ソプラーオンの戦いの日

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ソプラーオンの戦いの日

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2025.02.07

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1845年2月10日は、シク教徒がインドのパンジャーブで勃発したソプラーオンの戦いでイギリス軍に敗れた日。
この戦いは、第一次シク戦争における重要な戦闘であり、シク王国の衰退を決定づけるものとなりました。

16世紀頃にパンジャーブ地方でシク教が誕生した後、18世紀には王国が成立。19世紀初頭になるとランジット・シンのもとで強大な軍事国家へと発展します。しかし、彼の死後、王国は内部対立により弱体化。1845年の第一次シク戦争で東インド会社に敗れ、つづく1848年の第二次シク戦争でも敗北。こうして、パンジャーブ地方は英領インドに併合されていきました。

シク教の聖地、黄金寺院の近くで聖典『グル・グラント・サーヒブ』の朗唱を聴くランジット・シン。

その後の70年間、戦士的な伝統をもつシク教徒はイギリス軍に積極的に組み込まれますが、インド独立運動のなかで悲劇的な事件が起こります。1919年、マハトマ・ガンディーが逮捕されると、その抗議のため多くの市民がアムリトサルに集結。市民は非武装でしたが、イギリス側はこれを反乱とみなし、無差別射撃を行ったのです。

ジャリヤーンワーラー庭園の入り口近くのモニュメント。

インド国民会議派の調査によると、死者は1200名、負傷者は3600名にのぼりました。この歴史的な大虐殺はジャリヤーンワーラー・バーグ事件と呼ばれ、インドの民族運動を、自治を求める穏健な運動から、完全な独立を求める運動へと転換させた象徴的な出来事となったのです。

毎日何万人もの巡礼者が訪れる黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)。

© Paulrudd

ジャリヤーンワーラー・バーグ事件の舞台となったアムリトサルは、シク教最大の聖地として今日も多くの観光客で賑わいます。事件の中心地であるジャリアンワーラー庭園は、寺院から徒歩で5分ほど。現在も記念公園として保存され、園内には銃弾の跡がそのまま残されるなど、歴史を今に伝えています。

シク教の精神的・文化的中心地であるアムリトサル。その混沌と歴史が共存する街並みを、歴史の重みを感じながら、ぜひ一度味わってみたいものです。

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Yayoi Arimoto

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