#今日は何の日
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2025.06.23
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6月23日は、沖縄慰霊の日。
沖縄県平和祈念資料館。
© Syohei Arai
日本の南端に位置する沖縄。
この地が、太平洋戦争において国内唯一の本格的な地上戦が行われた場所であることを決して忘れてはいけません。
1945年の沖縄戦では、住民を巻き込んだ熾烈な戦闘が繰り広げられ、およそ20万人以上が命を落としました。そのうち約19万人が日本側の犠牲者であり、とくに沖縄県民への被害は甚大でした。推計によれば、沖縄県出身の一般住民約9万4,000人、日本軍の軍人・軍属2万8,228人が亡くなり、県民の4人に1人が犠牲になったとされています。地域の文化、自然、そして暮らしそのものが根こそぎ破壊される戦禍でした。
第1海兵師団の海兵隊員が、身を隠す仲間を背に、日本軍の狙撃兵をトミーガンで狙う。師団は首里市街地を制圧する前段階として、丘陵地帯の奪取を目指して進軍していた。
沖縄戦では、米軍が支援部隊を含めて約55万人もの兵力を投入した一方、日本側の兵力は約10万人に過ぎませんでした。そのなかには、十分な訓練を受けていない地元の住民や十代の少年兵も多く含まれており、兵力・装備ともに圧倒的な差がありました。
米軍は「鉄の暴風」とも呼ばれる激しい砲爆撃を行い、1945年5月下旬には、日本軍は司令部が置かれていた首里城地下壕を放棄して南部へと撤退。沖縄本島南部は、兵士と避難民が入り混じる混沌とした戦場と化し、米軍による無差別な攻撃が犠牲をさらに拡大させました。
そんな沖縄戦の終結を象徴する日が、6月23日です。
この日は、当時の日本軍第32軍司令官・牛島満中将と参謀長・長勇中将が自決し、沖縄での組織的な戦闘が終わったとされる日。実際にはその後も戦闘はつづき、アメリカ軍が沖縄作戦の終了を宣言したのは7月2日、日本軍の一部部隊が降伏調印したのは9月7日でした。
水をかき分けながら米軍の船艇に向かっていく降伏した日本兵たち。
© USMC Archives
沖縄慰霊の日は、1961年に琉球政府によって定められた法定の休日。
この日には、沖縄県糸満市の平和祈念公園にて「沖縄全戦没者追悼式」が行われ、県知事や政府関係者、遺族らが参列し、正午には黙とうが捧げられます。
沖縄本島南部の糸満市米須にある慰霊碑・魂魄の塔。
© Lequios-star
沖縄戦からまもなく80年。
今なお、基地問題や平和への問いは過去のものではなく、今を生きる私たちにとっても共通の課題です。
過去を忘れずに振り返るだけでなく、今を見つめ、これからの日々を考える一日となりますように。
Yayoi Arimoto
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Yukimi Nishi
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