音楽と食をめぐった
U-zhaanのニューヨーク紀行 vol.2
ソウルフードを堪能し、米音楽の殿堂へ

Promotions

音楽と食をめぐった
U-zhaanのニューヨーク紀行 vol.2
ソウルフードを堪能し、米音楽の殿堂へ

People: U-zhaan

TRAVEL&EAT&LISTEN

2025.05.01

6 min read

世界の経済とエンターテインメントを牽引してきた街、ニューヨーク。
音楽をテーマにしたプレスツアーに参加しませんか? 編集部に届いた素敵なお知らせに、TRANSITから送り出したのは、タブラ奏者のU-zhaanさん。音楽と食に酔いしれたU-zhaanさんによるニューヨーク紀行を、3回にわたってお届けします。
第2回は、植物園に博物館に劇場にと、マンハッタンを駆け巡ったDay3についてーー。

Photography&Text = U-zhaan

Day3/U-zhaan in NY

マンハッタン文化散歩

前日の食べ過ぎにより、さすがに胃が重いので朝食はオートミールだけにした。ラズベリー、マルベリーなど4種のベリーがトッピングされていて、なかなか美味。

〈The Knickerbocker〉をチェックアウトし、この日から宿泊する〈Thompson Central Park New York〉へ移動する。荷物をフロントへ預けてから、見学を予定している〈ニューヨーク市立博物館(MCNY)〉まで歩いていった。セントラルパークを経由する1時間ほどの道のりは、とても楽しかった。知らない街を歩くのはワクワクする。道中にあった露店で5ドルのホットドッグをつい買い食いしてしまったが、清々しいほどおいしくなかった。

MCNYでは「Songs of New York」というエキシビジョンを見学した。1920年代から今に至るまで、ニューヨークにかかわってきた100人のミュージシャンの音楽をフィーチャーした興味深いプログラムだ。
ブルックリンやクイーンズなどニューヨーク市の5行政区の形が床に投影され、その上に立つことで5行政区に所縁があるミュージシャンの曲が流れ出すというインスタレーションが楽しい。できれば延々と乗ったり降りたりしていたかったが、大人なので4回くらいでやめておいた。

Information

Museum of City of New York(ニューヨーク市立博物館)|Songs of New York展

住所

1220 Fifth Ave at 103rd St. at 103rd Street, New City, NY 10029

01

デューク・エリントン、ルイ・アームストロングといったジャズの巨人達や、LL・クール・JやRUN DMCなどのヒップホップ・レジェンドをはじめとした、さまざまなミュージシャンの貴重な写真が展示されているのもうれしかった。
 
予定ではこのあと “ブロンクスやハーレムを巡ってヒップホップの源流を探る” という、実に興味深い内容のツアーに参加することになっていたのだが何らかの理由で取りやめになってしまったので、同じブロンクスにあるニューヨーク植物園を代わりに訪れることになった。植物園では蘭の特別展をやっていて、色鮮やかな蘭をひたすら見た。

Information

New York Botanical Garden(ニューヨーク植物園)

住所

2900 Southern Blvd, Bronx, NY 10458

01

夕食はハーレムの中心部にある〈Melva’s Restaurant〉。アメリカ南部料理、いわゆるソウルフードの専門店だ。ソウルフードに関する知識は皆無に近いので、これぞ典型的なソウルフードだと聞いたいくつかの料理を注文し、その名も「HARLEM」というローカルのIPAを飲みながら待つ。

到着した料理はフライドチキンをはじめとしてどれも旨かった。なかでも一番驚いたのはつけ合わせに選んだ「Tres Mac & Cheese」だ。茹でたマカロニにチーズソースを絡めてオーブンで焼くだけというシンプルな料理で、これがめっぽうおいしい。南部に限らずアメリカ全土で広く食べられているそうだが、なぜか僕はこれまで食べたことがなかった。僕にはマカロニグラタン好きの姪がいるのだけれど、もし彼女に食べさせたら今後これしか食べない人間になってしまう恐れがありそうな、そんな中毒性を感じる味だった。

フライドチキンの奥に見えるのが "マッケンチーズ"。

ハーレムまで来た最大の目的は、〈アポロシアター〉で開催される「アマチュアナイト」の鑑賞だ。ジェームス・ブラウンやジャクソン5、スティービー・ワンダー、それにローリン・ヒルなど多くのスターを輩出してきたショーで、僕の友人であるミュージシャンの原口沙輔くんも10歳のときに出演して優勝したらしい。

観客からの歓声やブーイングで勝敗が決まるシステムがそうさせるのか、場内は異様な熱気に包まれていた。7組の出場者だったが、3組の出演者は盛大なブーイングを受けて早々に退場させられていた。最後まで演奏し切った4組の名から、ビヨンセの歌を歌った女性シンガーが観客からの支持を一心に集めて優勝した。

Information

Amateur Night at The Apollo(アポロシアター|アマチュアナイト)

住所

253 W 125th Street, New York, NY 10027

01

ステージの上であんなブーイングを受けたらトラウマになりそうだな、と思ったりもしたが、何より印象的だったのは音の迫力だ。低音がバランスよくパワフルに鳴り、高音は耳に痛くなく、歓声に負けないだけの音量もしっかり出ていた。どういうミキシングをするとあんな音が鳴るのだろう。日本との電圧の違いとかも影響しているのだろうか。伴奏を務めるプレイヤーたちもとてもよくて、あそこでふつうに彼らのライブを観てみたいぐらいだった。
 
長い1日を終えて〈Thompson Central Park New York〉にチェックインしたら、ベッドがデカすぎてびびった。

Information

Thompson Central Park New York(トンプソン セントラルパーク ニューヨーク)

 

 

 

住所

119 West 56th Street, New York NY 10019

01

TRaNSIT STORE 購入する?

ABOUT
Photo by

Yayoi Arimoto

NEWSLETTERS 編集後記やイベント情報を定期的にお届け!