音楽と食をめぐった
U-zhaanのニューヨーク紀行 vol.3
大満喫のブロードウェイ

People: U-zhaan

アメリカ

TRAVEL&EAT&WATCH&LISTEN

2025.05.02

6 min read

世界の経済とエンターテインメントを牽引してきた街、ニューヨーク。
音楽をテーマにしたプレスツアーに参加しませんか？編集部に届いた素敵なお知らせに、TRANSITから送り出したのは、タブラ奏者のU-zhaanさん。音楽と食に酔いしれたU-zhaanさんによるニューヨーク紀行を、3回にわたってお届けします。
第3回は、ブロードウェイ鑑賞という一大イベントが待ち受けているDay4、そして最終日についてーー。

Photography&Text = U-zhaan

Index

6 min read

Day4／ミュージカルに出合う
Day5／霧に包まれるマンハッタン

Day4／U-zhaan in NY

ミュージカルに出合う

朝、エンパイア・ステート・ビルに上ってみた。

楽しい場所だったが、「エンパイア・ステート・ビルの中からはエンパイア・ステート・ビルの外観が見えない」という当然の事実に気づかされた。ロックフェラー・センターの展望台「トップ・オブ・ザ・ロック」からはよく見えるらしいので、明日マンハッタンを出る前に時間があったら行ってみようと思った。

エンパイア・ステート・ビル近くにあるマレー・ヒルという地区にはインド料理屋が密集していて「カレー・ヒル」とも呼ばれている、という噂を耳にしたのでそこも訪ねた。〈Chote Nawab〉というレストランに入り、そんなにお腹は空いていなかったのでビールとサモサ・チャートだけ頼む。このサモサ・チャートが、インドでも食べたことがないレベルのおいしさで驚いた。

タイムズスクエア方面に戻り〈Museum of Broadway（ミュージアム・オブ・ブロードウェイ）〉を見学。これも素晴らしい体験だった。

20世紀初頭から現在までのブロードウェイの歴史が、3階から1階までの道のりで順を追って知ることができる。『オペラ座の怪人』や『ライオン・キング』をはじめとしたあらゆるミュージカルの衣装や舞台装置が展示され、写真スポットや体験型イベントも数多く用意されているし、舞台芸術に多少なりとも興味のある人ならみんな満足できるのではないかと思う。今まで一度もブロードウェイのミュージカルを観たことのない僕でもあれだけ楽しめたのだから。

滞在中の〈Thompson Central Park New York〉が館内を案内してくれるというのでホテルに戻る。こちらもラグジュアリーなホテルだ。防音性も非常に高くて、部屋に入ると周囲の音はほとんど聞こえない。僕がいつも泊まっているような、隣の部屋の人が歯をみがく音まで聞こえるほど壁が薄いビジネスホテルとは大違いである。照明などの調度品も美しく、ロビーやラウンジに用意されているソファの座り心地にも目を見張った。

もともとは別の場所にあった大人気ハンバーガーショップを内装ごとホテルへ移転してきたという〈バーガー・ジョイント〉も相当おいしいらしくて非常に気になったが、今回はライブを鑑賞しながら食事できる館内レストラン〈Parker’s〉で早めの夕食をとることになった。吹き抜けのロビーのような場所で天井が高く、シンバルをイメージしたという素敵な照明がたくさん下がっていた。

音楽もよかったけれど（ニューヨークのミュージシャンのレベルは本当にすごい）、料理がおいしかった。なかでも、大量のルッコラやアスパラガスと一緒にフレッシュなジェノベーゼソースで和えたニョッキが出色。週2で食べたい。

再び街へ出て、この日の一大イベントへ向かう。ブロードウェイミュージカルの初鑑賞だ。タイトルは「MJ: The Musical」。マイケル・ジャクソンの半生を描いた作品である。会場となる〈Neil Simon Theatre〉は超満員。僕は東京ドームにマイケルのライブを観に行ったこともあるぐらいのファンだったので、どんな作品なのか楽しみにしていた。

ぜひ観に行ってほしいので内容については詳しく触れないが、とにかく最高だった。アメリカという国のいい部分が集約されたようなステージだった。エンディングのかっこよさに痺れた。

興奮冷めやらぬ中、アマン・ニューヨークというホテルの地下にあるジャズクラブ〈The Jazz Club at Aman New York〉へ立ち寄り、ライブを観ながらワインを一杯だけ飲んで帰路に就いた。

Day5／U-zhaan in NY