梶井基次郎の命日

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梶井基次郎の命日

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2025.03.24

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3月24日は、梶井基次郎の命日。31歳の若さで肺結核で亡くなったため、作品の数こそ少ないものの、その代表作『檸檬』は日本文学史に残る傑作として読み継がれています。

© no_typographic_man

『檸檬』は、憂鬱な感情を抱きながら京都の街を歩く「私」の心理と行動を描いた作品です。短く読みやすい文体であることも相まって国語の教科書に採用されることも多く、学生時代に読んだことのある方も多いかもしれません。

© Carlos Donderis

「私」は果物屋に並ぶレモンに心を奪われ、それを買って持ち歩くことでいくらか憂鬱が和らいでいくことを感じます。そしてそのまま書店に入っていき、レモンを使ったある「仕掛け」をすることで、美しく解放的な気分で再び町を歩き出す……
 
ラストシーンはさまざまな解釈ができますが、そのイメージの鮮やかさに圧倒され、解釈なんてどうでもよくなってしまうくらい美しい作品です。

新潮文庫『檸檬』

物語のキーとなる「書店」のモデルとなったのは、1907年に京都の三条麩屋町に店を構えた「丸善」です。河原町通りに移転したのち、2005年に閉店となりました。当時は閉店を惜しんで、作品の愛読者たちがレモンを本の上に置いて去っていったことが話題になりました。

29歳の梶井基次郎

しかし閉店から10年の時をへて、2015年に「丸善 京都本店」として復活しました。以来、京都でも屈指の大型書店として支持されています。地下2階の「マルゼンカフェ」では、作品とコラボレーションしたスイーツの「檸檬」も。神社仏閣とめぐる京都観光とはひと味違う「聖地巡礼」をしてみてください。

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Yayoi Arimoto

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