2017年をプレイバック。
ホーチミンで見たい景色、体験したいこと。

連載|今週の編集部日誌 in Vietnam

2017年をプレイバック。
ホーチミンで見たい景色、体験したいこと。

People: 林紗代香(TRANSIT総括編集長)

TRAVEL&LIVE

2026.01.23

7 min read

今、どんな記事をつくってる? 週末はどこへ行ってた? 最近気になっていることは? などなど、TRANSIT編集部のオンオフの日々をお届けします。

現在、編集部は2026年3月発売のベトナム特集に向けて、現地で滞在制作中。ベトナムにいる間は、編集部日誌を毎日更新!

今回は、編集部のホーチミン滞在日誌の第3弾。9年ぶりのホーチミンでどうしても行きたかった場所へ向かうことに。その先は……?

Photo & Text:Sayoka Hayashi(TRANSIT)

2017年(前回のベトナム特集での取材)以来の再訪となったホーチミンで、どうしても見たい景色があった。
 
別のお仕事の関係でバンコクからホーチミンへ飛び、ほかの編集部メンバーとは異なり滞在期間が2泊3日しかなかった私は、最終日の午後、その場所へ向かうことにした。目的の場所は、〈HOTEL MAJESTIC SAIGON〉。1925年に創業し、2025年で100周年を迎えた歴史あるホテルだ。
 
なぜかというと、2017年当時、少し奮発してHOTEL MAJESTIC SAIGONへ宿泊した際に撮影した写真が出てきたからだ。ふだん旅先で自分の写真を撮ってもらうことはほとんどないのだけれど、TRANSITオリジナルフォントで作った「SAI GON Tシャツ」を着ていた関係で、テンションが上がっていたのだろう。(街中で「ミス・サイゴンだね!」と声をかけられたことも記憶している)バッチリと記念写真に写っている。

2017年に訪れたときのHOTEL MAJESTIC SAIGON前の通りの風景。 

HOTEL MAJESTIC SAIGON 5F、スカイバーにて。2017年。

そんなわけで、この写真と同じ景色を見たい!と、ホテルへ向かうことにした。
 
ホーチミンでの移動はなんといってもバイクが便利だ。とにかく渋滞が酷くて、空港から配車アプリを利用して、編集部が拠点にしている1区へタクシーで向かった際には、40分ほどの道のりのはずが、夕方の渋滞に見事にハマり、1時間以上かかってしまった。ベトナムは“バイクの国”のイメージだったけれど、経済成長にともない自動車所有率もかなり増えたのだろう。
そうした経験から、配車アプリを利用してのバイク移動が編集部メンバーのスタンダードになっていた。
 
しかーし!私は、見たい景色のほかに、体験したいことが一つあった。それは、2024年に開業したメトロに乗ること。2017年当時は、まだまだ建設途中で、至るところに日本の大手ゼネコンの名を冠した看板が掲げられ、街全体が工事中のような様相だった。
だから、2024年12月、計画から10年遅れて開業したというニュースを見たときには感慨深いものがあって、ホーチミンに行ったらメトロに乗る、と心に決めていたのだ。
 
メトロの起点となるベンタイン市場まで歩いて向かう。昼も夜も変わらず車・バイクの交通量が多く、横断もままならないほど。でも、メトロの駅に近づくと、人通りも少なく、閑散とした雰囲気に。

ベンタイン市場のメトロの建物の側には、シェアサイクルの自転車が並んでいた(利用している人は一度も見かけなかったけれど……)。

ベンタイン駅の出入り口。本当に運行してる? と心配になってしまう。

地下鉄の構内に入っても人はまばらで、果たして運行しているのだろうかと疑念が脳裏をよぎる。券売機で、数人がチケットを購入している姿をみて、ようやく安心。料金は数駅先まで2万2000ドン(約132円)。
 
日本企業が関与しているからか、日本の地下鉄のシステムに似ていて、チケットを購入したら改札を通り抜け、ホームへと降りて電車を待つのみ。乗り方に戸惑うことはないし、地上のような騒音や排気ガスもなく、快適で落ち着く。メトロの利用者が少ないのは、バスやバイタクのほうが安いからだろう。
 
いま開業している1号線を皮切りに、今後2号線、3号線と建設が計画されているそう。全線が開業するのはまだまだ先になりそうだけど、渋滞を避けたり、ちょっとひと休みするためにメトロに乗るのもよさそうだなと思った。

開業して1年ほどの、ホーチミンのメトロ。正直なところ、乗客よりも駅のスタッフのほうが人数は多かったかもしれない。

オペラハウス駅で降りて、HOTEL MAJESTIC SAIGONへ。宿泊客でなくても入店できる8Fのルーフトップバー〈M Bar〉が15時からということで、オープン時間を目がけて向かう。エレベータをおり、店内へと一歩足を踏み入れると、お客さんは一人もいなかった。そして、テラス席の先には、サイゴン川と対岸の景色が広がっている!
 
あれ、なんかちょっと違うかも……!? そう気づいたのは、席に腰をおろしてから。どうやら2017年に写真を撮った場所とは違うようだ。ウェイターに写真を見せて、以前こちらのホテルで写真を撮ったのですが、この場所ですよね? と尋ねた。するとウェイターさんは、「この写真の場所は、5Fですよ」と微笑んだ。
 
8Fじゃなくて、5Fだった。とりあえずビールを注文し、サイゴン川を往来する船を眺めながら、はやる気持ちを落ち着かせる。ハッピーアワーということで、おつまみのポテトフライもついてきた。

HOTEL MAJESTIC SAIGONといえば、の優雅な螺旋階段。

バーで注文しないのは流石に失礼なので、ビールを注文(15時だけど、仕方なく、ね)。

ビールを飲み干した後、別の棟の5Fへと向かう。5Fにある〈Breeze Sky Bar〉は、朝は宿泊客の朝食会場として、午後6時からはビュッフェスタイルのレストランとしてオープンするそうだ(そういえば2017年も朝食の際に撮影したのだった)。でも正直なところ私には、6時まで待って、一人でビュッフェを楽しめる自信がない。
 
入り口で出迎えてくれたスタッフの方にダメもとで写真を見せながら尋ねた。「9年前にここで写真を撮影したのですが、同じ場所で写真を撮ってもいいですか?」
するとスタッフの方は、「どうぞ、あちらですよ」と快く指さしてくれた。
 
指示された方へ行くと、たしかに写真と同じ場所だった。
2017年の写真と目の前に広がる景色を見比べて、Google Mapsで位置を確認する。サイゴン川に架かる立派な橋はバーソン橋。全長1465mで、7年の歳月をかけて2022年に開通したらしい。周辺には高層ビルも随分と増えたようだ。2017年には気づかなかったけれど、今は観光名所になっている〈Landmark 81〉も当時は建設中だったのだ。

2026年の、HOTEL MAJESTIC SAIGONからの眺め。数年ごとに定点観測していこうかな。

高度経済成長の真っ只中という雰囲気で、エネルギーに満ちていた2017年。あれから9年が経ち、街も人も、少しずつ新しい時代の生活様式に慣れ始めたようだ。当時取材で出会った対岸の新興住宅地に暮らす5歳の女の子は元気にしているだろうか。共働きのエリート夫婦の家の子だったから、もう受験勉強とかしているのかもしれないな。なんて、センチメンタルな気持ちになる。
 
帰りはカフェに寄って、メトロでスマートに帰ろうか。
でも、ホーチミンには喧騒が似合う気もする。やっぱりバイクで帰ろう。

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Photo by

Yayoi Arimoto

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