資本主義......
「資本家が生産計画を決定」
私企業が中心で、会社・工場・土地などの生産手段が私的に所有されている。生産手段の所有者である資本家が企業の利潤追求をすすめ、生産が行われる。企業の自由競争が前提で、社会全体の計画はない。
Nico Perez
「資本家が生産計画を決定」
私企業が中心で、会社・工場・土地などの生産手段が私的に所有されている。生産手段の所有者である資本家が企業の利潤追求をすすめ、生産が行われる。企業の自由競争が前提で、社会全体の計画はない。
「生産活動を国が管理」
生産手段は公有され、土地も国有。企業は国有・国営または協同組合が所有。ただし、実際には小規模企業の私有や私営が認められ、外国人資本家には株式会社の設立も許されるなど、変化していきている社会主義国も。
「資本家に従う力の弱い労働者」
生産手段をもたない労働者が、資本家のもつ生産手段を使いモノやサービスを生産する。不況のときには、企業の倒産や人員整理によって、労働の意思と能力がある者でも失業する場合がある。
「所得格差のない(?)社会」
生産は社会的利益のために行われ、企業は国や計画当局の指示に従って生産する。基本的に生産手段の私有が廃止されているが、近年私有が認められるにつれ比較的裕福な人も出現し、階層が生まれつつある。
「個人も利益を追求し長い労働時間」
市場における需給関係によって、価格が決まりその価格を目安として経済活動が営まれる。利潤追求を目的とするため、企業は需要があれば多くのモノやサービスを提供しようとし、その分労働時間は伸びがち。
「計画に従いノルマ優先の生産」
国による生産計画に従う計画経済のもとで、生産活動が行われる。計画以上にモノやサービスを提供する必要がなく、労働時間は資本主義に比べて短くなる。一般には品質の向上や経済の効率化が軽視される。
「個人の能力で大きく異なる賃金」
能力と労働時間に対して賃金が払われるため、一般的に働けば働くだけ高賃金を得られる。一方で余剰生産物は資本家に私有されてしまうため、資本家と労働者間では所得分配が不平等になり、貧富の格差が大きい。
「能力に応じて分配が基本」
能力に応じて働き、その労働の質と量に応じて受け取るのが原則。ただし、例えばベトナムではドイモイ以降の市場経済の導入で、企業ごとに賃上げやボーナスを設定できるようになり、所属企業による格差も生まれつつある。
「自由な意見のもとにまとまる民主主義」
自由主義をもとにした政治が行われるため、議会にさまざまな意見をもった人びとが集まり、話し合いによって国の方針が決定される。一般的には資本主義社会の国では、民主主義が採用されていることが多い。
「一党独裁で強力に統率」
中国や北朝鮮を見ればわかるように、開発や経済活動など、国の運営を計画的に行うため、強い権力が独裁的にまとめ上げていることが多い。ベトナムでもベトナム共産党が一党独裁を敷き、共産党大会で国家運営の重要事項が決められている。
世界地図から社会主義国が数多く消え去っても今もその体制を維持している国はほかにもある。とはいえ社会主義のあり方も、国によって様々。各国の情勢を独断と偏見で比較してみた。
一党独裁ゆえに権力が集中し、政府が腐敗しがちなのが社会主義の欠点。中国やベトナムでも官僚の汚職は大きな問題になっている。キューバの革命政府が富を独占しなかった点は評価できる。
早い時期に経済の自由化を図った中国やベトナムは、経済面だけみると資本主義といってもいいほど。それに比べるとキューバはまだまだ。北朝鮮も海外同胞へ投資誘致を呼びかけているらしいが…。
社会主義の理想は「平等」だけど、自由な経済活動が可能になれば貧富の差も当然出てくる。キューバでもやはり例外ではなく、外貨を稼ぐことのできる人とそうでない人の貧富の差が拡大しつつある。
非政府組織「国境なき記者団」が発表した2013年の「世界の報道の自由度指数」によると、180ヵ国中、キューバは170位、ベトナムは174位、中国は175位、北朝鮮は179位で似たり寄ったり。
社会主義の基礎知識を知って興味を持ったなら、次には実際に社会主義国を旅して、思想や体制の違いを肌で感じてみてください!北朝鮮はややハードルが高いものの……ベトナムやキューバは観光地としてもメジャーでありながら、日本の資本主義的なムードとは違った時間を体験できる国として最適かもしれない。