3月15日は、ユリウス・カエサルが暗殺された日。死の間際に放ったとされる「ブルータス、お前もか」という言葉はあまりにも有名です。
フランス人画家ジャン=レオン・ジェロームによる『カエサル暗殺』。
カエサル(英語名はシーザー)は、紀元前1世紀のローマ帝国でトップに君臨した政治家です。将軍として天才的な能力を持ちながら、文才にも恵まれ、『ガリア戦記』は今なお名著として読み継がれています。あのクレオパトラとも関係を結んでいたことからも、当時のカエサルがいかにカリスマ的存在だったかがわかります。
1783年発刊の『ガリア戦記』
しかしそのようなカリスマが反感を買うことは歴史的にもよくあることで、カエサルも、その革新的な政治改革が共和政ローマの伝統を破壊する独裁者とみなされ、暗殺されることになります。
元老院会議に出席すべく歩いていたところを、数十人の暗殺者に囲まれ、刺されてしまったカエサル。後ろを振り返り、そこにもっとも信頼していた側近の一人であるブルータスを見つけたとき、「ブルータス、お前もか」という言葉を遺したとされています。
© Slices of Light
暗殺の現場となったポンペイウス劇場は、当時世界最大級の劇場でした。現在はなくなってしまいましたが、その跡地であるトッレ・アルジェンティーナ広場に行けば、その歴史の痕跡を確認することができます。暗殺事件のあとに建てられた神殿の柱や、古代の公衆トイレの遺跡なども遺っているのです。
ちなみに、この遺跡には 200 匹以上の猫が棲みついているため、隠れた「猫天国」としても人気なんだとか
© Slices of Light
ローマを見て回るなら、知る人ぞ知るこの「事件現場」を訪れてみてもおもしろいかもしれません。
Yayoi Arimoto
COUNTRIES
View All
CATEGORIES
View All
Yuki Kumagai
ABOUT US
TRANSITとは?
TRANSITは、雑誌とwebをとおして、
地球上に散らばる
美しいモノ・コト・ヒトに出合える
トラベルカルチャーメディアです
MAGAZINES&BOOKS
Back Numbers