11月2日は、ジャン・シメオン・シャルダンの誕生日です。
《眼鏡を掛けた自画像》1771年、ルーヴル美術館
シャルダンは、ロココ美術全盛の18世紀フランスを生きた画家です。ロココ美術は、バロック美術につづく一時代を築いた美術文化で、豪壮・華麗なバロックに対して、優美・繊細なロココといわれています。
ロココ美術でもっとも有名な作品にジャン・オノレ・フラゴナールの「ぶらんこ」があります。ぶらんこに乗る婦人を下から覗き見る愛人の貴族の男性を描いた作品で、貴族文化として優雅で華やかに展開されたロココ美術の象徴ともいえる作品です。まさに一握りの人たちのための芸術でしょう。
《ぶらんこ》1768年頃、 ウォレス・コレクション（ロンドン）
しかしそんな時代の中で、中産階級の日常生活を繊細なタッチと甘い色合いで表現し、確立したのがジャン・シメオン・シャルダンなのです。シャルダンは一般人がもつ素朴さ、真実の美しさを描きました。
《食前の祈り》 1740年、ルーヴル美術館
フランスのルーヴル美術館に所蔵されている、代表作「買い物帰りの女中」や「食前の祈り」は、儚い日々の美しさをモダンに柔らかく表現していて、シャルダンの精神性が感じられます。ルーヴル美術館の膨大な絵画作品の中から、ぜひ原画をみつけてみてください。
© Better Than Bacon
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