「ルーシー・リー展-東西をつなぐ美のうつわ-」
移転開館5周年を記念して、国立工芸館で開催!

「ルーシー・リー展-東西をつなぐ美のうつわ-」
移転開館5周年を記念して、国立工芸館で開催!

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2025.10.10

4 min read

20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リーの作品約120点を展示する本展が、11月24日(月)まで石川県金沢市にある国立工芸館にて開催中。国内から集められた作品を一堂に見ることができる貴重な機会です。

ウィーンで制作を開始した初期の作品から、東洋陶磁の影響を受けた作品、1970年代以降の代表作まで、ルーシー・リーの創作の軌跡をたどる構成となっています。彼女と交流のあった作家たちの作品も併せて展示されており、人・もの・場所・時代背景を交えながら、作品の魅力を多角的に紐解きます。

陶芸をはじめた頃のこと

1920年代にウィーン工芸美術学校に入学し、陶芸の世界に足を踏み入れた初期の作品に加え、20世紀初頭のウィーン工房の創設者や、同時期に活躍した作家たちの作品も紹介。当時の芸術的雰囲気を感じ取ることができます。

ルーシー・リー《カップ》1926年頃 個人蔵

© 野村知也

迫害を逃れて渡英

次の転機となったのは1938年。ユダヤ人だったルーシー・リーは、ナチスの迫害を逃れてロンドンに移住し、新たな生活を始めます。そこで出会った陶芸家のバーナード・リーチやハンス・コパーとの交流は、彼女の創作に影響を与えました。
 
イギリス陶芸界を牽引していたバーナード・リーチの「スタジオ・ポタリー」を中心とした陶芸家たちによる、東洋陶磁の影響を受けた作品も展示。時代と地域を超えた美意識の広がりを感じることができます。

ルーシー・リー《黄釉鉢》1958年頃 井内コレクション (国立工芸館寄託)

© 品野 塁

個性が花開く

さらに、1970年代以降に確立された彼女独自のスタイルを示す鉢や花器も展示されます。小さな高台やすっきりとしたライン、マンガン釉、掻き落とし技法などを組み合わせた、美しく洗練された作品が並びます。

ルーシー・リー 《ブロンズ釉花器》 1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)

© 品野 塁

ルーシー・リー《白釉ピンク線文鉢》1984年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)

© 野村 知也

10年ぶりの大回顧展となる今回の展覧会は、石川県金沢市の国立工芸館で開催されます。2020年、東京・皇居のほとりから「工芸のまち」として知られる金沢・本多の森へと移転して、2025年で5年。工芸や美術に関わる多くの施設や文化遺産に恵まれた金沢の街を楽しみながら、本展を訪れてみてはいかがでしょうか。

国立工芸館 外観 秋撮影

© 太田拓実

Information

ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―

会期

2025年9月9日(火)〜 11月24日(月・休)

場所

国立工芸館

営業時間

9:30 - 17:30 ※入館時間は閉館30分前まで

休館日

月曜日(ただし10月13日、11月3日、24日は開館)、10月14日、11月4日

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移転開館5周年記念 ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―

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Yayoi Arimoto

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