船でしかいけない? 
愛媛・上島町の島々へ!

連載:47都道府県ローカルのすゝめ|愛媛県vol.3

船でしかいけない?
愛媛・上島町の島々へ!

People: 愛媛県

TRAVEL

2025.04.03

3 min read

北は北海道から、南は沖縄まで、ひとくちに日本といっても、食べ物、お祭、習慣、自然が織りなす景色まで個性はさまざま。その土地ならではの愉しみ方は、その土地の人に訊くのが一番!そんな日本各地の地元ネタを集めたのが、この「47都道府県ローカルのすゝめ」です。

今回の愛媛県からの耳より情報は、船でしか行けない瀬戸内の秘密の島々について。教えてくれたのは、東京で愛媛の観光・物産の魅力の発信に取り組んでいる愛媛県東京事務所の大西佑宜さん!

Text:Yuuki Onishi Cooperation:上島町

船でしかいけない? 愛媛・上島町の島々

船でしか行くことができない島と聞くと、皆さんはどのような場所をイメージするでしょうか。
 
小笠原諸島のようにフェリーで1日かけて行くような場所だったり、あるいは西表島のような神秘的な場所を思い浮かべる方も多いかと思いますが、いずれの島も独自の文化や生態系を有し、旅人を惹きつけてやみません。
 
愛媛県にも県内自治体の中で唯一、船でしかいくことのできない「上島町(かみじまちょう)」という小さな島々が集まったまちがあるのですが、この島々も旅先にぴったりな場所の1つです。
今回はそんな上島町を皆さんに御案内したいと思います。

上島町は愛媛県の東北部、広島県境に位置し、瀬戸内海に浮かぶ25の離島(有人島7・無人島18)で構成されています。
 
7つの有人島のうち、弓削島(ゆげじま)・佐島(さしま)・生名島(いきなじま)・岩城島(いわぎじま)の4島は3本の橋でつながれており、島民の方はこれらの橋の総称である「ゆめしま海道」や船を使って生活しています。ゆめしま海道は一般道のため、自動車、自転車、人が自由に通行できるので、車や自転車とともに船で渡れば、島内をのんびりドライブもできますし、サイクリストに人気の「しまなみ海道」から立ち寄ってサイクリングを楽しむ人たちもいます。
 
残る有人島3つは、魚島(うおしま)、高井神島(たかいかみしま)、赤穂根島(あかほねじま)。7つの有人島は人口が数人から2,000人超ほどと、それぞれの暮らしがあります。
 
上島町一帯の船便は1日のべ140便以上にものぼるとのことで、いかに船が生活に密着しているかがうかがえます。上島町へは、主に愛媛県の今治、大島、伯方島や、広島県の生口島、因島などから船がでています。それぞれの島へ船で渡る方法は、以下のリンクを参考にしてみてください。
 
上島町へのアクセス(瀬戸内かみじまトリップ):https://www.kamijima.info/access/

江戸時代は民間航路の要衝として商業や廻船業でにぎわい、現在は造船関連産業が町経済の中心を担っています。このほか、瀬戸内の温暖な気候を利用したレモンづくりや、レモンの搾りかすを飼料に混ぜて育てた豚肉「レモンポーク」が名産品として知られています。

そんな上島町には、島ごとにおもしろい特徴があります。少しだけ島の様子を覗いてみましょう。

①魚島のデベラとたこつぼ

弓削港から高速船で約50分のところにある魚島は、人口約110人の漁師の島。島の周囲は好漁場として知られ、豊かな海の幸に恵まれています。とくに、近海でとれるカレイの一種・デベラ漁が有名で、冬の風物詩として漁港内のあちこちでデベラを干している姿が見られます。また、たこつぼ漁も盛んな島で、水揚げされた真蛸(まだこ)はその大きさと深い味わいで評判となっており、シーズンオフの3月~5月と9月~11月の期間は、漁に使うたくさんのたこつぼが並ぶ、魚島ならではの光景が見られます。非日常感あふれるアートのような光景を楽しむもよし、のんびりと島時間を楽しむのもおすすめです。

②岩城島のレモンづくり

ゆめしま海道のかかる岩城島は、造船業の盛んな島であるとともに、レモンの島としても知られています。岩城島は全国の産地に先駆けて、1980年代から「ノーワックス・防腐剤不使用」の国産レモンの出荷がスタートし、「青いレモン」を特産品とするまちおこしを始めました。黄色いレモンが主流だった当時は、青いレモンに対する懐疑的な見方があったそうですが、農家さんたちの努力の末に、“採れたて”“新鮮さ”の代名詞として、今では全国的に知られています。青いレモンが実る美しい光景は、出荷がはじまる秋ごろに見ることができます。

③弓削島の塩づくり

上島町政の中心地である弓削島は、平安時代後期から後白河法皇の荘園として塩づくりを行っており、鎌倉時代には弘法大師ゆかりの東寺に寄進されるなど、「塩の荘園」として知られています。また、近年は大学の調査により、弓削島をはじめとした島々における製塩の歴史は、約1700年前の古墳時代前期まで遡ることが判明しました。そんな歴史ある塩づくりは、一時途絶えた時期はありましたが、地元の方々を中心に塩の歴史を後世に伝承する取り組みが行われており、一般の方も塩づくりを体験することができます。

④高井神島でアートを

弓削港から高速船で行くことのできる高井神島。11名の島民が暮らすこの島では、島おこしの一環として、著名な漫画家の協力を得て、港周辺の民家や公共施設に漫画アートが施されています。『Dr.コトー診療所』、『キャンディキャンディ』をはじめ、30点以上の名作が島内に点在しており、懐かしい作品から最近の作品までさまざま!家族や友人で来ても楽しめるアートとなっています。鑑賞中にお腹が空いたら、移住者の方がオープンしたお食事処〈まんが亭〉で、ひと休みしましょう。

島々を見渡す積善山

上島町の美しい景色をより楽しみたいという方は、岩城島の中央にある積善山への登山もおすすめです。標高が370mほどの高さで、山頂近くまでは車も通行できるような道が整備されており、徒歩でも1.5~2時間程度で登ることができます。心地よい汗をかいたあとのご褒美には、瀬戸内海を360度見渡すことができる大パノラマの景色が待っています。瀬戸内海に浮かぶ島々と、澄んだ空や海の色が広がる光景は、まさに絶景!心に残るシーンとなるでしょう。

シーカヤックやSUPで島々めぐり

海との距離が近い上島町では、滞在中にSUPやシーカヤックといったマリンアクティビティを楽しむこともできます。シーカヤックでは、普段なかなか行けない無人の浜や多島美に沈む夕日を楽しむなど、思い出に残る体験ができます。
 
また、世界を船で旅したのち、上島町の佐島に定住したサムさんが提供する「島旅ヨット」では、オーダーメイドでヨット旅を堪能することができます。無人島に降りたってピクニックするもよし、ヨットで穏やかな波を楽しむのもよし。日常を忘れるひとときになるでしょう。

上島町の魅力は伝わりましたでしょうか?
上島町を訪れた人は、ゆっくりと落ち着いた時間が流れていることに気づきます。上島町には約6,000人の方が住んでいますが、町内には信号が1つもなく、交通量も少ないため、都会のような喧騒とは無縁です。聞こえてくるのは、瀬戸内海の穏やかな波や海鳥の声といった自然が奏でる音が心地よい音色。上島町で過ごすうちに、自然と心が落ち着きます。そんな環境だからこそ、時間の感覚がのんびりになってしまうのかもしれませんね。
 
上島町で、非日常的な1日を過ごしてしてみませんか?

Information

協力:上島町
アクセス情報(瀬戸内かみじまトリップ):https://www.kamijima.info/access/

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Yayoi Arimoto

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