11月23日(土)から11月29日(金)にかけての一週間、渋谷・ユーロスペースで選りすぐりの新作フィンランド映画5作品が公開されます!
フィンランド映画の新作を日本で上映する「フィンランド映画祭」は今年で16回目の開催。
2019年にフィンランドで異例の大ヒットを記録したメタルコメディ映画の続編や、人気小説『頑固じいさん』シリーズの新作ラブストーリー、ソ連のミサイルが墜落した実話に基づいた作品など、今年もさまざまなジャンルから話題作が集められました。
森を愛する青年が人為的な森林破壊に立ち向かう作品や、先住民スコルト・サーミの人びとを取り上げた作品など、フィンランドの歴史・社会を深く捉えることのできる作品も。
そんな5作品を一挙にご紹介します!
インペイルド・レクタム(直腸陥没)が帰って来た!
Hevimpi Reissu /Heavier Trip
2019年に〈後悔するなら、クソを漏らせ!〉のキャッチコピーで異例の大ヒットを記録した『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』の続編。前作で活動開始から12年間ライブ経験なし、オリジナル曲なしのド田舎メタルコピーバンド、インペイルド・レクタム(直腸陥没)は遂に完成した初オリジナル曲をひっさげノルウェーの巨大フェスヘ殴り込み、“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”バンドヘと脱皮したがその行いによって収監されていた。獄中、ドイツのメタルフェスヘの出演オファーを受けるも準備不足と投獄を理由に辞退したが、ギタリストの実家であるトナカイ粉砕場が地上げ屋の乗っ取り危機に瀕していることを察知したとき、彼らは動き出す。
劇中音楽は前作に続きMORS SUBITAのミカ・ラマサーリ、さらにスウェーデンのオカルトロックバンドYEAR OF THE GOATも参戦。
2024年/96分/カラー/デジタル上映
監督:ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ/出演:ヨハンネス・ホロパイネン、マックス・オヴァスカ、サムリ・ヤスキーオ、チケ・オハンウェ
ヨーロッパ最後の針葉樹林地帯を守る、勇敢な若者たちのドキュメンタリー
avumetsän lapset /Once Upon a Time in a Forest
フィンランドの魅惑的な森の中で、若者たちは自然に溶け込み、透明な湖で泳いだり、古代から生き延びた木々の営みに耳をかたむけている。しかしその森は、人為的な破壊行為によって危機にさらされていた。森への愛に突き動かされた22歳のイーダは新しい森林保護活動のリーダーとなり、フィンランドの林業大手企業と対決し、世代間の偏見に立ち向かう。
2024 年/93 分/カラー
監督:ヴィルピ・スータリ
ソ連のミサイルがフィンランドに墜落、実話に基づいた作品
Ohjus /The Missile
1984年、フィンランドのラップランド地方。ニーナは2人の子どもをもつシングルマザー。ある日ニーナは空から大きな爆発音を聞き、ソ連がフィンランド国境を越えてイナリ湖にミサイルを撃ったことをラジオで知る。すぐに世界中の記者が村に集まるなか、地元新聞社に勤めるニーナはミサイル事件と核戦争の脅威の調査にのめり込むようになる。彼女はミサイルの秘密を知る戦闘機パイロットのカイと出会い恋に落ちるが、そこへ元夫が彼女のもとに舞い戻ってきた。ミサイルの真実を執拗に追いながら、自分自身の問題にも向き合わなければならなくなるニーナ。
暴力的な世界で平穏を求める彼女が、ついに元夫と決別したとき、ミサイルの真実が明るみに出る。
2024 年/110 分/カラー
監督:ミーア・テルヴォ
人気の頑固じいさんシリーズ最新作は心温まるラブ・ストーリー
Mielensäpahoittajan rakkaustarina/Long Good Thursday
トゥオマス・キュロの人気小説を映画化した頑固じいさんシリーズの第4作。買い物中のおじいさんはサイムの香りを嗅ぎ、彼女の魅力に心を奪われる。恋する少年のようにどぎまぎする自分が信じられずにおじいさんは動揺するが、サイムと一緒にいるのが楽しいと認めざるを得ない。サイムの言葉、視線、感触が、長い間忘れていた感情を呼び覚ましていく。そんな父親に嫉妬する息子たちは、サイムが相続を狙っているだけではないかと、彼女の誠実さを信じようとしない。家族会議、誤解、月明かりの下での水泳、そして眠れぬ夜。そう、愛の矢は古いネルシャツさえも貫くのだ。
2024年/98 分/カラー
監督:ミカ・カウリスマキ
先祖の絆と先住民に対する叙情的な証言
Je’vida
300人ほどしか話さないスコルト・サーミ語で撮影された初の長編映画で、イェヴィダと呼ばれるスコルト・サーミ人の女性が、フィンランド社会に強制的に同化させられていた時代の生活を描く。
これまで一度も会ったことのない叔母と姪が、相続した家を空にするためにラップランドまで車で向かう。その場所に到着すると叔母には辛い記憶が呼び起こされ、自分の過去につながるものなら何でも燃やそうとする。愛情深い祖父と釣りをしながら過ごした心温まる子ども時代、彼女からサーミ人のアイデンティティを叩き出そうとした寄宿学校での出来事、成人になっても先住民のルーツから遠く離れる可能性のある結婚しか選択肢がなかったことなど、過去の秘密に深く入り込むことで、本当の自分を静かに取り戻すことに気づかされる。
2023 年/103 分/白黒
監督:カトゥヤ・ガウリロフ
映画をとおしてフィンランドの音楽、小説、歴史や社会、さまざまな側面にふれることのできる「フィンランド映画祭2024」。最新作を劇場で見られるこの機会に、ぜひ渋谷・ユーロスペースへ足を運んでみてください。
フィンランド映画祭2024
期間|11月23日(土)~11月29日(金)
会場|ユーロスペース (渋谷区円山町1‐5 KINOHAUS 3F)
HP| http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000821
入場料金|1500円均一
上映スケジュール|
11月23日(土) 16:30『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』/19:00『頑固じいさんと愛の物語』
11月24日(日) 16:30『ミサイル』/18:45『ワンス・アポン・ア・タイム~』
11月25日(月) 16:30『イェヴィダ』、18:45『ミサイル』
11月26日(火) 16:30『ワンス・アポン・ア・タイム~』/18:45『イェヴィダ』
11月27日(水) 16:30『ミサイル』/18:45『頑固じいさんと愛の物語』
11月28日(木) 16:30『イェヴィダ』/18:45『ワンス・アポン・ア・タイム~』
11月29日(金) 16:30『頑固じいさんと愛の物語』/18:45『ミサイル』
主催|フィンランド・フィルム・ファンデーション
特別後援|フィンランド大使館、フィンランドセンター
協力|有限会社ユーロスペース、キングレコード株式会社、日本映像翻訳アカデミー株式会社