今、どんな記事をつくってる? 週末どこ行ってた? 最近気になっていることは? などなど、TRANSIT編集部のオンオフの日々をお届けします。
3月のベトナム特集発売に向けて、現地滞在制作を終え、日本に帰国した編集部。更新頻度も毎週末の1回に戻ります。
そして現在は入稿シーズンの真っ只中。そんななか、兵庫・大阪に向かう取材班あり。いったいなぜ関西へ? 編集部の津賀がお伝えします。
Photo & Text: Maki Tsuga (TRANSIT)
12月の編集部、ベトナム特集の企画会議をしていたときのこと。
ハノイ・ホーチミン滞在の企画案に盛り上がるなか、もうひとつ話題になっていたのが「日本のなかのベトナム」企画だった。
「バインミーの店、都内でまた増えてきた気がする」「日本の在留外国人で、中国に次いで二番目に多いのがベトナムらしいよ」「ベトナム人技能実習生のニュースを聞いたことがある」「NHKのドラマ『東京サラダボウル』で、ベトナム人介護士の回を観た」などなど。何人か日本のベトナム企画を上げていて、私もその一人だったので、担当編集をすることに。
さて、どこへ取材に行こう。
最初に浮かんだのは、神奈川の「いちょう団地」。ベトナム料理を食べにいったことがあって、田んぼのなかに巨大団地が佇んでいるのんびりとした雰囲気もよかったけど……自分の知らないベトナムも見てみたい。
そういえば、少し前に神戸の新長田へ行ったとき、「このあたり、ベトナムの人がたくさん住んでるんですよね」と地元の写真家さんが言っていたっけ。大阪の八尾や西成もベトナムの人が多いとも聞くし。というわけで、兵庫・大阪に日本のベトナムを探しに行くことにする。
神奈川の大和市と横浜市にまたがって群立する「いちょう団地」。大和市に定住促進センターが設置されたことで、インドシナ難民が暮らしはじめた。
原稿は、室橋裕和さんに依頼。
もともと週刊誌の記者で、10年ほどタイに移住、帰国後は東京の新大久保に住んで、今はアジアや移民をテーマにした記事をよく執筆しているジャーナリストだ(著書『ルポ新大久保』もぜひ!)。室橋さんと事前打ち合わせをしていると、大阪だと今里がベトナムタウン化していておもしろいという。Mapや取材希望の場所を共有してもらって準備をする。
写真は、神戸のベトナム情報を教えてくれた岩本順平さんにお願いする。
下町の新長田に住んでいて、顔も広い岩本さん。地元の仕事仲間に、日越の文化交流の場をつくっている日越夫妻がいるという。その夫妻をつないでもらい、新長田のベトナムコミュニティを教えてもらう。
旅の仲間が増えていくこの感じ、ドラクエみたい。
そう思っていたら、さらに頼もしいメンバーが現れた。神戸大学の斉藤善久准教授だ。
斉藤先生は、アジアの労働法の研究者。
ハノイに住んでいたことがあって、ベトナム語が堪能。そのうえ、SNS上に在留ベトナム人向けの相談窓口を開いていたりする。
そんな斉藤先生に、ベトナム特集内の外国人技能実習制度を解説する企画でオンライン取材していたときに、「来週、神戸・大阪へ日本のベトナムを探しにいくんです」と伝えると、取材に同行してベトナム人の知り合いを紹介しますよ、と言ってくださったのだ。
多忙に違いないのに、フットワークの軽さが旅人すぎる!
神戸・新長田で取材しているところ。話を聞くジャーナリストの室橋裕和さん、カメラを構える写真家の岩本順平さん。右側が日越文化を結ぶ活動をしている横堀ふみさん、ファン・チォン・クォンさん夫妻。
ベトナムの特定技能実習生ふたりを囲んで、室橋さん(右)と神戸大の斉藤善久先生(左)で晩ごはん。
そして、神戸・大阪のベトナムへ。
人から人へのご縁と、道端での偶然の出会いと、誌面におさまり切らないほどの旅になった。神戸か大阪か、どちらか1つに絞っても十分成り立つくらい。でも、それぞれの街がまとう空気が違っていたので、2つの都市を見渡せたのは意味があったかも。
ものすごくざっくりいえば、神戸の新長田はオールドカマーの層が厚い街。
1979年に姫路に定住促進センターができてインドシナ難民の受け入れがはじまると、工場が多くて働き口のあった新長田にボートピープル世代が移り住んだ。神戸・三宮にも近くて仕事も多い新長田は、今でも新しい世代のベトナム人たちが増えつづけている。
この街に住んでいる写真家の岩本さん曰く、新長田はベトナムの人だけでなく、もとは在日コリアンが多く暮らしていたエリアでもあって、さらに遡れば奄美の人たちも移り住んできた街なのだという。
一方、大阪の今里は、ニューカマーな街。
日本語学校へ通う留学生や若い技能実習生が多い印象。街を歩くと、ベトナム系のリサイクルショップ、ケータイショップ、不動産業者が目に入ってくる。日本に住みはじめたばかりの人も、ここへ来ればなんでも揃いそう。さらに、ベトナム系スーパー、ベトナム料理店といった日常生活を支える場所、ベトナム系カフェ、カラオケ、ビリヤード場といった遊び場もある。
新大久保に暮らしている室橋さんからすると、街のつくりが似ているという。
「今里は、花街があったり、鶴橋と生野のコリアンタウンに挟まれていたり、それにベトナムだけじゃなくて、ネパールもミャンマーも入り込んで来て、いろんな文化が混ざり合っている感じが新大久保に近い感じがする」と室橋さん。
“ベトナム”を探しにいっていたけど、それ以外のルーツをもつ人、それにかかわる日本人、それらを取り巻く街の景色が、次々と飛び込んでくる。街を歩いているだけで、生きいきとした路上の気配が感じられるところは、なんだかアジアっぽい。
室橋さんの原稿も、岩本さんの写真も、早速あがってきた(早い!そして、文も写真もおもしろい!!)。
ベトナム特集の誌面を、お楽しみに。
夜の編集部。デスクにはりついて、デザイナーThereThereさんと入稿前の最終調整をラリーしているところ。
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