洋単独横断飛行、ハワイ〜カリフォルニア間の単独渡洋飛行に成功するなど、女性パイロットのパイオニアとして、故国アメリカで絶大な人気を誇る。

この記事は『BIRD4号ウィーン・プラハ・ブダペスト特集』の転載・再編集です。

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