北は北海道から、南は沖縄まで、ひとくちに日本といっても、食べ物、お祭、習慣、自然が織りなす景色まで個性はさまざま。その土地ならではの愉しみ方は、その土地の人に訊くのが一番!そんな日本各地の地元ネタを集めたのが、この「47都道府県ローカルのすゝめ」です。
今回の愛媛県からの耳より情報は、ソウルフードについて。教えてくれたのは、東京で愛媛の観光・物産の魅力の発信に取り組んでいる愛媛県東京事務所の大西佑宜さん!
Photo : 愛媛県観光物産協会、宇和島市、伊予市地域振興協議会、西予市観光物産協会
Text :Yuuki Onishi Special Thanks:愛媛県観光国際課・東京事務所/愛媛県観光物産協会、宇和島市、伊予市地域振興協議会、西予市観光物産協会
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東西に細長く伸びる愛媛県では、各地に個性的な郷土料理が数多くあります。
生産量全国1位を誇る鯛を使った「鯛めし」、甘辛いたれに豚肉とご飯が絶妙にマッチする「今治焼き豚玉子飯」、黄金色のスープにあっさり風味が特徴の「八幡浜ちゃんぽん」など、他県にお住まいの方にも胸を張っておすすめできる料理は数知れず。
それだけに、愛媛のソウルフードとは何か?と聞かれたときには、同じ愛媛県民でも出身エリアによって回答が異なる傾向にあり、これがというものを1つだけ取り上げることはとても難しい質問なのですが、今回は愛媛県民が集う職場内でのアンケートの結果を踏まえ、「じゃこ天」を紹介したいと思います。
「じゃこ天」はねり製品の一種で、新鮮な小魚を骨ごと皮つきのまますり身にし、小麦粉や卵、塩を加えて混ぜ込んでから、小判状に成型して油で揚げた食べ物です。じゃこ天という名前は、原料の「ほたるじゃこ(はらんぼ)」に由来しているという説や、底引き網で捕れたさまざまな種類の魚(雑魚)でつくられていることから「ざこ天」と名づけられたものが、変化してじゃこ天になったともいわれます。
ほかの練り物に比べると、じゃこ天は褐色具合が濃く出ているほか、魚の骨ごと入っているためカルシウムやミネラルが豊富に含まれており、栄養価が高いのも特徴です。
食べてみると、やや弾力のある歯ごたえと、少しだけジャリっと食感のあと、凝縮された小魚のうまみが口の中に広がります。そのまま食べてもおいしいですが、フライパンやトースターで軽く炙り、大根おろしや醤油とあわせて食べるとよりおいしく食べられますし、カレーの具材にだってなるんです。スーパーなどで気軽に購入できて、小腹が空いたときのおやつとして、あるいは晩酌のお供にもおすすめです。
そんなじゃこ天は、お店によってそれぞれこだわりがあり、つくり方や塩加減、揚げ加減や大きさなども店ごとに異なるため、食べてみると味や食感の違いに気づくと思います。
伊予市の「ふたみじゃこ天」では、美しいハート型で人気を集める「ラブじゃこ天」という商品も!1枚から購入できるので、愛媛県にお越しの際は、複数のじゃこ天のお店に立ち寄って食べ比べてみるのも楽しみ方のひとつ。
自分でもじゃこ天をつくってみたい!というチャレンジ精神旺盛な方には、地元の事業者が実施しているじゃこ天づくり体験に申し込んでみるのもおすすめです。出来立てで熱々のじゃこ天は、自分でつくった充実感と合わさって極上の一品となること間違いなしです。ぜひ思い思いに、愛媛のソウルフード「じゃこ天」を楽しんでみてください!
愛媛県がもっと知りたくなったら!