▶︎韓国
正式名称は「大韓民国」。北朝鮮を支持する人びとからは「南朝鮮」とも呼ばれる。ちなみに、欧米で「KOREA(コリア)」と呼ばれるのは、かつて朝鮮半島に存在した王朝「高麗(コリョ)」に由来する。
●人口=5183万人(2020年、韓国統計庁)
●面積=10万200km²(朝鮮半島の45%、日本の約4分の1)
●政体=民主共和国
●元首=尹錫悦大統領(2022年5月10日〜)
朝鮮半島は、第二次世界大戦を経て、1948年に北緯38度を境に南北に分断。北朝鮮と韓国が成立した。現在も軍事国境線によって隔てられ、両国を行き来することは難しい。
今年2022年5月10日、韓国で成立した5年ぶりの政権交代は、両国の関係性をどのように変えていくのだろうか? まずはアウトラインを掴むため、2つの国の「今」を比較していこう。
text : TRANSIT
正式名称は「大韓民国」。北朝鮮を支持する人びとからは「南朝鮮」とも呼ばれる。ちなみに、欧米で「KOREA(コリア)」と呼ばれるのは、かつて朝鮮半島に存在した王朝「高麗(コリョ)」に由来する。
●人口=5183万人(2020年、韓国統計庁)
●面積=10万200km²(朝鮮半島の45%、日本の約4分の1)
●政体=民主共和国
●元首=尹錫悦大統領(2022年5月10日〜)
正式名称は「朝鮮民主主義人民共和国」。国連加盟国であるものの、日本は国家として承認しておらず、朝鮮半島の北部にあるということで「北朝鮮」という呼び名を使用している。
●人口=2578万人(2020年、国連統計部)
●面積=12万500km²(朝鮮半島の55%、日本の33%)
●政体=共和制
●元首=金正恩委員長
2018年2月の時点で、韓国のパスポートはビザなしで渡航できる国が調査対象の199の国と地域のうち188カ国で世界第3位。国際的な信用度は年々高まっている。一方の北朝鮮はビザなしで渡航できる国は42カ国、世界第99位と少ない。
出典:ヘンリーアンドパートナーズ(2018)
兵士と兵器の数を比べると、GDPの4分の1近くを軍に費やしているといわれる(米国防総省調べ)。北朝鮮はそれぞれ韓国の2倍を誇る。だが韓国は、数には出ていない同盟国・米軍の力もある。
出典:国際戦略研究所(2015)
北朝鮮への欧米人観光客は毎年4000~6000人程度。地続きの中国からの観光客は毎年数十万人規模になると推測されている。韓国では、2019年には1750万人の外国人観光客が訪れた。
2000年以降、経済成長が活発化した韓国。2000年には76.0歳だった平均寿命が、2020年時点で83.5歳と飛躍的にのびた。一方の北朝鮮は70.7歳とほとんど変わっていない。
人口が多く、産業が発展している国は、概して石炭や石油などの一次エネルギーの消費量が多い。消費量が世界8位の韓国に比べ、経済制裁により資源の輸入制限がされている北朝鮮は97位低い。
出典:国際エネルギー機関(2016)
韓国は2021年には名目GDPで世界10位を記録。北朝鮮は2016年は117位で、値は韓国の10分の1ほど。北朝鮮の場合は劇的な変化はなく、毎年ほぼ横ばいに推移している。
出典:国連
2021年の韓国の出生率は0.81と過去最低を更新。日本の2020年時点の出生率1.34と比べても低い。一方の北朝鮮も、世界的にはさほど多くない。
両国それぞれが朝鮮半島の主権国家であると主張していて、1950年からの朝鮮戦争を経て、現在は休戦状態となっている。亡命などの特殊な場合を除き、互いの国への入国は許されていない。
同じ言語をもつもの同士であっても、両国は政治・経済・文化・生活などのあらゆる面で異なる道を歩んでいる。
社会構造の違いや、統合のために必要な莫大な経費、両国が理想とする国家の姿など、祖国統一が適うかどうかは難しいところかもしれない。だが、「分断された国家が互いに歩み寄ること=世界平和に近づくこと」を期待したい。