編集部が気になっている旅にまつわるトピックをお届けするコーナー「今月の編集部がしたいこと!」。
知らない世界の扉を開く、アート、映画、食、体験をピックアップ。すべてのモノ・コト・イベントが、次の旅のきっかけになるはず!
2026年3月は、「日本モンゴル映画祭」やリトアニアの「チュルリョーニス展 内なる星図」、横浜美術館のリニューアルを記念した「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」など、TRANSITでも過去に特集した国々のカルチャーを日本で間近に感じられるイベントが目白押し。新たな世界に触れながら、季節の変わり目を楽しもう。
Index
16 min read
12/6 - 3/22
「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
12/19 - 3/5
「フィンランド スピリット サウナ展」
1/31 - 4/5
塩から見る世界の神秘「塩の旅 ~地球の塩の現場に立つ~」
2/21 - 5/10
3つの都市を巡る展示「岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク」
2/25 - 4/5
私たちに潜む身体性を探る、やんツー個展「浮遊する器官」
3/7 - 3/24
北国リトアニアを岩手で感じる、在本彌生 写真展 「冬よ冬」
3/10 - 3/29
伝統服をまとう人びとをカメラにおさめた「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025」
3/13 - 3/154
ヴィンテージを東京から世界に発信する「Tokyo Vintage Fashion Week」
3/14 - 3/27
五感で楽しむ「第2回 日本モンゴル映画祭」
3/14 - 7/12
芸術は爆発だ!岡本太郎を写す、佐内正史による写真展「雷写」
3/15
東アジアのクィアをつなぐ道をだとる
3/20 - 5/27
民藝の思想を辿る「創設90年記念 河井寬次郎と濱田庄司」
3/28 - 6/14
「チュルリョーニス展 内なる星図」音と絵をつないだ巨匠の世界でリトアニアに浸る
1965年の日韓国交正常化から60年の節目の年に、〈横浜美術館〉と韓国の〈国立現代美術館〉による共同企画展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」が開催されている。
2つの美術館が約3年にわたるリサーチと準備期間を重ねた本展示には、日韓50組以上の作家の約160点の作品が並ぶ。
曺良奎《マンホールB》
1958年 油彩、カンヴァス 130×97.3cm
宮城県美術館蔵
▪️編集部の一言
「いつもとなりにいる」という言葉が示すように、近くて遠い存在でもあった両国の関係。日韓の関係性の変遷や、近いからこその複雑さや豊かさを多彩な作品群とともに体感し、未来へと視線をひらく展覧会だ。
ハイレッド・センター《「シェルター計画」人体展開図写真(白南準)》
1964年 写真 26.7×28.8cm
個人蔵
© Genpei AKASEGAWA, Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
横浜美術館リニューアルオープン記念展
「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
会期
開館時間
会場
休館日
マルッタ・ヴェンデリンによるイラスト(1930年~1950年代)
© Vesa Mäkine
サウナは、厳しい自然と向き合ってきたフィンランドの人びとにとって、暮らしから儀礼にまで深く根づく文化だ。フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトにとっても、サウナは自然との共生を探る設計思想の核にあった。
展示では、アアルトのサウナ建築の模型や図面、写真を通して、フィンランドの生活と切り離せないサウナの本質を見つめる。
サウナ小屋の前でクールダウンする人びと
© Katja Lösönen / Kalevala Women’s Association, Finland
マイレア邸サウナ
© Mikko Merckling (所蔵 アルヴァ・アアルト財団)
▪️編集部の一言
サウナ文化発祥の地のひとつでもあるフィンランド。国民文化として愛され続けるサウナ2000年の歴史と精神に触れれば、日々のサウナがより魅力的なものになるはず。
「フィンランド スピリット サウナ展-アルヴァ・アアルトも大切にした場所-」
会期
会場
開館期間
休館日
入館料
塩湖や塩原、岩塩坑、天日塩田塩を追って各地を巡ってきた写真家・片平孝。その旅で撮影された約80点の写真が並ぶ写真展が〈たばこと塩の博物館〉で開催中だ。
マルサーラ塩田の収穫作業(イタリア) 2004年
© 片平孝
▪️編集部の一言
人間が生きていくために必要な「塩(塩化ナトリウム)」。人の営みあるところに、塩あり。世界には、塩にまつわる美しい風景が広がっている。大地と、海と、人の手が織りなす神秘の物語を本展示で感じてみよう。
片平孝写真展「塩の旅 ~地球の塩の現場に立つ~」
会期
会場
開館時間
休館日
入館料
岡田謙三 《間隔》1958年 油彩・キャンバス 220.5×172.5cm 目黒区美術館蔵
1920年代から20世紀末まで、欧米と日本を行き来しながら生涯にわたり制作を続けた画家・岡田謙三。激動の時代と各都市の空気を肌で感じつつ、海外で展開された抽象表現主義と日本的美意識を融合させ、独自の作風を築いた。
本展では、時代とともに変化する画風と、その静謐かつ力強い表現を育んだ三都市での経験をたどる。
岡田謙三 《巴里風景》1938年 油彩・キャンバス 53.0×65.2cm 秋田市立千秋美術館蔵
岡田謙三 《五人》1949年 油彩・キャンバス 202.2×319.2cm 目黒区美術館蔵
▪️編集部の一言
第一次世界大戦後の活気に満ち溢れたパリ、戦間期を過ごした目黒のアトリエ、そして戦後ニューヨークへの渡米。異なる色を放つ3つの都市での創作活動が、岡田謙三の画家人生をどのようにかたちづくっていたのか、迫力ある作品の数々から思考を巡らせたい。
「岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク」
会期
会場
開館時間
休館日
入館料
やんツーの個展「浮遊する器官」が、〈BUG〉にて2月25日より開催されている。やんツーは、自作の大型機械装置を通して、技術と社会の関係性を問い直す作品を発表しているアーティストだ。本展では、最新軍事技術であるドローンと古代兵器であるカタパルトを用いた新作が展示される。
▪️編集部の一言
テクノロジーに内在する暴力性と私たちの無自覚な関与を、身体感覚で浮かび上がらせる点が本展の大きな魅力。最新技術が私たちの感覚や倫理に及ぼす変化を問い直す機会になるだろう。
やんツー個展「浮遊する器官」
会期
会場
開催時間
休館日
入場料
人びとの生活に根付いた美を求めて世界各地を旅する写真家、在本彌生。豊かな自然と力強い生命力に満ち満ちたリトアニアを写した写真展が岩手県盛岡市のミナ ペルホネンのショップ内〈koota matka〉で開催される。
3月7、8日には、本人によるギャラリートークを開催するほか、併設のカフェ〈koota joki〉ではリトアニアの越冬祭「ウジュガヴェネス」中に各家庭で振る舞われるスープや煮込み料理といったランチプレートなどを味わえる。
▪️編集部の一言
まるでリトアニアに訪れたかのような空間を楽しめる写真展。「ウジュガヴェネス」さながら、たらふく飲んで食べるリトアニアのおいしい食卓の味もぜひ味わいたい。「ゼイマ ゼイマ ビエケスキエマ!(冬よ、冬よ、庭から出ていけ!)」
在本彌生 写真展 「冬よ冬」 - 北国リトアニアの冬を追い出す祭り -
会期
会場
開館時間
休館日
作家在店日
HP
衣服や人体を通して、自然の一部としての「人の存在」に目を向けてきた写真家・高木由利子による30年にも及ぶプロジェクト「Threads of Beauty」の展示がBunkamura ザ・ミュージアムにおいて開催される。
本シリーズは、彼女が世界各地を渡り歩き、伝統的衣服に身を包む人びとの生き様を撮りおさめたものである。
▪️編集部の一言
高木が彼らを撮りつづけたのは、伝統的衣服が消えゆく現代における記録という使命を果たすためではなく、むしろ彼らが放つ純粋な「格好よさ」に導かれたからだという。そんなありのままの姿を、ぜひ目にしてほしい。
Threads of Beautyシリーズより
高木由利子《Peru, 2003》
Threads of Beautyシリーズより
高木由利子《Colombia, 2016》
SHIBUYA FASHION WEEK 2026 Spring x Bunkamura
高木由利子 写真展
「Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。」
会期
会場
開館時間
休館日
入場料
ヴィンテージを“過去のもの”ではなく“現在から未来へのファッション”として発信する「Tokyo Vintage Fashion Week」。最新のファッションシーンとエコロジカルビジョンを牽引するデザイナーやクリエイター達が作り出すファッションショーで、国内外から約100のショップが集結するマーケットも見逃せない。
▪️編集部の一言
古着に宿る時代背景やストーリーもたのしみながら、“過去” が “未来” に変わる瞬間に立ち合い、新たなファッションの潮流を体感したい。
TOKYO CREATIVE SALON presents「Tokyo Vintage Fashion Week」
会期
会場
開館時間
入場料
第2回日本モンゴル映画祭キービジュアル
© Japan MONGOLIAN Film Festival
今回2回目となる「日本モンゴル映画祭」では、国際的に注目を集める日本未公開の6作品を含む全7作品を〈新宿K’s cinema〉で上映。舞台となるのは清朝支配下の時代から現代まで、モンゴルの大草原に生きる人びとやヒップホップに人生をかける都市の若者に光をあてた映画の数々。一つの国とは思えないモンゴルの多層な姿がありありと見えてくる。
© Michael Latham
▪️編集部の一言
モンゴルではいま、独自のカルチャーが次々と生まれている。本映画祭でまだ知らないモンゴルの今に出合えるはずだ。2025年に発売したTRANSITモンゴル特集もぜひ!
「第2回 日本モンゴル映画祭 ー五感で楽しむモンゴル旅ー」
会期
会場
HP
X
芸術家の作品を写真家が写したらどうなるのだろう。それが岡本太郎と写真家・佐内正史だとしたら。表参道の〈岡本太郎記念館〉に所蔵されている作品に加えて、大阪、京都、姫路、愛知、つくば、群馬、東京……日本各地に散らばる太郎作品を、佐内さんが撮り下ろし。その写真の閃光がひとところに集うのが、岡本太郎記念館で開かれる写真展「雷写」だ。
同館の館長である平野暁臣氏は、彼の作品について、「文脈」や「物語」から自由な反射的な作品である点で、太郎の作品と「おなじ匂いがする」と語る。時をへて、ふたりの視点が交差する展示は見ものである。
▪️編集部の一言
岡本太郎の油絵、壁画、彫刻、鐘といった作品群が、佐内さんのカメラによって切りとられ、プリントされ、平面の世界へと変換されながら、むしろ別次元への広がりを帯びていく。作品展示に合わせて写真集『雷写』も発売。
佐内正史 写真展「雷写」
会期
会場
休館日
入館料
HP
https://taro-okamoto.or.jp/exhibition/%e4%bd%90%e5%86%85%e6%ad%a3%e5%8f%b2-%e9%9b%b7%e5%86%99/
X
東アジアのクィアをつなぐ「道をつくる 3」が3月15日にSpace&Cafe ポレポレ坐にて開催される。3回目となる今回のイベントのテーマは「ホーム/移動/クィア」。
東京を舞台に、リチャード・ファン監督のドキュメンタリー作品やトークイベントを通して国境や性別、時代を越えたパーソナルな視点に迫る。
▪️編集部の一言
上映作品では、カナダ・トロントに暮らすアジア系クィアたちの人生に迫る。これまで見落とされてきた歴史を、個々の視点から捉えなおすことのできる機会となるだろう。
『道をつくる』3[ホーム/ 移動 / クィア]
会期
会場
開催時間
入場料
〈日本民藝館〉の創設90年を記念してその魅力を探る「創設90年記念 河井寬次郎と濱田庄司」。近現代を代表する陶芸家、河井寬次郎と濱田庄司は、日本民藝館初代館長を務めた思想家・柳宗悦とともに民藝運動を牽引した。
変わりゆく時代のなかで何を思い、何を遺したのか。本展は、その思想と軌跡を静かに浮かび上がらせる。
▪️編集部の一言
柳宗悦とともに民藝運動を牽引し、「民藝」という思想をかたちにしてきた二人の陶芸家。その作品を通して、手仕事に宿る美を見つめ直す展覧会だ。
いまの暮らしやものづくりとの接点も見えてくるだろう。
「創設90年記念 河井寬次郎と濱田庄司」
会期
会場
開館時間
休館日
入館料
3月28日(土)より〈国立西洋美術館〉にて、リトアニアを代表する芸術家ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスの回顧展「チュルリョーニス展 内なる星図」が開催される。国内では約34年ぶりとなる大規模展だ。
音楽の構造を思わせる画面構成と、リトアニアの民話や民謡、民芸に着想を得た幻想的な表現。画家であり作曲家でもあった彼の創造の世界に浸ることができる。
© M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
▪️編集部の一言
ロシア帝国の支配下にあり民族解放運動の機運が高まっていた時代、わずか約6年ほどの制作期間でリトアニアに確かな光を灯したチュルリョーニス。絵画と音楽が織りなす彼の特異なる世界を感じてみよう。
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《祭壇》1909年、テンペラ/厚紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
© M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《リトアニアの墓地》1909年、テンペラ/厚紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
© M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
「チュルリョーニス展 内なる星図」
会期
会場
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※本記事は執筆時点の情報をもとに制作しています。
開催内容は変化する可能性がありますので、最新情報は各公式サイト等をご確認ください。また、本記事で紹介する文化・習慣は地域によって異なる場合があります。