#今日は何の日
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2025.06.28
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6月28日は、貿易記念日。
この日は、日本が本格的に世界に向けて門戸を開き、国際社会の一員として歩み始めた日として、通商産業省(現在の経済産業省)によって制定されました。
黒船来航。
その由来は、今から160年以上前の1859年(安政6年)6月28日。江戸幕府はこの日、当時の列強五カ国ロシア・イギリス・フランス・オランダ・アメリカに対して、横浜・長崎・函館の三港で自由貿易を許可することを布告しました。
これは、いわゆる開国の象徴的な出来事であり、日本が長らくつづけてきた鎖国政策から脱却し、近代国家として国際社会との本格的な関係を築く第一歩となるものでした。
出島の風景(1855年)。
その背景には、1854年の日米和親条約につづく、1858年の日米修好通商条約の締結がありました。これにより、外国との貿易が現実のものとなり、港を通じた人・モノ・文化の流れが一気に活発化します。とくに開港地である横浜には、欧米の技術・文化・商品が集まり、近代都市への大きな転換点となりました。
一方で、急激な開国は国内に大きな混乱ももたらしました。為替の違いによる金銀の流出、物価の高騰、庶民の生活苦、そしてそれに対する攘夷運動の高まり。その揺れはやがて幕末の動乱、そして明治維新へとつながっていきます。しかしこの一歩があったからこそ、やがて明治維新を経て、日本は近代的な経済・産業国家へと歩みを進めていくことになります。
1885年頃の神戸居留地。
現代の私たちの暮らしも、まさにこの「貿易」の上に成り立っています。スマートフォンの部品はアジア各地から、コーヒー豆は南米から。身のまわりのあらゆるモノが、国境を越えてやってきています。
一方で、地政学リスクや気候変動などによって、現代の貿易は多くの課題にも直面しています。
たとえば、中南米やアフリカでは、異常気象による干ばつや洪水が頻発し、農作物の安定供給が困難になりつつあります。コーヒー豆の主要生産国であるブラジルでは、干ばつの影響で生産量が大きく落ち込み、価格の高騰を招いています。
さらに、パナマ運河では水不足により大型船の通行が制限され、国際物流に遅延や混乱が生じています。こうした問題は、単に「モノを運ぶ」という行為の背後にある、自然資源や人びとの暮らしをどう守るかという課題を私たちに突きつけています。
持続可能な社会の実現に向けて、「モノを動かす」ことの意味自体が、いま改めて問い直されているのです。
Yayoi Arimoto
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Yukimi Nishi
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