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2025.06.17
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かつて地球上の陸地の約25%を征服したといわれるモンゴル帝国。そんな中世のモンゴルを舞台にした漫画『天幕のジャードゥーガル』が話題だ。壮大な世界史のひと幕とはいえ、漫画にするには少々ニッチ? しかも主人公はチンギス・ハーンじゃなくて奴隷の女の子!? かわいいキャラクターたちが血湧き肉躍る中世モンゴルを駆け巡る!いったいどうやってこの作品が生まれたのか、作者のトマトスープ先生にインタビューしました!
Interviewee:Tomato Soup Text:Maki Tsuga(TRANSIT) Special Thanks:Akita Shoten
Index
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© トマトスープ(秋田書店)2022、以下同
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こんにちは!本日はTRANSITのモンゴル特集の発売に合わせて、漫画家のトマトスープ先生を編集部にお招きしました。TRANSIT.jpの本記事に加えて、編集部Podcastではロングインタビューver.をお届けするので、合わせてお楽しみください。
さっそくですが、漫画『天幕のジャードゥーガル』についてお伺いさせてください。なんといっても主人公の奴隷の女の子ファーティマのしたたかさが光っていて、さらに皇帝をとりまくお后たちの思惑や陰謀が生き生きと描かれた大変魅力的な作品なんです! タイトルにある「天幕」は“テント”、「ジャードゥーガル」はペルシア語で“魔女”を意味していますが……簡単に作品の設定について教えていただけますか?
スープ
こんにちは、作者のトマトスープです。『天幕のジャードゥーガル』は、13世紀初頭のモンゴルが舞台になっています。主人公は現在のイランにあたる地域で生まれた女の子。奴隷となって学者の家庭に住み込みで働いていたところ、さらにその町がモンゴル帝国に襲われてモンゴルの皇宮に仕えることになります。いろんなものに出会いながらも、故郷を奪われた憎しみを忘れずに、歴史上の出来事に巻き込まれていくというお話です。
モンゴル帝国軍に襲われて廃墟となったトゥース(現イラン北東部にあった街)を歩く、主人公シタラ。のちにファーティマと名乗るようになる。
学者一家の家で文字の読み書きを習得していたファーティマは、モンゴル帝国の捕虜になると后の世話係に選ばれる。
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TRANSITでは特集が決まると、その土地の衣食住、政治、歴史、最新カルチャーなどいろんな方面でリサーチをするんですが、今回、モンゴル号で苦戦したのが歴史でした。遊牧民族なので、街や建物が残っていなかったり、国の範囲自体も大きく変動している。それが『天幕のジャードゥーガル』を読むと、どういったロケーションで、どういった衣装を纏った人たちが、どんなふうに生きていたのかがつぶさに描かれていて衝撃でした! トマトスープ先生がモンゴルを題材にしたきっかけを教えてください。
スープ
モンゴルはもともと馴染みがあって好感をもっていた場所でした。5歳くらいのときに、中国側の内モンゴル自治区に行ったことがあったんです。そのとき通っていた保育園の先生たちの研修旅行先がモンゴルで、それに家族と同行していったんですよ。そのとき初めて地平線を見たのを覚えています。馬に触れたり、ゲルに泊まったりもしましたね。それもあって、遊牧ってロマンチックな感じがしていて……。
大学は美大に通っていたんですが、制作の題材を探していたながれで、偶然モンゴルを調べることになったんです。改めてリサーチしてみると、想像していたロマンチックな暮らしとは全然違ったんですよね。遊牧といっても好きなところに行くわけじゃなくて、厳しい環境のなかで生きる知恵として移動していることがわかってきて。日本やヨーロッパのような多くの国が農耕で生きていると思うんですけれど、モンゴルはまったく違う経済活動や考え方があることを知りました。そこから「モンゴルって新しい価値観を与えてくれる世界なんじゃないか」と興味をもちはじめました。
トマトスープ先生が取材旅で訪れたオルホン渓谷。モンゴル中央部を流れるオルホン川の両岸につづく渓谷で、豊かな水と土壌があってモンゴル帝国時代やそれ以前から遊牧民が暮らしてきた。
© Tomatosoup
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もともとモンゴルに馴染みがあったわけですね!そこからなぜモンゴルの歴史に興味をもったのですか?
スープ
もともとロシア史のほうに興味があったんですけど、 ロシアの歴史を辿っていくとモンゴルが出てくるぞと思って気になりはじめたんです。当初はモンゴル帝国に怖いイメージがあったんですが、よくよく調べてみると想像していたモンゴル帝国と違いました。国というのは、領土があって国境があるものだと思っていたんですが、モンゴル帝国はそういう世界ではなかった。
今もモンゴル国のことを、彼らの言葉では「モンゴルウルス」というんですが、 ウルスというのが国にあたる言葉なんですよね。そうはいっても、私たち日本人が思うような“土地”がベースの国ではなくて、“人の集団”をベースにウルスと言うみたいです。
T
『天幕のジャードゥーガル』のなかでも、皇帝チンギス・ハーンの息子たちがたくさん登場していて、息子たちに領土を分配していく様子が描かれていますね。モンゴルのなかにさらに国ができていくというか。そして相続争いもおこる。
チンギス・ハーンの4人の息子たち。四男トルイが家産(土地、軍隊など)を多く受け継いだ。日本にも末子相続の習慣が残る地域もある。
スープ
モンゴルは相続の方法がユニーク。日本は長子が家を継ぐことが多いと思いますが、モンゴル帝国では末子(ばっし、まっし)相続なんですよね。
チンギス・ハーンの次の代でいうと、ジュチ、チャガタイ、オゴタイ、トルイという4人兄弟が正室たちの子どもで、嫡子としてウルスを与えられた人たちなんです。チンギス・ハーンは、四男トルイに大きな土地や軍隊を引き継がせるのだけれど(家産)、実権は三男オゴタイに渡すんです(家督)。モンゴル帝国では、家督は実力主義的な評価で受け継がれていたのではないかといわれています。
T
実はポーランドに取材に行ったときにも末子相続という習慣に出会ったんです。紡績産業の盛んな街で、あるユダヤ人が繊維工場を経営して財を成していたんですが、誰に家業を引き継ぐかといったら、長男ではなく末子だった。家族のなかで一番若くて長生きする可能性があって、一番最後まで親元にいるから委ねやすいという理由からでした。
スープ
モンゴルも基本的には同じような考え方で、最初に上の兄がどんどん独立していくので、一番最後まで親の近くにいたものが財産を受け継ぐという発想だと思います。
T
『天幕のジャードゥーガル』を読んでいると、モンゴルの歴史や社会の仕組み、価値観、なんでもない日常が見えてきますよね。とくに印象に残っているのが、屠殺のエピソード。
主人公ファーティマはイラン育ちのムスリムなんですよね。イスラームにはイスラームの、モンゴルにはモンゴルの屠殺の方法があると。
モンゴルの人たちが羊を屠殺する場面。
スープ
モンゴルの人たちもイスラム教徒の人たちも、家畜をベースに生きていたりするので、それぞれに家畜の屠殺の仕方があるんですよね。でも、どの民族も根底には家畜をいかに苦しませずに締めるかというのがあるようです。イスラームでは首をサッと切ったほうが苦しまないはずだとか、モンゴルの人たちは心臓の弁を切ったほうが苦しまないはずだとか、場所によっては傷をつけずに窒息させるのがいいとか……それぞれの流儀がありますね。
子どものときに訪れた内モンゴルの旅でも、実際に屠殺するところを見ていたんですが、生きた羊が連れてこられて、ひっくり返してお腹を上にしてサッとナイフで腹を切って、その傷口からスッと手を入れて、あっという間に心臓の弁を切って、くたってなるんです。その後、お腹を裂いて、内臓を一つひとつ切り分けていくんですけど、血をできるだけ大地に落とさないようにしていましたね。内臓を切り分ける間も、羊の体自体が器みたいになっていて、どんどん血が体の内側に溜まっていって、内臓をすべて取り出した後、ゼリー状になった血をおたまですくって、それを腸に詰めてソーセージを作っていました。
T
屠殺を見ていて、子ども心に感じたことはありましたか?
スープ
不思議とかわいそうだと思いませんでしたね。モンゴルの人たちが、家畜に対して礼を尽くしている感じはしましたし、羊もそんなに苦しがっていなかったので、自然に目の前のことを受け入れられた気がします。
トマトスープ先生が子どもの頃に訪れた内モンゴルで。現地の人が手際よく羊を捌いていく。
© Tomatosoup
T
トマトスープ先生は、漫画家になるまでの道のりがユニークですよね。漫画家を目指すよりも先に、そもそも歴史がお好きだったとか?
スープ
インターネット上で歴史が好きな人たちが集まって、自分なりに歴史漫画や歴史小説を描いて発表しているのを知っていたので、その人たちと仲よくなりたい!仲よくなるためには自分で描くしかない!と思って漫画を描きはじめました。趣味で描きたいものを描いてはお互い見せ合うような場で、広いコミュニティではないけれど、閉じてもいなくて、そこでいろんな人と交流していました。
ただ仕事を辞めたタイミングで、漫画を出版社に持ち込んでみようと思った時期があって、短編を描いて、出版社の方に作品を見てもらって、運よく興味をもっていただいて漫画を描くようになっていきました。
ちなみに漫画家になる前はデザイナーだった時代もあって、旅行パンフレットをつくったりもしていたんですよ。そのときからTRANSITもよく読んでいました。
T
そうだったんですね! たしかにTRANSITではイスラーム文化圏やコーカサスなども特集しているので、トマトスープ先生の作品のエリアとも近いなと思っていました。
スープ
TRANSITのコーカサス号も読みましたよ。
T
ありがとうございます! 現在、トマトスープ先生は『天幕のジャードゥーガール』以外にも、ジョージアやアルメニアといったコーカサス地方にモンゴルが攻め入ってきた時代の『奸臣(かんしん)スムバト』も連載中ですよね。大航海時代末期の世界を船で旅する航海士を主人公にした『ダンピアのおいしい冒険』も旅行+世界の食文化に出合えておもしろかったです。どれも歴史のロマンと旅感が詰まった作品ですよね。
スープ
そうですね。とくにモンゴル帝国は広くて侵略の歴史があるので、いろんな国々の周縁に登場するんです。モンゴルだけ調べていても、それぞれの国や人びとのドラマがみえてきて、広域を旅するような気持ちになるんですよね。
T
おもしろいのが『天幕のジャードゥーガル』も『奸臣スムバト』も、モンゴル帝国に征服された側が主人公になっていること。
スープ
私が一番好きな時代がモンゴル帝国の拡大期なんですが、支配者目線で物語を描こうとすると、ずっと勝ちつづけていてあまり葛藤がない気がしたんですよね。どちらかというと、抵抗したりあえて逆境に飛び込むキャラクターを描いたほうが、漫画として見応えがあるものになるかなと思いました。だからジャードゥーガルもスムバトも、モンゴル帝国に侵攻された側の人たちの目線で描かれています。
モンゴル帝国は、東は朝鮮半島、西はポーランド、ハンガリー、トルコ、コーカサス地方まで攻め入った。
T
『天幕のジャードゥーガル』では、支配者側としてはチンギス・ハーンの息子オゴタイが重要なキャラクターだと思うんですが、彼が被支配者側から見てどんなリーダーだったのかというのも垣間見えて興味深かったです。
オゴタイは征服した土地に対して、被支配者側の宗教・文化・習慣を尊重するような姿勢もとりますよね。それに首都カラコルムを築いて、争うだけでなく他民族が行き交う場をつくろうとする。皇帝として国を存続させていくためにはどうしたらよいのか、支配の先にある何かをみようとしているというか……。
スープ
ありがとうございます(笑)。皇帝としてはチンギス・ハーンがとても有名だと思うんですけど、チンギスが草原の一部族からモンゴル帝国を打ち立てて拡大していくカリスマ的な一代目だったとしたら、二代目以降のオゴタイたちは国のシステムを構築して帝国を支えたものたち。
モンゴル帝国がいつ終わったのかは、結構難しいところでもあるんですが……それでも後世までモンゴル帝国の影響がずっと残っているのは、オゴタイみたいな人たちがいたからこそだと思います。
T
モンゴル帝国って、大帝国を築いたのに跡形もなく消えてしまって、諸行無常のような気持ちがあったんですよね。でも『天幕のジャードゥーガル』を読んでいると、モンゴル帝国と現代のモンゴルに生きる人たちの価値観ともつながる部分が見えてくる気がしました。
スープ
オゴタイにはこんな逸話があるんです。オゴタイはいろんな支配者の話を聞くのが好きだったんですが、ある支配者がどんな財を蓄えてどれだけ偉大だったかという話になったときに、「財産を蓄えることにはあまり意味がない。それよりも人の心や記憶に留まるほうが偉大である」という言葉をオゴタイは残したそうです。
モンゴル帝国の第2代皇帝となったオゴタイ。
T
現在のモンゴルにも、チンギス・ハーンの像が広場にあったり、モンゴルの人たちにとって英雄のような存在であることを感じます。征服されたヨーロッパ側の人たちからしたら、アジア人の衝撃として残っていたと思うんですが……。
スープ
現在のユーラシアの部族編成や民族分布って、ソビエト時代の影響もありますが、モンゴル帝国期に大きく変化して原型ができているんですよね。それもモンゴル帝国の痕跡を現代に感じる部分の一つかもしれません。
主人公ファーティマ(左)と、モンゴル帝国第2代皇帝オゴタイの第6夫人ドレゲネ(右)。ドレゲネもまたモンゴルに復讐心をもつ一人。もともとナイマン族出身で、メルキト族に嫁いだ先でモンゴル帝国に攻め入られ、その後、オゴタイの后となった複雑な過去をもつ。ナイマン族はモンゴル高原西北部、メルキト族は高原北部に居住していた遊牧民。
T
『天幕のジャードゥーガル』は、リサーチが本当に綿密だなと思うんですけど、歴史の筋、人物像、当時の風俗まで、いったいどうやって漫画に落とし込んでいるんですか?
スープ
本を読む、ですね。もっと現地に取材に行ったりもしたいんですが。幸い日本はモンゴル研究が進んでいまして、モンゴルにまつわる論文を日本の研究者の先生がたくさん書いてくださっていたので、最初は図書館にある一番手に取りやすいような本から読んでいって、同じ人が書いている本とか、その本の巻末にある参考文献や論文や出典元をリレーのように読んでいって……。
T
おぉぉ、TRANSITの誌面をつくるときも同じというか、トマトスープ先生はもっと深いと思うんですが、私たちも参考文献を読んで、モンゴルのこの分野はこの研究者に、あの分野はあの識者に取材してみよう、という感じで辿っていきます。識者の方にまた別の人を紹介してもらったり……。
スープ
そんな感じでモンゴルのことを調べていますね。それが辛いという印象もなく。うん、本当に楽しくやっております(笑)。
T
しかもアシスタントをつけずに全部自分で描いていると聞きました。あれだけの絵を一人で描いているなんて……!
T
子どもの頃に内モンゴルを訪れて以来、現地に行ったことはあるんですか?
スープ
はい、大学生のときにモンゴルで一人旅しました。モンゴルの歴史に興味をもちはじめた頃なんですけど、訪れたのが12月で、ウランバートルの街を歩いたり、カラコルムの遺跡まで行ったりしました。
T
真冬のモンゴルに! いわゆるモンゴルのベストシーズンって、7、8月頃だといいますよね。
スープ
夏のほうが、草原が広がっていて動物たちも元気ですよね。私が訪れたときは、気温が−20℃でも「今日は暖かいほうだね」っていわれるような世界でした。丘の上に登って写真を撮ろうと思ったら、カメラが動かなくなるし……。でも、その寒さを感じられたのもよかった。冗談じゃなく寒い、というか痛いんだっていうのがわかりました(笑)。
あとは『天幕のジャードゥーガル』を描くようになって、当時の秋田書店の担当編集の方と取材旅にも行かせていただきました。写真を撮ったり、メモを取ったりして、それを日本で漫画を描くときに参考にしたりして。取材旅で訪れたのは5月で、12月に比べればだいぶ暖かかったですね。一面の草原とはいかないまでも草が生えはじめていて、ちょうど家畜の仔羊や仔山羊たちが生まれて跳ね回っているような時期でした。
そのときは、ウランバートルやカラコルムにある博物館を訪れたり、さらにカラコルムから少し足を延ばして、オゴタイの離宮があったといわれているところにも行きました。
T
離宮は名残があるものなんですか?
スープ
いやぁ、それが……。彼らは季節に合わせて移動するんですが、「春の離宮」と呼ばれるところは、建物の遺構が少し残っている丘だったんですが、「夏の離宮」だったところは、私には人工物のようなものは何も見つけられませんでした。ただ、たしかにその場所は高原になっていて涼しくて、5月でも雪が少し残っていました。ヤクがいたり針葉樹がぱらぱら生えていたりして、きっと夏に来たら気持ちいいんだろうなという場所でしたね。
春の離宮。
© Tomatosoup
夏の離宮。ヤクや水鳥が水辺に集う。
© Tomatosoup
T
『天幕のジャードゥーガル』は中世モンゴルの話ですが、実際に現代モンゴルを訪れて感じたことはありますか?
スープ
現代のモンゴルではゾドと呼ばれる雪害があって、冬が極度に寒くなってしまうことが問題になっているんですよね。5月にモンゴルを訪れたときも、ところどころに死んでしまった家畜の骨や毛皮が落ちていて、モンゴルで遊牧している人たちは厳しい環境に直面しているのだなと感じました。
T
TRANSITでもそうした現代モンゴルの問題にも触れているんですが、本当に近年もゾドによって何万頭も家畜が亡くなっていて、気候変動の影響がモンゴルにも現れているんだなと気づかされました。
スープ
チンギス・ハーンが草原を統一していった時代もまた、気候的には寒冷期だったといわれています。いろんな部族が南下したり争ったりしていたのも、寒冷な気候がきっかけだったという説もあります。モンゴル帝国ができあがった後は温暖期に入っていったので、だいぶ安定していったみたいなんですけれど。気候で人の歴史が大きく左右されるのだなと興味深いですね。
T
とくにモンゴルは自然の力をダイレクトに受けている場所でもあるし、土地と人との結びつきが強いように感じました。ここまでグローバル化が進んだ世の中でも、モンゴルの環境やモンゴルの人たちの間で成立する道理が根強く残っている気配があります。
スープ
いやぁ、そうですね。現地に行ったときに、モンゴルの人たちは一期一会の生活をしているんだなって感じました。遊牧民の方のゲルを訪問させてもらったときに、見ず知らずの外国人がいきなりやってきても、写真撮っていいよって温かく迎えてくれましたし、ちょうど羊を捌いたところだからと、料理を振る舞ってくれたり……。広い大地の上で遊牧して生きていると、助け合って生きていく文化があるんだなって感じました。
天窓から光が差し込む遊牧民のゲル。
© Tomatosoup
遊牧民の一家が出してくれた羊肉の料理。
© Tomatosoup
T
漫画の話から旅のお話まで、ありがとうございました!
『天幕のジャードゥーガル』のような作品がどんなふうに生まれているのか、その謎を垣間見ることができた気がします。
そして、今後のファーティマたちがどうなっていくのか、ものすごく気になるところです。ちょうどコミックの5巻が発売されたところで、オゴタイがカラコルムを首都にするぞ!というところまでいきましたね。
スープ
これからヨーロッパに大きな遠征があったりと、いろんなことが起こっていく時期になります。オゴタイや彼の息子たちの時代の話に少しずつ移ってくるかもしれません。
T
日本がモンゴル帝国に襲われた元寇はフビライ・ハーンの時代ですよね。オゴタイにとっては……。
スープ
甥に当たる人物ですね。
T
いったいどの時代まで描かれるんでしょう!
スープ
歴史ものなので、調べようと思えばその先までいけてしまうんですが……歴史通りになるかどうか、そういうことも含めて楽しみにしていただけたらうれしいです。
T
『天幕のジャードゥーガル』はテレビアニメ化も控えていますよね! これからもトマトスープ先生の作品を楽しみにしています!
漫画家
トマトスープ
群馬県生まれ。中世モンゴルを舞台にした奴隷少女と皇帝や皇妃たちの物語『天幕のジャードゥーガル』(秋田書店)や、モンゴル帝国の侵略に揺れるジョージアの地方貴族が主人公の『奸臣スムバト』(新書館WINGS)を連載中。大航海時代末期に世界を旅したイングランドのウィリアム・ダンピアが登場する『ダンピアのおいしい冒険』(イースト・プレス)全6巻も好評発売中。
群馬県生まれ。中世モンゴルを舞台にした奴隷少女と皇帝や皇妃たちの物語『天幕のジャードゥーガル』(秋田書店)や、モンゴル帝国の侵略に揺れるジョージアの地方貴族が主人公の『奸臣スムバト』(新書館WINGS)を連載中。大航海時代末期に世界を旅したイングランドのウィリアム・ダンピアが登場する『ダンピアのおいしい冒険』(イースト・プレス)全6巻も好評発売中。
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13世紀、イラン東部に暮らす学者一家の預かり奴隷だった天涯孤独の少女ファーティマ(シタラ)。働きながら勉学に励んでいたときに、モンゴル帝国が攻め入られて帝国の皇妃に仕えることに……。故郷を奪われた復讐心に燃えながら、歴史の渦に飲み込まれ、自らも歴史を揺るがす存在になっていく!「このマンガがすごい!2023」オンナ編1位を獲得、テレビ朝日系列でサイエンスSARU制作のアニメ化も決定。秋田書店のウェブコミックサイト「Souffle(スーフル)」発の漫画作品。
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