清水みさとさんプロデュースの、屋内用キャビンサウナ新モデル。最大の特徴はL字型ベンチで、広い座面設計により、寝転ぶ、足を伸ばすなど、自宅ならではの自由な姿勢でゆったりとくつろげる。木製パネルと耐熱強化ガラスを組み合わせ、洗練された佇まいと高い保温性を両立。電源投入から15〜25分で室温は約90℃に到達し、思い立った瞬間に本格的なサウナ体験が始まる。マンションや賃貸にも設置可能。
※公衆サウナでは、施設のルールに沿ってご利用ください。
※自宅サウナでの読書時は火災に注意してください。
伝統に敬意を払いつつ、現代の暮らしにも馴染むスタイルを実現した、エストニア生まれのサウナ〈totonoü〉。自宅でもtotonoüの家サウナを楽しんでいる清水みさとさんが、サウナが生まれる場所を訪ねた。
Photo : Kei Fujiwara
Text: Shimizu Misato
エストニアには、伝統的なサウナも、新しいサウナも、老舗のサウナも、全部がある。しかもそれらが、生活のなかにちゃんとある。
新しいものが増えると、伝統的なものは少しずつ日常から離れていくし、老舗が残っていても、通う人が減っていくことは珍しくない。反対に、伝統を大切にしようとすると、新しいものは入りにくくなる。けれど、エストニアはそのどれにも偏らない。
そんなエストニアのサウナ文化を案内してくれたのが、サウナメーカー〈totonoü〉の代表アレックスさんだった。
「エストニアは公衆浴場やスモークサウナが有名だけど、新しいサウナの姿も伝えたいんです」
そう話しながら、街の中から郊外まで、いくつものサウナへ連れて行ってくれた。最初に足を運んだのは、街中にある20個以上のサウナを備えたスパ施設〈ElamusSpa〉だった。浴場の中にはレストランがあり、ととのった直後のバスローブ姿の人たちが乾杯している。ふらっと入ったアウフグースは、海賊がテーマだった。アウフグースマスターは音楽と照明に合わせて何度もロウリュをしながら、大きくタオルを振る。配られたウィスクで、知らない人同士叩き合い、冷水が容赦なくぶちまけられた。「気持ちいい」と同時に同じくらい「楽しい」とみんなが口にしていて、サウナが一つの娯楽として成立していた。
サウナの楽園ともいわれる〈ElamusSpa〉でアウフグースに熱狂し、カクテルを飲んで、古いバーニャで汗をかく。どちらも特別じゃなくて、サウナがちゃんと生活のつづきにある国。
翌日は老舗のサウナ施設へ行った。ロシア語しか通じない本格的なロシア式のバーニャで、この国がかつてソ連に支配されていた歴史をそっと思い出した。オープンと同時に続々と地元の人たちがやってきて、あっという間にサウナ室は大賑わい。100℃近くある激熱のバーニャで大量に汗をかき、更衣室のベンチで休憩した。女性側では、裸のおばちゃんたちが談笑し、男性側では、ビール片手にテレビでスポーツ観戦をしている。その距離感は、日本の銭湯にもどこか似ていて、妙に懐かしい。
街を離れると、伝統的なスモークサウナがあった。かつてここでは、出産から別れまで、あらゆる人生の節目が重ねられてきた。入る前に扉にそっと手を触れて、「おじゃまします」と声をかけ、願い事を唱えながらロウリュをした。暗く静かな室内に、やさしい熱と、スモーキーな香りが広がって、自然と動きも呼吸もゆっくりになる。湖に入り、地面にゴロンと寝転んだ。地球と自分が繋がる感覚に、原始的な心地よさが、じんわりと満ちていった。
スモークサウナをでて、きらめく湖へ飛び込んだ。そのまま芝生に寝転ぶと、草花が背中に触れて、自然と一体化した。太陽が味方してくれた、エストニアの気持ちいい午後。
進んでいるのに、置いていかない。守っているのに、立ち止まらない。エストニアでは、新しさも、老舗も、伝統も、同じ国の中で、同じように息をしていた。何かを選ぶたびに、何かを手放してしまいがちなこの時代に、全部を生かしたまま進んでいくエストニア。そして、その姿をまっすぐ伝えようとしている〈totonoü〉。なんてカッコいいあり方なんだろう。
わたしの家にある〈totonoü〉のサウナは、エストニア生まれだ。そしてエストニアに来たのなら、そのサウナが作られている場所にも行ってみたいと思い、工場を訪ねることにした。
サウナが作られていく過程を見るのは、今回が初めてだった。こんなにもサウナが好きなのに、わたしが知っているのは、いつも完成した姿だけ。扉を開ければ、ホクホクに蒸されたその手前にある長い時間を、想像したことがなかった。
入ってばかりじゃいられなくて、サウナが生まれる工場へ。足を踏み入れ、鼓動が高鳴る。
工場は、第二の都市タルトゥにあった。建物は大きく、思っていた以上にきれいで、空気が澄んでいる。
おやつやコーヒーが並ぶ会議室で、まずはこの会社の話を聞いた。北欧の長いサウナの歴史から着想を得て、設計から製造まで、それぞれの分野の人が関わりながら、いまの時代に合ったサウナを作っているという。新しいものと、積み重ねてきたもの。そのどちらかに偏るのではなく、同じ場所に並べて前に進む姿勢が、言葉の端々から伝わってきた。それは、〈totonoü〉が伝えようとしているエストニアのサウナ文化そのもののように思えた。
早速、工場長が工場内を案内してくれた。部位ごとに空間が区切られ、それぞれの工程で、それぞれの担当の人が作業をしている。木材を一つひとつ確かめるように手にとり、最新の機械も使われているけれど、最後に判断しているのは、人の感覚のようだった。素人目には違いがわからないほどの細かな部分で立ち止まる。
完成すると、一度組み立てて確認し、また崩す。見えないところに時間をかける工程が、当たり前のように繰り返されていた。休憩時間になると、あちこちでおしゃべりが始まり、鼻歌が聞こえてきた。風通しのよさは、人と人とのあいだにも流れている。そして、その空気のまま作業はまた静かに再開された。
見学の途中、工場長が、子供の頃からサウナが好きで、サウナを作れることが幸せだと話してくれた。そのひと言で、この工場で行われていることが、すべて腑に落ちた。サウナが好きな人が、サウナを作っている。わたしの家にあるサウナも、こうして生まれてきたんだと思うと、それだけでうれしくなった。
サウナが作られていく過程を目の前で見て、わたしは前よりももっと、家のサウナへの愛着が湧いた。
最新の技術を駆使しながらも、最終的に人の手で作られる〈totonoü〉のサウナは、どこか血が通っていて、その温もりが愛おしい。どれだけ時代が進んでも、効率だけでは届かないものがここにはあった。
工場を訪ねて以来、我が家のサウナに入るたび、サウナの向こう側にいる人たちの顔がふと浮かぶ。そうして今日も、わたしはサウナの扉を開けるのだ。
木の香りが工場いっぱいに満ちている。わたしが幾度となく汗をかいてきたサウナは、こうして生まれているんだって、その事実に胸の奥がじんわりと温かくなった。もっと好きになっちゃうよ、サウナのこと。
家にサウナを置くなんて、ずっと現実味のない話だと思っていた。お金のことや、場所のこと。そもそも賃貸だし、と考えているうちに、「置きたい」と思う以前に、選択肢からはずしていた。だから、〈totonoü〉の家サウナの話を聞いたときも、正直なところ、あまりピンときていなかった。
サイズは1.5m×1.2m。想像していたより、ずっと小さい。もっと大きくて、もっと構えたものを思い浮かべていたから、少し拍子抜けしたくらいだった。設置場所も、「どこでも大丈夫ですよ」と言われたので、家の中でいちばんサウナが似合わなさそうな、洋服部屋を選んだ(そこしか空いていなかった)。けれど、それもとくに問題はないらしく、話はあっさり進んでいった。
気づけば、賃貸のマンションにサウナがある。工事は一日で終わり、いつの間にか、家の一角に静かに収まっていた。
家にサウナがあると話すと、「大変そう」とか「すごいね」と驚かれることが多い。でも実際は、そのどれも少し違う。手入れは思っていたよりずっと楽だし、設置も拍子抜けするほどあっさりだった。わたし自身もそうだったように、どうしても特別なものに見えてしまうけど、暮らしに入ってしまえば、意外なほど現実的だった。
他所行きのわたしではなく、素の自分のまま家のサウナで、汗をかいて、ぼんやり座って、息を吐く。それだけなのに、今日も悪くないと思える。こういう小さなごきげんが、暮らしをやさしく支えてくれる。
わたしが〈totonoü〉の家サウナで気に入っているのは、好きなことを好きなだけできること。サウナの中で音楽を聴いたり、映画を観たり、もちろんサウナの基本的なルールは守りながら、ふだんサウナ店ではできないことを、自分のさじ加減で楽しめること。とくに読書が好きな私にとって、天井の読書灯は最高のオプションだ。
それにスイッチを入れてから、15〜25分足らずで90℃まで温まるから、入りたいと思った気持ちが冷めないうちに入れてしまうその距離の近さも、暮らしのなかでは大きかった。
家のサウナで本を読むのが好き。汗をかきながら本を読むと、感覚として体に残っていく感じがして。
そして不思議なのは、入らない日もその存在が効いていることだ。洋服部屋の一角にあるサウナをふと目にするだけで、「いざとなったら、ここがある!」と思えるその感覚が、日々のどこかを、静かに支えている。家にサウナがあるというのは、ほとんど保険のようなものかもしれない。そしていざとなったら修理やメンテナンスを頼めるという安心感もある。
人生に「大丈夫」がひとつ増えるだけで、気持ちはこんなにも穏やかになるのだと、最近になって、そっと思うようになった。
totonoüで始めるサウナのある暮らし
今までフィンランドが圧倒的なサウナ大国だと思ってきたけれど、エストニアにも多様なサウナ文化が根づいていることを今回の旅で知った。それもそのはず。フィンランドから船で2時間、飛行機なら20分の距離にあるエストニアで、同じくサウナ文化が発達してきたことはまったく不思議ではなかった。それに、エストニアのサウナに観光目的で訪れるという人はフィンランドに比べてまだ少ないので、よりたくさんのローカルな素顔に触れることができた。サウナの中ではみんなが開放的になり、フレンドリーに接してくれて、みんながサウナをどれだけ愛しているかが伝わってきた。エストニアがサウナ大国であることは、もう言うまでもない。
そんな日常の延長線上にサウナがあるエストニアで、自宅にサウナがあるのも珍しいことではない。この国では約137万人の人口に対して、10万のサウナがあるらしい。でも、日本では約1億2000万人の人口に対してサウナの数は5〜6万ほど。しかもその多くは温浴施設や宿泊施設などのものが大半を占めているそうで、プライベートサウナともなればそのハードルはぐっと高くなる。毎日サウナへ入るわたしでさえ、そんなふうに思っていた。
そんなときに出会ったのが〈totonoü〉だった。「サウナと共にある暮らしを日常に。」という想いは、まさにわたしの願いそのものだ。そして〈totonoü〉は、その夢をあっという間に叶えてくれた。「サウナは誰もが無理なく、平等に楽しめるものであってほしい」という想いのもと、流行として消費するのではなく、土地に根づいた文化や背景にまでちゃんと目を向けている。それは、わたしが世界のサウナをめぐるうえで大切にしていることでもあった。
さらには、最速で夢を叶えてくれつつ、こちらのこだわりを最後まで尊重してくれた。そのチームワークのよさも、日本でサウナ導入の実績を伸ばしつづけている理由の一つなのかもしれない(創業から5年で約1000件の導入実績!)。
そして毎日使っていてもとくに不具合はないけれど、万が一故障などが起きてもすぐに対応してくれる。導入して終わり、ではなく、その後もそっと寄り添ってくれる安心感は、サウナという買い物には必ずつけたいオプションだと思う。
〈totonoü〉が日本で目指す、サウナが日常にある暮らし。5年後、10年後、それは今よりもっと当たり前になるかもしれない。
問い合わせ先
totonou Japan株式会社
住所
HP