#What's バングラデシュ?
3分でわかる! 旅の前に知りたい
バングラデシュの基礎情報

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バングラデシュの基礎情報

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2024.09.29

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イスラームやヒンドゥー、キリスト教など、さまざまな影響を受けながら歴史を紡いできたベンガル地方。その中でもバングラデシュは、1971年に独立したばかりのベンガル人が多く暮らす国。近年は高い経済成長率を記録しており、長らく定着していた貧困国のイメージを脱却しようと奮闘中です。これからどのように発展していくか、世界の注目を集めています。 バングラデシュの都市、地理・地形、残された遺跡から、各地の特徴を駆け足で解説していきます!

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基本情報

<p>緑色の背景に赤い丸が特徴的なバングラデシュの国旗。</p>
<p>1億7000万人もの人口を擁し、主にITの分野で毎年著しい経済の発展を遂げている。</p>
<p>国語・公用語はベンガル語だが、イギリスやインドからの影響もあり、英語が広く話される。</p>

国語はベンガル語

緑色の背景に赤い丸が特徴的なバングラデシュの国旗。

1億7000万人もの人口を擁し、主にITの分野で毎年著しい経済の発展を遂げている。

国語・公用語はベンガル語だが、イギリスやインドからの影響もあり、英語が広く話される。

人口密度

<p>1500万超の人が生活する首都ダッカは、人口密度世界一を記録する超過密都市。そのほか、北東部の町シレットは人口密度世界5位、南部のチッタゴンは13位と、15位以内に3都市が集まっている。その原因の一つは、産業構造の変化により、農村から都市部への人口流入が加速していること。バングラデシュ統計局によると、都市部の人口比率は31.5%で、2011年より8.2ポイント上昇。地域別では、ダッカの年間増加率が1.7%で最大を記録した。</p>

首都は人口密度世界一

1500万超の人が生活する首都ダッカは、人口密度世界一を記録する超過密都市。そのほか、北東部の町シレットは人口密度世界5位、南部のチッタゴンは13位と、15位以内に3都市が集まっている。その原因の一つは、産業構造の変化により、農村から都市部への人口流入が加速していること。バングラデシュ統計局によると、都市部の人口比率は31.5%で、2011年より8.2ポイント上昇。地域別では、ダッカの年間増加率が1.7%で最大を記録した。

宗教

<p>人口の約9割がムスリムであるバングラデシュでは、聖地メッカでのハッジに次いで世界で2番目の規模とされるムスリムの巡礼祭「ビッショ・イジュテマ」が開催される。その舞台となるダッカ近郊のトンギ地区におよそ400万人もの信者たちが訪れた年もあった。当日は学校や会社は休みとなり、鉄道や空港などの国営の会社や、バングラデシュ軍などもインフラ面で協力する。</p>
<p>© Jubair1985/Own work, CC BY-SA 4.0</p>
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ムスリムの大規模巡礼祭

人口の約9割がムスリムであるバングラデシュでは、聖地メッカでのハッジに次いで世界で2番目の規模とされるムスリムの巡礼祭「ビッショ・イジュテマ」が開催される。その舞台となるダッカ近郊のトンギ地区におよそ400万人もの信者たちが訪れた年もあった。当日は学校や会社は休みとなり、鉄道や空港などの国営の会社や、バングラデシュ軍などもインフラ面で協力する。

© Jubair1985/Own work, CC BY-SA 4.0

 

<p>バングラデシュ人の主食は米。米作を中心とした農業は同国の基幹産業の一つで、生産量は世界4位を記録する。一人当たりの米消費量となると世界一で、1日平均約700gを食べている計算だ。魚も漁獲量・消費量ともに多い。ヒルサと呼ばれる白身の淡水魚が人気で、正月などのめでたい席でも食べられる。そのほか、副菜には肉や魚、野菜が使われ、香辛料にはクミンやターメリック、チリなどを使用したスパイシーなものが多い。</p>
<p>出典:Helgi Library(2015)</p>

世界一の米消費量

バングラデシュ人の主食は米。米作を中心とした農業は同国の基幹産業の一つで、生産量は世界4位を記録する。一人当たりの米消費量となると世界一で、1日平均約700gを食べている計算だ。魚も漁獲量・消費量ともに多い。ヒルサと呼ばれる白身の淡水魚が人気で、正月などのめでたい席でも食べられる。そのほか、副菜には肉や魚、野菜が使われ、香辛料にはクミンやターメリック、チリなどを使用したスパイシーなものが多い。

出典:Helgi Library(2015)

産業

<p>発展途上国のなかでもとくに開発が遅れている後発開発途上国とされてきたバングラデシュだが、徐々に経済が上向いている。主な産業の一つは1980年代から発展した繊維業で、ダッカ近郊にはユニクロやGAP、H&M、ZARAなど、世界的ファッションブランドの工場が立ち並ぶ。2020年度には国の輸出品目のうち85%以上が縫製品となり、アパレル大国と呼ばれるまでになった。ただ、縫製工場での労働環境と賃金の改善が大きな課題として残る。</p>
<p>@ Solidarity Center/flickr</p>

成長するアパレル大国

発展途上国のなかでもとくに開発が遅れている後発開発途上国とされてきたバングラデシュだが、徐々に経済が上向いている。主な産業の一つは1980年代から発展した繊維業で、ダッカ近郊にはユニクロやGAP、H&M、ZARAなど、世界的ファッションブランドの工場が立ち並ぶ。2020年度には国の輸出品目のうち85%以上が縫製品となり、アパレル大国と呼ばれるまでになった。ただ、縫製工場での労働環境と賃金の改善が大きな課題として残る。

@ Solidarity Center/flickr

人物

<p>愛国心が強いバングラデシュの人びとにとって、建国の父である初代大統領ムジブル・ラフマン、通称”ボンゴボンドゥ”は今でも絶大な人気を誇るヒーロー。命日である8月15日は国中で氏を讃え、追悼する。国旗が日本の日の丸と似ているのは、親日家であった氏が農業国から工業国に発展を遂げた日本を手本にしたいという思いから取り入れたデザイン。濃い緑は豊かな大地の青葉を、赤は太陽を表している。</p>
<p>©︎Public domain</p>

建国の父"ボンゴボンドゥ"

愛国心が強いバングラデシュの人びとにとって、建国の父である初代大統領ムジブル・ラフマン、通称”ボンゴボンドゥ”は今でも絶大な人気を誇るヒーロー。命日である8月15日は国中で氏を讃え、追悼する。国旗が日本の日の丸と似ているのは、親日家であった氏が農業国から工業国に発展を遂げた日本を手本にしたいという思いから取り入れたデザイン。濃い緑は豊かな大地の青葉を、赤は太陽を表している。

©︎Public domain

経済

<p>経済成長が注目される一方で、とくに農村部には未だ貧困層も多い。そんな現状を支援するため、10万人以上のスタッフを擁する世界最大NGOで、教育施設の運営などを行うBRACをはじめ、多くのNGO・NPO団体が活動している。また、ソーシャルビジネスを提唱する経済学者のムハマド・ユヌス博士は、貧困層を対象にした低利・無担保融資を行うグラミン銀行を設立して自立支援を行い、その功績が評価されて2006年にノーベル平和賞を受賞した。</p>
<p>© Save the Children/flickr</p>

世界中が貧困支援

経済成長が注目される一方で、とくに農村部には未だ貧困層も多い。そんな現状を支援するため、10万人以上のスタッフを擁する世界最大NGOで、教育施設の運営などを行うBRACをはじめ、多くのNGO・NPO団体が活動している。また、ソーシャルビジネスを提唱する経済学者のムハマド・ユヌス博士は、貧困層を対象にした低利・無担保融資を行うグラミン銀行を設立して自立支援を行い、その功績が評価されて2006年にノーベル平和賞を受賞した。

© Save the Children/flickr

世界遺産

<p>8世紀半ば~9世紀ごろ、仏教の中心施設として発展したパーラ王朝時代に建てられた大乗仏教のソーマプラ僧院精舎の跡。</p>
<p>©Abdulmominbd/Own work, CC BY-SA 4.0</p>

1.パハルプールの仏教寺院遺跡群

8世紀半ば~9世紀ごろ、仏教の中心施設として発展したパーラ王朝時代に建てられた大乗仏教のソーマプラ僧院精舎の跡。

©Abdulmominbd/Own work, CC BY-SA 4.0

<p>15世紀前半に作られた50にも及ぶモスクの群れ。シャイト・ゴンブス・マスジットは国内最大規模のモスクとして有名。</p>
<p>©︎Faisal</p>

2.バゲルハットのモスク都市

15世紀前半に作られた50にも及ぶモスクの群れ。シャイト・ゴンブス・マスジットは国内最大規模のモスクとして有名。

©︎Faisal

<p>インドとバングラデシュにまたがる総面積約100万haの広大なマングローブ群生地で、両国で呼び方が異なる。世界自然遺産に登録されている。絶滅危惧種のベンガルトラの生息地で、現在は300頭ほどが保護されている。</p>
<p>© Abdulmominbd/Own work, CC BY-SA 4.0</p>

3.スンダルバンス/シュンドルボン国立公園

インドとバングラデシュにまたがる総面積約100万haの広大なマングローブ群生地で、両国で呼び方が異なる。世界自然遺産に登録されている。絶滅危惧種のベンガルトラの生息地で、現在は300頭ほどが保護されている。

© Abdulmominbd/Own work, CC BY-SA 4.0

TRANSIT本誌には、この記事で紹介した東インドの基本情報のみならず、ダイナミックかつ神秘的な自然や文化、混沌とした街や社会問題など、まだ見ぬベンガルを知ることのできる企画が満載です。

BENGAL

East India / Bangladesh

TRANSIT 59号
混沌と神秘のベンガルへ

2023

SPRING

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Masumi Ishida

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