『TRANSIT71 ベトナム特集』に向けて、編集部員がハノイ、ホーチミン市の2つにわかれて滞在制作を行なった1カ月。 旅と校了が終わってひと段落したオフィスで、「どんな旅だった?」とハノイ班、ホーチミン班の二人の編集部員の言葉からテーブルトークがはじまった。同じ国でも、それぞれが見た景色は違うはず。スマホ片手に、写真×地図アプリ〈notabi〉にピンを落としながら話した、ベトナムのこと。
Photography:Shohei Hayashi Text:Takamsa Kujirai Edit:TRANSIT
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松本
『TRASNIT ベトナム特集』の制作、お疲れ様でした! 鈴木さんはハノイへ、私はホーチミン市に行っていたけど、実際に滞在したときの街の印象はどうだった?
鈴木
僕はホーチミンには2度行ったことがあったけど、今回の旅では初ハノイ。
© TRANSIT
鈴木
今回は1月に訪れたけど、旧正月のテト前だったので、街中に赤い国旗がバーッと並んでいて、お祝いムードだったな。
TRANSIT編集部でハノイ班になった鈴木駿(左)と、ホーチミン班になった松本美卯(右)。ベトナム特集の校了直後に編集部で色校を見ながら旅を振り返る。
松本
私はホーチミン班だったけど、本当はハノイに行きたかったな。「ホーチミン市=都会」のイメージで、せっかくベトナムに行くのに、ビルに囲まれるのは嫌だから、ずっと鈴木くんに「いいな〜」って言ってた(笑)。
でもホーチミン市に着いてみたら意外と下町の香りがする場所がたくさん残ってて、ノンラーを被ったおばちゃんが道で魚や野菜を広げて売っていたり、道端に人がいっぱいて活気があって、雰囲気がすごくよかった。
ホーチミンで印象に残っているのは、花だな。空港や街中にピンクと黄色の造花が飾られているんだけど、街路樹の枝に、釘で打ちつけてあるんだよね。そういう「なんでもよさ」みたいなのがベトナムらしいなと思った。
鈴木
ハノイでは造花が街で飾られているところは見なかったけど、生花を見る機会は結構多かったな。フラワーマーケットがあって、花をたくさん抱えている人もよく見かけた。大きなミカンの木を載せたバイクも見たなぁ。
松本
ベトナムの人はなんでも器用にバイクに載せるよね。ベトナム特集のハノイ取材企画にもあったけど、バイクよりも大きな棚やベッドを運んでいたり……。
鈴木
ベトナムにはたくましさみたいなものを感じるよね。ハノイ取材班の溜まり場みたいになっていたカフェがあって、そこは部屋の持ち主が勝手にベランダを拡張しているっぽかったし(笑)。
© TRANSIT
鈴木
あと、ハノイは「ビアホイ」っていう80円くらいでビールが飲めるビアホールが有名でお気に入りの場所になった。たくさんのビアホイが並ぶビアホイ通りでは、路上にテーブルと椅子を出して営業しているんだけど、それが違法にあたるみたいで。パトカーが来ると一斉に席を撤収するんだよね。そういう喧噪も楽しいんだけど、堂々とやっているのがすごいなと思った。
松本
私は今回、ホーチミン市で若者のインタビュー取材をしていたんだけど、話を聞いた人たちにも自ら人生を切り拓く強さみたいなものを感じたなぁ。路上のホームレスの人とかも宝くじ売っていたり、生きていくためになんでもトライすることが恥じゃないというか。
鈴木
今、著しい経済成長のなかにあるから、国民に希望があってエネルギッシュに映るのかな。僕はベトナムの魚醤「ヌクマム」のルーツを辿るために、ハノイからフーコック島にも取材に行ったんだよね。フーコック島といえばカンボジアの近くにあって、南国のリゾートのような場所だけど、実はベトナムを代表する調味料のヌクマムの名産地でもあって。
鈴木
フーコックにいる間は、ビーチを横目にずっとベトナムの味ともいえるヌクマムを探す日々だった。事前にリサーチしていて、ヌクマムを大量生産している工場はすぐ見つけられたんだけど、できれば小さな個人の生産現場を覗いてみたくて。ネットで手がかりが見つからなかったから、現地で探そうと思ったんだけど、これが全然見つからなくて……。
取材2日目に道端を歩いているときに、すごい匂いに出会って。もしかしてと思って匂いのするほうへ歩いていったら、ほったて小屋に辿り着いて、そこでヌクマムをつくっていたんだよね。
松本
「フーコック島、いいな〜」って言っていたけど、鈴木くんの原稿を読んで大変だったんだなって思った。
鈴木
その後にビーチで出会った人も家庭でヌクマムをつくっていて、「ベトナム人は赤ちゃんのときからヌクマムを食べる。それくらい大事なものだ」って教えてくれたんだよね。なんかそういう偶然の出会いが、TRANSITの記事になるのかなって感じた。
松本
私のホーチミン取材はベトナムの写真家さんにお願いしたんだけど、取材対象者も一緒になって探してくれて、それに彼の師匠の家にもお邪魔させてもらえて、その屋上から撮影できることになったんだよね。誌面にも載せたけど、その夜景がきれいですごく心に残ってる。
松本
今回、10日間くらい滞在していたけど、旅の写真ってどうやってまとめてる? 友だちと話すときに、写真を見返したりするけど、スマホのデフォルトの写真フォルダから見てるとすぐに思ってる写真を見つけられなかったりして。
ケータイの写真フォルダは取材記録のために旅の写真がいっぱい。目当ての写真を探すのもひと苦労。
鈴木
僕は今回、縁あって〈notabi〉っていう旅の記録アプリを使ってみた。写真をアップロードするだけで、自動でアプリ内の地図に紐づけられる。簡単に旅のアルバムがつくれるから、自分で振り返るのにも、友だちに旅の話をするときも使えて、個人的にはすごくいいなと思った。スポットごとに文も残せるから、TRANSITの取材で記事にしたいような忘れたくない出来事から、プライベートな旅や日常でふと思ったことまで、notabiにメモ代わりに残しておけるのがいい。
松本
(ケータイを覗き込む)えっ、ほんとだ! これ、取材の記録をまとめるのにも便利かも。
notabiは写真と地図が連動したアプリ。地図を見ながら直感的に土地の記憶が蘇ってくる。
鈴木
ひとつの旅を、時系列でまとめることもできるし、自分で決めたテーマでもまとめられる。たとえば、「もう一度いきたい絶景」っていうテーマでアルバムをつくって、今回のフーコック島で乗った島をつなぐロープウェイの写真を入れたり、他の国で見た光景を入れてまとめることもできる。
フーコック島で乗った島と島を結ぶロープウェイ。
松本
それなら私は「My Best フォー」でアルバムをつくりたいかも! ホーチミン市に行ってからフォーにハマって、現地でいろんなお店のフォーを食べ歩いていたんです。帰国してからも週1、2回はフォーを食べているから、ベトナムと日本のフォーMapをつくりたいな。
あと、ベトナムの伝統スイーツの「チェーの世界」のアルバムもいいかも。フルーツ、ゼリー、タピオカといった具材に、甘いシロップをかけたものなんです。かき氷のようなスタイルもあるし、スープのように温かいチェーもあって、無限に種類があって。そのフォーを分類して、チェーとは何かを探求したい。
ベトナムでハマったスイーツ「チェー」。いろんな形態があって調査しがいがある。
鈴木
「世界の公園」アルバムもおもしろいかも。ホアンキエム湖っていう大きな湖の近くの広場で蹴鞠みたいな遊びをしていて、気になっていたんですよね。
松本
あっ! 羽がついた球を蹴る「ダーカウ」じゃない? 私それやったよ!
鈴木
そう、それ! え、やったってどういうこと?
松本
ダーカウをしていた人に声をかけたら、その人が教えてくれて一緒にその場でダーカウをやったんだよね。ベトナムの伝統的なスポーツなんだよね。
鈴木
まさか、体験しているとは思わなかった(笑)。SNSで知り合いが投稿した写真を見ていると自分も国内外の旅に行きたくなるけど、自分の写真を見返していても屋台で話したおじさんの言葉とか、自分がそのときその場所で考えていたことを思い出すことができて、もう一度旅ができる気がするよね。
松本
ひとつの旅を写真で振り返るのもいいけど、テーマでまとめていれば、見返したときにこれまでの旅を思い出すきっかけにもなるよね。
鈴木
ベトナム特集も発売して、次の取材の準備もしないとだし、そろそろケータイの写真を整理しておこう……。
松本
長く滞在して、仕事用にもプライベート用にも写真を撮っていて、写真も溜まってるからね(笑)。私もnotabiに写真を投稿して旅を振り返ってみようかな。
notabi
旅好きのための記録アプリ。アプリに写真や動画をアップロードするだけで、旅のアルバムができあがる。作成したアルバムは友だちに公開しても自分だけのために残しておいてもOK。とっておきの海外旅行の記録からなんでもない日の独り言まで、一人ひとりの旅にそっと寄り添う。みんなが投稿したさまざまなアルバムにも出会えるから、新しい旅のきっかけにも。自分の旅を、自分のペースで振り返る。誰かの旅を、ふと見つけて次の旅へ。あなたの思い出を、notabiに。
HP