1925年の今日は、パリ万国博覧会がスタートし、「アールデコ」という言葉が生まれるきっかけとなった日。
アールデコとは、1910年代半ばから1930年代にかけて欧米を席巻した、美術様式の名称です。その特徴は、「シンプルさ」と「機能性」。幾何学図形をモチーフにした記号的表現がその象徴で、工芸・建築・ファッションなどあらゆる分野に波及しました。
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1920年代は大量生産の真っ盛りの時代でした。それまで主流だったアールヌーボーの装飾的なデザインは大量生産や実用性において難があり、より機能的でシンプルなものが大衆に求められていました。
そんな中、1925年4月28日にパリ万国博覧会が開幕します。そこで展示された建築や服飾にみられるスタイルが、まさにその「機能的でシンプル」を体現していました。
そして、この博覧会の正式名称が「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes)だったことから、「アールデコ」という呼称が生まれます。
© SHIRO MURAMATSU
パリで生まれた流行は海を越え、第一次世界大戦後のアメリカでさらに加速します。戦争に勝って勢いに乗っていたアメリカでは、「狂騒の20年代」と呼ばれるほど大量生産が激化し、高層ビルが次々と建てられていました。「アールデコ」はそのムードと結びついて時代を席巻していきます。
© Weimer Pursell
代表的な建築物として知られるのは、エンパイア・ステート・ビル、クライスラー・ビル、ロックフェラーセンターなど。特にクライスラー・ビルはアールデコ建築の最高傑作とも言われ、当時の美的感覚を今に伝えています。ニューヨークを訪れた際には、そのデザインに注目してみてください。
© Anthony Quintano
Yayoi Arimoto
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