朝早く起きた日は気持ちがいい。 実際に"early bird catches the worm"なんてことわざがあるように、朝の時間を有意義に使うと、1日が満ち足りたものになる。 そとからはなかなか見えない、自分だけの時間。 〈Rab〉のウェアとともに朝を頑張る人を訪ね、彼らの思考や、仕事における信念などを聞いた。
Photo : Kosuke Hamada
Text:TRANSIT
蔭山充洋(かげやま・みつひろ)
2005年に小麦を育て始め、2008年に三浦パン屋〈充麦〉をオープン。収穫した小麦はパンの素材として使うほか、横須賀ビールや地元の製麵所に卸している。
2005年に小麦を育て始め、2008年に三浦パン屋〈充麦〉をオープン。収穫した小麦はパンの素材として使うほか、横須賀ビールや地元の製麵所に卸している。
三浦半島にある〈充麦〉。神奈川でも屈指の人気ベーカリーだが、〈充麦〉はただのパン店ではない。なんと店のすぐ近くに畑をもち、自ら小麦を育て、製粉まで行っているのだ。人懐っこい笑顔の店主・蔭山さんがパン、そして小麦づくりを始めた理由とはなんだろうか。
「高校時代から DJなど夜の仕事ばかりで、青白い顔で朝帰りが日常茶飯事。それはそれで楽しかったけれど、昼間に働いてみたいと思うようになって。それでなんとなく求人を見つけたのがパン屋でした」。パンづくりはおもしろかったが、小麦の栽培までする気はなかった蔭山さん。転機は、ヨーロッパを放浪したときのこと。「南仏のアヴィニョンで訪れたお店の方が、『このバゲットは隣の農家が育てた小麦でつくったんだ』って誇らしげに言っていて、それがかっこよくて。日本では、自ら小麦を育てるパン屋はほとんどない。なら、自分がやってみようと思ったんです」
そうして三浦半島で小麦栽培を開始。安定的に実るようになってきたところで、ついに自身のパン店をオープンした。「育てた小麦でパンをつくるなら畑のすぐ近くに店舗をもちたいと思って、一番近かった空き物件で始めたのが〈充麦〉です。朝7時からオープンしているので、5時には出勤して仕込みをしていますね。昔は明け方に帰宅していたのに、今は明け方に仕事が始まります(笑)」
最近は三浦エリアの人びとと協力し、栽培した小麦で麺やビールなどもつくっている。「僕はお客さんが笑って食べている光景をつくりたいんです。だから、パン以外にも食卓を彩るもの、麺やビール、あとは三浦のツナや蜂蜜なんかを売ったりする。パンはもちろん、〈充麦〉にかかわるすべてのものが、幸せな食風景の一助になればと思っています」
肌寒い朝に。〈Rab〉のおすすめアイテム
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