今、どんな記事をつくってる? 週末はどこへ行ってた? 最近気になっていることは? などなど、TRANSIT編集部のオンオフの日々をお届けします。
現在、編集部は2026年3月発売のベトナム特集に向けて、現地で滞在制作中。ベトナムにいる間は、編集部日誌を毎日更新!
ということで、前半に滞在するハノイ班から、編集部・磯部が街の流れに身を任せながら過ごした、ハノイでの2日目のこと。
Photo & Text: Risa Isobe(TRANSIT)
車やバイクのクラクションが、絶え間なく鳴り響く街、ハノイ。
それが、この街の最初の印象だった。
車が所狭しと密集しながら道路を進んでいく光景は、インターネットでもよく目にしていたけれど、実際はその印象どおり——いや、それ以上だった。
日本では信号が絶対で、歩行者が優先される。でもハノイ市内では歩行者が優先される様子はなくて、車道が赤信号で歩道が青信号であってもバイクが容赦なくこちらに向かってきたりする。
1日目は、みんなで団子のように固まり、おどおどしながら道路を渡っていた。そんななか、いちばん最初に道の横断に慣れたのは山崎だった。
ひょいひょいっと身をこなし、堂々と歩いて渡っていく。その様子を見ていると、どうやら大事なのは「度胸」と「車の流れを読むスキル」、そして「歩くこと」のようだ。
強い気持ちで「絶対に渡るぞ」と決めて、いけると思った瞬間に堂々と歩き出す。すると、轢かれそうな気はするのだけれど、不思議と車と衝突することはない。
もしかするとこの街では、歩行者と車の関係が、互いの「無言の信頼」によって成り立っているのかもしれない。
走るとかえって速度が読みづらくなり、車やバイクとぶつかりそうになるので、慣れないうちは、現地の人の後について歩いてみることをおすすめする。とはいえ、街中で歩行者とバイクが接触している人も見かけたので、道路を渡るときは気をつけて。
滞在2日目からは鈴木が取材で不在になってしまったから、残りの津賀と山崎、そしてわたしは仕事をしつつ、空き時間でそれぞれの行きたい場所へ向かった。
わたしは、散策に出かけることにした。繁華街や観光客向けのエリアももちろん気になるけれど、滞在している宿の周囲で、どんな人たちがどんな暮らしをしているのかを見てみたかった。
野菜を売る露店が圧倒的に多く、次に果物店。そのあとに商店が続き、お菓子店やベーカリー、ケーキ店まで並んでいる。
大きなスーパーやコンビニももちろんあるけれど、個人で営まれている店のほうが目につく。
オープンエアな居酒屋のような店や食堂もあちこちにあって、店先に置かれた小さなテーブルと椅子に腰掛けて、人びとはお茶やお酒、食事を楽しんでいる。
率直に「いいな」と思った。
日本では、外で気軽に楽しめる店はなかなかないし、何より外気に触れながら食事をするという行為そのものが、こんなにも気持ちいいなんて。温暖な気候ならではの楽しみ方だ。
路上でチェスのようなゲームに興じる人たち、道端のスタンドでお茶を飲みながら談笑する人たち。きっと、近所や職場などコミュニティの横のつながりが強いのだろう。
わたしも商店の店員さんや、宿の別の階に住んでいる人たちと目が合えば、軽く会釈をするようにした。そうすることで、ほんの少しだけ、気負わずに街を歩けるようになってきた。
旅に出たり、知らない土地を訪れたりしたときに、無意識のうちに気になってしまうものやこと。そうしたものにこそ、自分の輪郭がくっきりと表れる気がする。
そんなことをふと思いながら、今日もまた、Phở(フォー)を食べに街へ繰り出してみる。
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