連載|今月の編集部がしたいこと!
WATCH
2026.02.10
16 min read
編集部が気になっている旅にまつわるトピックをお届けするコーナー「今月の編集部がしたいこと!」。
知らない世界の扉を開く、アート、映画、食、体験をピックアップ。すべてのモノ・コト・イベントが、次の旅のきっかけになるはず!
2026年2月は、「未体験ゾーンの映画たち」や「恵比寿映像祭」など、世界の文化と暮らしに出会えるイベントが充実。遠くの風景に思いを馳せれば、冬の寒ささえ忘れてしまいそう。
Index
16 min read
11/21 - 2/15
「マリーナ・タバサム・アーキテクツ展」で知るバングラデシュの社会課題を建築で解決する方法
12/5 - 5/17
「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」奈良美智とのラジオ型トークイベントも!
1/2 - 2/12
「未体験ゾーンの映画たち2026」で新感覚な体験を!
1/20 - 3/3
「横浜春節祭」で旧正月の街を歩いてみよう
1/23 - 2/15
「CURATION FAIR Tokyo」で見つける、新しいアートの視点
2/6 - 23
「恵比寿映像祭2026」映像と音が交差する街の風景
2/7 - 5/24
モネ没後100年 「クロード・モネ ―風景への問いかけ」光と時間を旅する展覧会
2/11 - 5/11
「テート美術館コレクション」YBAとともに見る90sカルチャーの革新
2/13 - 15
「DIG SHIBUYA」街を舞台に五感で楽しむアートイベント
2/14 - 15
「NORDIC JOURNEY vol.10」国内最大級のヴィンテージ北欧市楽しむ2日間
2/14 - 15
表萌々花『かたちのない民藝をもとめて』先行予約販売イベント
2/20 - 28
「Cinema at Sea 2026」沖縄で出合う世界のウチナーンチュの物語
展覧会ポスター
Artwork: Arinjoy Sen
「マリーナ・タバサム・アーキテクツ展:People Place Poiesis(ピープル プレイス ポイエーシス)」が、〈TOTOギャラリー・間〉にて開催されている。
彼女たちの活動は、伝統に根ざした建築だけでなく、自然災害や貧困などに苦しむ人びとのためのシェルターや、人口密集地での祈りの場の創出など多岐にわたる。
今回の展示のテーマは「People/人々」「Place/土地」、そして創作や詩作を意味する「Poiesis/ポイエーシス」。模型や映像、インスタレーションなどをとおして、マリーナ・タバサム・アーキテクツの作品と活動にふれることができる。
クディ・バリ(現地語で「小さな家」の意味)
(バングラデシュの各地、2020年~)
© Asif Salman
サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン
(イギリス ロンドン、2025年)
© MTA
▪️編集部の一言
マリーナ・タバサム氏らのプロジェクトの多くは、土地固有の気候、文化、歴史をもつ地域社会に、敬意をはらいながら進行しているそう。バングラデシュにおける建築物の完成までのプロセスを体感することは、この国で生きる人びとを知るひとつの手がかりになるかもしれない。
「マリーナ・タバサム・アーキテクツ展:
People Place Poiesis(ピープル プレイス ポイエーシス)」
会期
開館時間
会場
休館日
入場料
現在、〈弘前れんが倉庫美術館〉の開館5周年を記念して「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」が開催中。本展で画家・杉戸洋が関心を寄せているのが、「余白」。カンヴァスを囲む「えり」や「へり」、本の「あそび紙(flyleaf)」、洋服の「裏地(liner)」といった、目に止まりにくい場所に眼差しを向けている。
また、2026年2月21日はこの美術館の中に、杉戸洋と奈良美智によるラジオ局が開局される「ラジオ型トークイベント」も見逃せない。長年親交をもってきた2人のトークと音楽を聴きながら、作品を見ることのできる1日限りの機会だ。
ロック喫茶「JAIL HOUSE 33 1/3」再現
弘前れんが倉庫美術館蔵(一般財団法人奈良美智財団寄贈)
Photo: Keizo Kioku
杉戸洋、服部一成《えりとへりの小屋》2025年
展示風景
Photo: Ryo Narita
▪️編集部の一言
日々の忙しさのなかでは忘れてしまうような物たちを見つめることで、ほっと一息つけるはず。展覧会ではグラフィックデザイナーの服部一成氏の作品や、奈良美智氏との共作など、杉戸氏と親交のある人たちの作品も見ることもできる。
開館5周年記念 杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner
会期
会場
開館期間
休館日
観覧料
日時
会場
出演
料金
予約制
HP
さまざまな理由から日本公開が見送られてしまう傑作・怪作がある。そんな映画に焦点を当てて30作品を上映する「未体験ゾーンの映画たち2026」が、2月12日までヒューマントラストシネマ渋谷で開催されている。
2月は大人気ホラーゲームを実写化した『リバース・オブ・ヘル』、核爆弾の炸裂により強いられてしまったサバイバル生活を描く『ホームステッド 〜世界が崩れる時〜』など、異彩を放つ作品が上映予定だ。
リバース・オブ・ヘル
© 2024 HOME SWEET HOME REBIRTH. All Rights Reserved.
▪️編集部の一言
第15回目の開催となるこの映画祭。とくにホラー作品の取り揃えが豊富。各作品のキャッチコピーには「観る劇薬。」「巨大ワニ×ハリケーン×脱獄囚 恐怖のトリプル・ヘル!」「殺人鬼だって人生に悩みます」……といった言葉が並ぶ。毎年楽しみにしている方も、今回初めて参加する方も、新感覚な映画体験となるはず。
ホームステッド〜世界が崩れる時〜
© MMXXIV BLACK AUTUMN SHOW INC. All Rights Reserved.
未体験ゾーンの映画たち2026
会期(劇場)
会場
観覧料金
1月20日から3月3日にかけて開催される「横浜春節祭」。横浜の街全体が中国の旧正月「春節」を祝うにぎやかなムードにつつまれる。
2月17日の春節の始まりに合わせて、龍や神話上の神々など、60もの豪華なランタンオブジェが登場。さらに、中華圏のお祝いごとに欠かせない獅子舞は、期間中、何度も開催予定。子供たちのための獅子舞ワークショップも。大人も子供も楽しめる中華のお祝いを横浜で体感しよう。
▪️編集部の一言
日本の正月とはどこか趣の異なる中国の旧正月「春節」。獅子舞も日本のものとは異なり、黄色や赤といった鮮やかな色彩と、それをいっそう引き立てる躍動感あふれる踊りが特徴だ。1カ月以上続く活気ある祝祭を、横浜中華街をはじめ、横浜各地で中華圏のお正月ムードを楽しもう。
「CURATION⇄FAIR(キュレーションフェア)」は、キュレーターによる展覧会と、日本のアートシーンを牽引する作家やギャラリーが集うアートフェアを融合させた、新たなかたちの美術企画。1/23-2/8の展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」では、李朝白磁から近代洋画までの多彩な作品が展示される。
2/13-2/15はアートフェアを開催。作品を「見る」だけでなく、展覧会でその背景や意義を読み解き、アートフェアやトークプログラムを通してアーティストやギャラリーとの交流も深めることができるなど、アート作品をめぐる多層な体験を提供する。
▪️編集部の一言
会場となる〈kudan house〉は、建設当時の著名な日本人建築家だった内藤多仲、木子七郎、今井兼次たちによって建てられた〈旧山口萬吉邸〉をリノベーションしたもの。ふだん一般公開されない荘厳な建物に囲まれた空間での数々の美術品との出合いは、きっと特別な体験になるはず。
雨宮庸介ドローイング 2025
高田 冬彦《Dream Catcher》
© Fuyuhiko TAKATA, courtesy of the artist and WAITINGROOM / WAITINGROOM
「CURATION FAIR Tokyo」
Art Fair
会期
開催時間
会場
HP
恵比寿映像祭は、「映像」を固定的な枠に閉じ込めることなく多様な表現や受容のあり方に目を向けてきた。
2026年は、映像や写真の役割をあらためて問い直しながら、サウンドやパフォーマンスなど異なる表現領域も交え、複雑化する社会状況をよりしなやかに捉える。台湾語に由来する今回のテーマ「あなたの音に|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight―日花聲音―」は、重なり合う声や光のイメージを通して、多声的な世界のあり方を示唆する。
▪️編集部の一言
恵比寿の街なかにひろがる映像や音、いくつもの表現が交差する風景は、分断や揺らぎを感じながら生きる私たちに、立ち止まって、さまざまな世界のあり方を考えるきっかけを与えてくれるはずだ。
《Kiss, or Dual Monitors 2026》2026年(恵比寿映像祭ヴァージョン)
インスタレーション/東京都写真美術館蔵/撮影:新井孝明
トモコ・ソヴァージュ《WOSxSONEG》(2018)
Photo by Leo Lopez, Courtesy of the Artist
恵比寿映像祭2026
あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight
会期
会場
開催時間
観覧料
HP
オルセー美術館が所蔵する世界有数のモネ・コレクションが、モネ没後100年の節目に来日。制作地と時代に沿って、その画業と風景画の革新をたどる。
モネ作品41点に加え、同時代の絵画や写真、浮世絵、アール・ヌーヴォーの工芸、現代作家の映像作品など約140点を通して、創作の背景や思想を多角的に創作の背景と思想に迫っている。
クロード・モネ《戸外の人物習作-日傘を持つ右向きの女》1886年、
油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
Photo ©GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF
▪️編集部の一言
光を描くことを通して時代の変化そのものを見つめ続けたモネ。その背後にあった思考や視覚体験に触れることで、私たち自身が自然や世界とどう向き合うのかをあらためて考えさせられる展覧会だ。
【日本初公開】クロード・モネ《昼食》1873年頃、
油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵
Photo ©GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Franck Raux / distributed by AMF
クロード・モネ《サン=ラザール駅》 1877年、
油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵
Photo ©GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Benoît Touchard / distributed by AMF
モネ没後100年「クロード・モネ ―風景への問いかけ」
会期
会場
開館時間
休館日
観覧料
1990年代の英国では、社会の不安定さを背景に、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれる新しい世代の作家たちが注目を集めた。そのムーブメントとともに、彼らと、彼らと同世代のアーティストたちは従来の美術の枠にとらわれず、身近な文化や社会の出来事、自身の物語を題材に、これまでにない表現を試みた。
本展「テート美術館ーYBA&BEYOND 世界を変えた90sアート」では、ロンドンのテート美術館のコレクションを中心に、約60名・約100点の作品を通して、90年代英国美術の勢いと独自性を追いかける。
「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展覧会
メインビジュアル
▪️編集部の一言
アート、音楽、サブカル、ファッションが交差し、価値観そのものが刷新された90年代の英国。本展は、その熱量をまとった作品群から、アートが社会と呼応し、新たな風が吹いた革命の時代を味わうことができる。
ジュリアン・オピー《ゲイリー、ポップスター》1998-99年、テート美術館蔵
© Julian Opie
ルベイナ・ヒミド《二人の間で私の心はバランスをとる》1991年、テート美術館蔵 Photo: Tate
© Lubaina Himid. Courtesy Hollybush Gardens and Greene Naftali
「テート美術館ーYBA&BEYOND 世界を変えた90sアート」
会期
会場
開催時間
休館日
観覧料
HP
2月13日から15日の3日間、渋谷のあちこちで開催される「DIG SHIBUYA」。プログラムを通じて、テクノロジーとアート、そして最新カルチャーを体験できる。
世界中のアーティストが渋谷に集い、展開されるのは30以上のプログラム。公園通りに現れる都市劇場、各エリアのサイネージに映し出されるアート。三島賞作家・中原昌也氏を学習したAIとの共作体験や音楽フェス、アーティストとのワークショップまで、多彩な試みが渋谷の街を舞台に、繰り広げられる。
▪️編集部の一言
渋谷という都市ならではの空間性を生かした作品を、五感を使って体験できるアートイベント。クリエイティブの最前線を感じてみよう。
「DIG SHIBUYA」
会期
会場
開催時間
参加費用
HP
運河のほとりに佇むアイルしながわで、国内最大級の北欧市が2月14日と15日の2日間にわたって開かれる。ヴィンテージ雑貨・家具など、北欧らしいカラフルな色彩の食器や布などを扱う北欧事業者に加え、Tennoz Harbor Marketの出店者を含む約80社が出店予定だ。
フィンランドの人気イラストレーター、マッティ・ピックヤムサ氏の作品販売や似顔絵イベント、軽食の販売など、ゆっくり買い物が楽しめる。
▪️編集部の一言
軽食も充実しているので、コーヒーや焼き菓子とともにふらりと立ち寄りたい。北欧デザインのかわいらしさに、思わず手が伸びてしまいそう。
NORDIC JOURNEY vol.10
会期
会場
開催時間
入場料
HP
旅と民藝を愛する写真家・表萌々花による、約10年の旅の記録の書籍『かたちのない民藝をもとめて』。その刊行を記念した先行予約販売イベントが、世田谷区桜新町の〈buff〉で開かれる。2月14日・15日の両日、表さんも滞在予定で、エチオピアで買いつけた民藝品の販売や、エチオピア料理の出店も予定されているとか。
▪️編集部の一言
以前、月刊TRANSIT.jpの特集「私が出合った世界の民藝」では、メキシコやモロッコ、チュニジア、エチオピアで出合った民藝についての話を訊いた。
今回の書籍では、旅先のエッセイが232ページにわたって収録されている。各地域の生活がにじむ民藝の世界を覗いてみては。
表萌々花『かたちのない民藝をもとめて』先行販売イベント
会期
会場
開催時間
書籍
沖縄県那覇市の4つの劇場で、2月20日から28日にかけて、世界のウチナーンチュや日系移民が制作した映画が上映される。今回のテーマは「Homecoming」。人それぞれの原点を見つめる作品が集結した。
インドネシアの島に残る奴隷制の実態に迫る『奴隷の島』、パプアニューギニアで戦ったインド兵士たちの足跡をたどる『ブカおじさんの話』、そしてアジア初公開となる日米インドネシア3カ国合作映画『LONE SAMURAI』など、幅広いテーマの作品が上映予定。
▪️編集部の一言
沖縄という海に向って世界に開かれた場所において、歴史や記憶、ルーツと向き合い、共通の未来を描く作品が集う上映会である「Cinema at Sea」。沖縄ゆかりの作品から、海に面した世界各地の映画を観ることができる。
© Harald House, The Y-House, Baltic Film Production, Flash Forward Entertainment, Samarcanda Film
© papabukafilm@gmail.com
「Cinema at Sea 2026 - 特集上映『Homecoming』」
会期
会場
開催時間
※本記事は執筆時点の情報をもとに制作しています。
開催内容は変化する可能性がありますので、最新情報は各公式サイト等をご確認ください。また、本記事で紹介する文化・習慣は地域によって異なる場合があります。