1960年4月21日は、ブラジルが首都をブラジリアに遷都した日。ブラジルというとリオデジャネイロやサンパウロを思い浮かべる人も多いと思いますが、ブラジリアも負けず劣らず、世界に類をみないユニークな魅力を持つ都市なのです。
© Dlaurini
リオデジャネイロとサンパウロの二大都市はいずれも大西洋に面しており、人口や産業のほとんどが沿岸部に集中していました。内陸部との格差があまりに激しく、それを緩和しようと、荒涼とした内陸の高原を開拓して建設された新都市がブラジリアです。
急ピッチで作業が進んでわずか5年で完成に至り、1960年の今日、リオデジャネイロからブラジリアへと首都が移転されたのです。
© Comissão para Localização da Capital Federal
そして、1987年には”人類の創造的天才の傑作を表現する物件”としてユネスコの世界文化遺産に登録。建設されたばかりの都市が世界遺産となるのは異例のことです。なぜそんなことが可能になったのでしょうか?
理由は、その斬新でデザイン性の高い街並みにあります。街を上空から見てみると、大きな鳥が翼を広げたような形をしていることがわかります。
© Coordenação-Geral de Observação da Terra
鳥の頭の部分に大統領府や裁判所、胴体に官公庁、カテドラル、商業施設などがあり、翼には集合住宅や大使館……。ブラジル建築界の巨匠ルシオ・コスタが基本設計を担い、計画都市を実現させました。
© Mario Roberto Duran Ortiz
また、街を代表する美しい建築群は、ル・コルビュジエに学んだオスカー・ニーマイヤーが設計。たとえば国会議事堂は、見ての通り現代美術館のような外観で、街のシンボルになっています。中央に立つのが議会事務局の建物、右側のお皿が上院、下向きのお皿が下院です。
© Marinelson Almeida
ドンボスコ教会も必見です。ここには80本の柱に支えられた2200㎡におよぶ壁面があり、その窓に紺碧のステンドグラスが嵌め込まれています。一見同じ色のようですが12色のグラデーションになっていて、時間帯によっても色彩が変化していきます。
建築好きな人はもちろん、SF映画の未来都市のような景観を旅してみたいという方にも、ブラジルの首都ブラジリアをぜひチェックしてみてください。
Yayoi Arimoto
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