国際女性デー!

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国際女性デー!

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2025.03.11

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3月8日は国際女性デー(International Women’s Day)です。
 
この日は、女性の社会的、経済的、文化的、政治的な功績を称えるとともに、ジェンダー平等の実現を目指す意識を高める日。1977年に国連が正式に制定したことで、各国でさまざまなイベントやキャンペーンが行われるようになりました。

女性参政権獲得を訴える国際女性デーのポスター(1914年)。第一次世界大戦直前のドイツでは掲示禁止だったという。

国際女性デーの起源は、20世紀初頭の女性労働者による権利獲得運動にさかのぼります。
 
当時、女性は低賃金や長時間労働、不十分な労働環境に置かれており、彼女たちはこれに抗議し、「労働環境の改善」や「女性参政権」を求めて声を上げました。
 
1909年、アメリカ社会党は2月28日を「全米女性デー」として制定しましたが、この動きが世界的に広がるのは1910年のこと。同年、ドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、デンマーク・コペンハーゲンで開かれた「国際社会主義女性会議」で、女性の権利を推進するための特別な日を設けることを提案します。

 
この提案は受け入れられ、1911年にはドイツ、オーストリア、スイス、デンマークなどの国々で「国際女性デー」が正式に祝われるようになりました。

第8回国際社会主義者会議の参加者(1910年、コペンハーゲン)。

1917年には、ロシアで、女性たちが労働環境の改善や平等な権利を求めてデモを決行します。3月8日、ペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)で数万人の女性がデモを行い、瞬く間に大規模なストライキへと発展。数時間のうちに男性を含む10万人以上の労働者が職場を離れ、最終的には兵士までもがニコライ2世に背いてデモに加わり、ロシア革命へと進んでいきました。

ロシア革命の様子(1917年、ペトログラード)。

© Museum of Political History of Russia

『写真近代女性史』1953年12月10日。発行所:創元社。

第2次世界大戦後、女性の権利獲得運動は勢いを増していきます。
 
1970年代に女性解放運動が世界的に広がると、国連は1975年を「国際婦人年」と定め、2年後の1977年には毎年3月8日を国際女性デーとする決議を採択しました。

1970年にワシントンにて開催されたウィメンズマーチ。

現在、国際女性デーは、世界各国でジェンダー平等を推進するための重要な機会とされており、女性の社会的地位向上を目的としたイベントが数多く開催され、とくにジェンダーギャップ(男女間の格差)に焦点を当てた議論が行われています。

 
ジェンダーギャップ指数とは、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する、世界各国における男女格差を数値化した指標のこと。この指数は、経済、教育、健康、政治の4つの分野で構成されており、それぞれの分野における男女間の格差が評価されます。

第2次石破内閣の発足に伴い、内閣総理大臣官邸の階段において撮影された記念写真(2024年)。

© 内閣官房内閣広報室

では、日本の現在地はどうでしょうか。
 
2024年の報告書によると、日本の順位は146か国中118位となり、G7の中では最下位。とくに政治と経済の分野における遅れが指摘されています。
 
日本政府は「男女共同参画」を推進し、2020年には「女性活躍推進法」を改正するなど、女性の社会進出を後押しする取り組みを行ってきました。しかしながら、その効果が十分に発揮されているとは言えません。
 
例えば、2024年10月時点で内閣の20閣僚のうち女性は2名にとどまり、前内閣の5名から減少。また、衆議院における女性議員の割合は約10%であり、G7諸国の平均である30%と比較すると大きな差があります。
 
経済分野における男女間の格差も深刻です。2024年の調査によれば、東京証券取引所の主要市場に上場する1,643社のうち、女性CEOは13名(0.8%)という結果でした。女性の管理職や意思決定層への参画も依然として低水準であり、ジェンダー平等が他国と比べて進んでいるとは言い難い状況です。
 
こうした現状は決して女性の能力ややる気の問題ではなく、社会構造に原因があると理解しながら取り組んでいく必要があります。

© Molly Adams

例年、国際女性デーになると、女性をエンパワーメントするような広告、取り組みが街に溢れます。
 
しかし、社会にはさまざまな立場に置かれた女性が存在し、「女性であることを讃えよう!」と言われても、日々の生活に追われ、疲れ切っている方も少なくありません。
 
一人ひとりの状況は異なり、それぞれの抱える課題も多様です。だからこそ、誰もが同じ形で強くある必要はなく、互いの立場を想像し合うことが大切ではないでしょうか。
 
そっと寄り添い、支え合うことで、新しい景色がきっと見えてくるはず。
 
今年の国際女性デー、あなたはどのように過ごしますか?
 
シンボルであるミモザの花を手に取りながら、今の社会を見つめ直し、それぞれの形で思いを馳せる一日にしてみてはいかがでしょうか。

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Yayoi Arimoto

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