1月12日は、ハイチ地震が発生した日です。
© U.S. Coast Guard photo by Petty Officer 2nd Class Sondra-Kay Kneen
2010年の今日、マグニチュード 7.0の大地震がハイチ共和国を襲いました。ハイチはもともとカリブ諸国のなかで最貧国といわれており、政治もインフラも十分に整っていませんでした。
その脆弱さもあいまって、死者30万人を超える空前の大災害となりました。民家のみならず大統領府や国会議事堂も倒壊し、地震直後は大統領ですら屋内で寝ることができなかったといいます。
© Nero the second
ハイチ共和国が位置するイスパニョーラ島は、1492年にカリブを航海していたコロンブスによって世界で初めて「発見」されました。1697年にフランスが侵攻して植民地とし、アフリカから連行した黒人奴隷を酷使してサトウキビやコーヒーの栽培を行うようになります。
フランス革命と呼応するようにして黒人勢力が反乱を試み、ついに独立を果たしたのは1804年のことでした。人口の95%がアフリカ系で構成された、世界で初めて成立した「黒人による共和制国家」となりました。
© Suchodolski
しかし現在も約100年にわたるフランス統治の影響は残っており、国民は日常生活ではクレオール語(ハイチ語)を使いつつ、教育やビジネスの場ではフランス語を併用しています。
観光地としてはいまだにマイナーな国ですが、アフリカの黒人文化を中心としながらフランスとラテンアメリカの文化が混ざり合う独特な雰囲気があり、秘境を求める旅人の間で人気は上昇中。同じカリブのなかでもキューバやジャマイカよりさらにアフリカ色が強く、食文化や音楽も日本人にとっては馴染みのないテイストです。
© Gottfried Küstner
代表的な観光スポットは、ハイチ唯一の世界遺産である「サンスーシ宮殿とシタデル要塞」。独立革命軍がフランスとの戦いに備えて建築したものです。宮殿はバロック様式を取り入れた豪奢な造りで、ヨーロッパから取り寄せた建材や装飾品も数多く用いられています。を、人生で一度は体験してみたいものです。
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要塞は300以上の大砲や貯水槽、食糧庫、パンの製造室まで備わった巨大なスケールで、通貨や切手のイラストにも使われているハイチのシンボル的存在です。カリブへの旅といえばキューバが筆頭かもしれませんが、より冒険的な旅をしてみたいという方は、安全性に配慮しつつハイチを訪れてみてください。