今日は、ネルソン・マンデラが南アフリカ大統領に就任した日。南アフリカで初めて行われた民主的な選挙で圧勝し、340年に及ぶ白人支配体制に終止符が打たれました。
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1910年代より、南アフリカには「アパルトヘイト」という人種隔離政策がありました。黒人は人口の8割を占めるにもかかわらず、参政権はなく、住居地が指定され、白人専用の施設に立ち入った場合は逮捕されることもありました。
© Dewet
その政策に疑問を持ったネルソン・マンデラは、反アパルトヘイト運動を活発に行います。国家の反感を買って終身刑を言い渡されるという絶望を味わいながらも、「理想のためには死ぬことも恐れない」と宣言して牢獄に入ります。
「政治的な立場を変えれば釈放する」と持ちかけられても、徹底的に拒否しました。その姿勢が国民の支持を得て、抵抗のシンボルとして影響力を持つ存在になりました。
© South Africa The Good News
30年近くが経った1990年、ようやく釈放されたマンデラはすでに70歳になっていました。しかしアパルトヘイト撤廃運動を精力的につづけ、1993年にノーベル平和賞を受賞します。そして1994年、南アフリカ史上初めて全国民が参加する民主的な選挙がおこなわれ、大統領に就任しました。
© Apartheid Simulacra
ヨハネスブルグにある「アパルトヘイト博物館」には、人種差別が行われていた当時の資料が展示されています。チケットには、「WHITES」か「NON-WHITES」のいずれかが印字され、入口が分けられているという驚きの設備も。まさに人種差別の理不尽さを追体験できる施設になっています。
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雄大な自然や野生動物の営みが注目される南アフリカですが、生活の場で厳しい環境に置かれていた人びとの歴史もぜひ感じてみてください。
Yayoi Arimoto
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