青森温泉カルチャーを知っていますか? 
トド寝、朝温泉、スナック、食…and more!

連載:47都道府県ローカルのすゝめ|青森県vol.2

青森温泉カルチャーを知っていますか?
トド寝、朝温泉、スナック、食…and more!

People: 青森県

TRAVEL

2025.03.14

4 min read

北は北海道から、南は沖縄まで、ひとくちに日本といっても、食べ物、お祭、習慣、自然が織りなす景色まで個性はさまざま。その土地ならではの愉しみ方は、その土地の人に訊くのが一番!そんな日本各地の地元ネタを集めたのが、この「47都道府県ローカルのすゝめ」です。

今回は、青森の温泉カルチャーについて。トド寝、朝温泉、スナック散策、温泉が生んだ食まで……青森の温泉には秘められた魅力があるんです。教えてくれたのは、青森県観光交流推進部の白戸七虹さん!

Text:Nanako Shiroto

気がつけば年度末ですね……!
1年間のお仕事や、勉学や、そのほかにもいろいろと、みなさまお疲れ様でした。「疲れを癒やすために温泉でゆっくりしたーい」という方は、ぜひ青森にいらしてください。青森県、実は人口10万人あたりの公衆浴場数が第1位。そして贅沢なことに、そのうち8割が天然温泉なのです!
 
今回は、どこを掘ってもお湯が湧く青森県の温泉文化についてご案内します。

温泉に現れるトド!?

みなさん、「トド寝」ってご存知ですか?
青森県民は、温泉の床で寝ながら入浴することがあります。その様子がトドのように見えることから、トド寝と名づけられました。豊富な湯量を誇る青森県には、源泉かけ流しの温泉も多く、湯船からあふれたお湯まで楽しめるところもあるのです。

十人十色なトド寝。

ぜひ青森県民ではない方も、青森に来たらお試しいただきたいトド寝スタイル。とはいえ温泉はみんなで入るもの!大事なトド寝のルールをお伝えしておきましょう。
 
トド寝ルール、その1
空気を読もう!

お客さんが混雑する時間帯は避けて、空いている時間にゆっくりしましょう。
 
トド寝ルール、その2
県外ではやらないほうが……!

トド寝は青森県特有の文化です。県外でトド寝をして体調が悪いと勘違いされ、救急車を呼ばれそうになった事例も。
 
トド寝ルール、その3
寝る場所を考えよう!

動線に寝てしまうと、ほかのお客さんの邪魔になってしまいます。
 
どうでしょう、だんだん青森ならではの入浴スタイルが気になってきたのではないでしょうか? ここで、トド寝の聖地を教えておきましょう。その名も、〈古遠部(ふるとうべ)温泉〉です。

電波が届かないような山奥にある秘湯です。ごうごうと流れ出る温泉はトド寝に最適。ここを訪れる方は、トド寝はもちろんのこと、頭まで潜って温泉を全身で感じることができる場所なのです。

古遠部温泉でトド寝中。

少しピリピリした泉質で、アトピーにも効くといわれており、温泉をペットボトルに入れて持ち帰る方もいらっしゃいます。(日陰で1年くらい保存可能。レンジ等で温めると効能が復活するそうです。)
 
青森県に訪れた際には、ルールを守ってトド寝ライフを楽しんでみてくださいね♪

Information

古遠部温泉

住所

青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467

TEL

0172-46-2533

料金

大人 400円、子ども 100円。 宿泊料金は1泊2日で1人8,000円~(別途入湯税150円がかかります。)

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早寝早起き、そして朝風呂!

青森県民が日本一の称号をもつもの。「りんご収穫量」「ほたて生産量」そして「早寝・早起き*」!!
*青森の就寝平均時刻は22時30分。起床平均時刻は6時16分です。2位の秋田県より2分早く寝て、4分早く起きているみたい。
 
青森県民は、出勤前に雪かきをしたり、カオスな朝市として有名な「館鼻岸壁(たてはながんぺき)朝市」に行ったり……そして朝から温泉も楽しみます!
 
ここでは、朝4時から開いている〈湯ったら温泉〉をご紹介しましょう。

まだ太陽も眠っている真っ暗な午前3時45分……。朝風呂に向けてスタンバイする車がすでに駐車場に数台停まっています。4時になると同時に、入浴客たちが一目散に温泉に駆け込みます。

〈湯ったら温泉〉では、内風呂、露天風呂、岩盤浴、サウナ、天然地下水の水風呂を完備しており、朝から温泉をしっかり堪能することができます。青森の寒い冬でも朝からポカポカ、あったまってから1日を始めることができます。

Information

湯ったら温泉

住所

青森県青森市羽白富田235-1

TEL

017-718-4557

時間

4:00~23:45

料金

大人 480円、子ども(小学生以下) 150円

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車の常備品「お風呂道具」

車に貼っているのをよく見る「BABY IN CAR」。車に赤ちゃんが乗っているときに、周囲に知らせるためのステッカーですね。青森県の車にも貼ってあるのを発見!と思いきや、「風呂道具IN CAR」!?

そうなんです。温泉大好き青森県民。いつでもどこでも温泉に入りに行けるように、車にはお風呂道具を積んでいます。そしてそれをステッカーにしたのがこの「風呂道具 IN CAR」。

温泉愛あふれる青森県ならではのステッカー、青森県内の温泉施設で購入可能ですので、見つけたときにはぜひゲットしてみてくださいね。
詳細および販売場所はこちら! 

温泉街でスナック散策

温泉で身も心もあたたまって、どこかに寄り道したくなったら……青森県にはスナックが楽しい温泉街もあります。
800年の歴史をもつ「大鰐(おおわに)温泉」は、昔から温泉街として栄え観光客も多かったため、スナックのママも常連さんも、一見さん含めて誰でもウェルカムな雰囲気があり、とても入りやすいんです。

江戸時代の温泉番付で、横綱や大関ではなく別格扱いの「行司」として紹介されるほど温泉としての評価も高い「大鰐温泉」。

昭和レトロな雰囲気溢れるスナックには、地元の常連さんが日々通っています。彼らが話す本物の津軽弁や、地元だからこそ知っているおすすめのスポットやお土産品について聞いてみてくださいね。
 
そんな大鰐町には、太宰治も療養した宿〈ヤマニ仙遊館〉があります。明治時代に建てられた老舗旅館で、どっしりとした風格が感じられます。

太宰が療養したとされる南向きの二間続き部屋の一つ「菊の間」。

ヤマニ仙遊館では、熱めだけどやんわりとした湯ざわりの温泉も堪能できます。

昔の絵葉書を元にマジョリカタイルをふんだんに使ってリニューアルした男湯。

Information

ヤマニ仙遊館

住所

青森県南津軽郡大鰐町蔵館村岡47-1

TEL

0172-48-3171

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味わう温泉?

青森県は本当にどこでも温泉が湧いているので、温泉を活用した食材もあります!
先ほど紹介した大鰐町では、温泉水と温泉熱のみを使用してつくられる「大鰐温泉もやし」が特産品です。シャキシャキとした食感と旨味のつまったもやしは、主役になれるもやしとして大人気です。
 
長さ30cm以上あるなが~い大鰐温泉もやし。根っこまで食べられます。冬の時期に青森県内スーパーで販売されているほか、都内の青森フェアで出品されることも。詳しくはこちらを見てみてください!

大鰐温泉には、温泉を感じるお味噌もあるんです。
それが、大鰐町にあるマルシチ津軽味噌醬油株式会社がつくっている「マルシチの味噌」。日本で唯一、温泉熱を利用して発酵・熟成させる温泉醸造という製法でつくられています。明治時代から受け継がれてきた製法で、手作業が多いこと、温醸室には固有の高熱乳酸菌が生きていることから、温泉と人の手の温かさを感じられるお味噌です。

先ほど紹介した大鰐温泉もやしを使ってお味噌汁をつくるのもいいですね……!
 
都内でも飯田橋にあるアンテナショップ〈北彩館〉で購入することができるほか、ネットショッピングもできます。 
詳しくはこちら。公式サイトには味噌を使ったレシピも多数紹介されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、温泉で育つのは、もやしやお味噌だけではありません。すっぽんも育つんです。それが東北町の「兜すっぽん」。国内でも有数のモール泉で育てたすっぽんは、臭みが極めて少なく、コラーゲンも豊富。海外からの輸入すっぽんは使わず、日本育ちのすっぽんのみ、飼料も栄養バランスのよいものを使用するなど、こだわり満点。

兜すっぽんを育てている〈東北すっぽんファーム〉。

公式サイトではすっぽんのサプリも販売しています! 詳しくはこちら
 
そんな兜すっぽんがスクスク育つ東北町には、日本一黒い温泉「東北温泉」があります。
源泉100%かけ流しの植物性モール温泉です。とろっとしたお湯は、古い角質を落としたり、潤いを与えたり、美肌にも効果抜群です。

真っ黒!

真っ黒!!

真っ黒!!

真っ黒!!!

真っ黒な温泉で美肌になりませんか♪

Information

東北温泉

住所

青森県上北郡東北町上笹橋21-18

TEL

0175-63-3715

営業

6:00~22:00

料金

大人 380円、中学生 250円、小学生 150円、幼児(小学生未満) 無料

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青森県の個性的な温泉や、それにまつわる温泉カルチャーの数々をここで挙げましたが、このほかにもたくさんの温泉・銭湯があります。
 
ぜひ青森で自分好みの温泉を見つけて、まったり疲れを癒やしましょう!

青森県がもっと知りたくなったら!

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Yayoi Arimoto

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