世界を旅する冒険者の言葉から、歴史に名を残す著名人の旅にまつわる名言まで。
旅ってどんなもの? 彼らがみた世界とは? 旅する人たちの言葉から旅を知ろう。
今回は、イギリス生まれのミステリー作家、アガサ・クリスティを紹介する。
Illustration:YOSHIMI HATOR Text:TRANSIT
イスタンブール発、フランス・カレー行きの列車内で起こる殺人事件を書いた『オリエント急行の殺人』に代表されるように、”ミステリーの女王”アガサ・クリスティもまた、旅とはきってもきれない縁をもつ。
彼女が成功した秘訣は「旅」「グルメ」「ロマンス」の要素を物語に織りこんだことだとされる。
イギリス、トーキー郊外の中流階級の家に生まれ、幸福な少女時代を過ごしたアガサ。幼少期には家族との保養、作家時代は英国使節団員として世界一周、再婚後は考古学者の夫の付き添いで中近東を訪れるなど、幸運にも「旅」は身近にありエピソードに事欠かなかったのだろう。
1920年のデビュー以降、作家人生は順風満帆(私生活では失踪事件というセンセーショナルな話題も振りまいたが)、平和な晩年をおくっている。ミステリー作家というと気難しくて神経質といった人物像が浮かぶが、人見知りで、読書を好み、数学が得意な空想好きの少女時代を回想して、自伝にはこう書かれている。
「わたしは目がさめるといつでも、きっと誰でも自然に感じるに違いない気持ち、生きている喜びを感じる(略)。目を開けばまた新しい一日がここにある、いうなれば、未知のところへの旅のまた新しい一歩がある。人生というすばらしくおもしろい旅である」
彼女は「旅」を題材にスリリングなミステリーを書いた。しかし、私生活で描きたかったのは平穏で楽しい人生という旅だったに違いない。
Agatha Christie(アガサ・クリスティ)
1890年イギリス生まれの推理作家。長編、短編、戯曲など、その作品群は100以上にのぼり、発行部数は全世界で10億冊を超えるとされる。代表作に『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』など。1971年には大英帝国のデーム(男性のナイト)の位を授かる。1976年没。
1890年イギリス生まれの推理作家。長編、短編、戯曲など、その作品群は100以上にのぼり、発行部数は全世界で10億冊を超えるとされる。代表作に『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』など。1971年には大英帝国のデーム(男性のナイト)の位を授かる。1976年没。
COUNTRIES
View All
CATEGORIES
View All
MAGAZINES&BOOKS
Back Numbers
特集 : 永久保存版
TRANSIT66号
台湾の秘密を探しに。
2024
WINTER
TRaNSIT STORE
オンラインストア
NEWSLETTERS
イベント情報や編集後記などメルマガで配信中。