インドを旅するのは、一筋縄ではいかないこともある。それでも一生に一度は行きたい、 はまったら何度だって行きたい、ほかに代わりのきかない唯一無二のインドを旅したい! そんなインド熱に浮かされた人たちにおくる、月刊TRANSIT「みんなのインド旅計画」。
旅行先として少々ハードルが高いインドだからこそ、情報収集と準備は入念に行いたい。ベストシーズンや入国に必要なVISAの申請方法、必需品など、まずは旅の基本情報をまるっと集めました。
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一般的には乾季である10〜3月頃が旅のベストシーズン。4~6月はもっとも気温が上がり、近年は最高気温が40度を超える日もあるため、暑さ対策は万全に。6~9月は南西からのモンスーンの影響を受けて雨季に入る。土砂降りの日も多いので、旅にはあまり向かない。とくに西部のムンバイでは想像を絶する激しい雨に降られることもあるので注意が必要。ただ、ヒマラヤ山間部ではその時期に晴天が多くなるので、ケーダールナート寺院をはじめヒマラヤ四大聖地巡りをするにはおすすめ。
インドは日本の国土の約8.7倍と広大なので、行き先によって発着する空港や路線がまったく異なる。初めてのインド旅行に人気のアグラ、バラナシ、ジャイプルを目指すなら、デリーinが便利。南インドでミールスを食べ歩くなら、バンガロールからチェンナイへ。歴史も最新カルチャーも楽しみたいならムンバイへ。昔ながらのインドの情緒を感じたいならコルカタへ。それぞれの目的によってinする空港を決めてから航空券を探してみよう。
2025年1月現在、日本からインドへ直行便で行けるのは、デリー、バンガロール、ムンバイの3カ所。東京(羽田・成田)からデリーのインディラ・ガンディー国際空港(DEL)、バンガロールのケンペゴウダ国際空港(BLR)へは直行便で約8〜10時間、ムンバイのチャトラパティ・シヴァージー国際空港(BOM)へは約9〜11時間だ。南インドのチェンナイと東インドのコルカタへは日本からの直行便がないため、バンコク経由の便やインド国内線を選択しよう。
東京-デリー間の直行便はJAL、ANA、Air Indiaの3航空会社が主流。相場は往復10〜15万円ほど。アジア各都市での乗り継ぎを挟むAir AsiaやVietjet Airなどの格安航空券を利用すれば、往復5〜8万円ほどに収まる場合も。ただし乗り継ぎに半日〜1日近くを要したり、逆に乗り継ぎ時間が短く遅延補償未対応だったり、荷物の許容量が少なく追加で数万円支払うことになったりとさまざまな条件付き。いっそ経由地での観光も視野に入れ、乗り継ぎ時間がなるべく長い便を選んでみるのもあり。
ホテルの公式サイトから予約するのが確実。Booking.com、Expedia、Agodaなどの予約サイトでももちろん手配可能だが、公式サイトの方がお得な場合も多い。また、ホテルと予約サイトの連携がうまくいっておらず、トラブルがあった場合も「予約サイト側に聞いてくれ」などと現地で突き放されることもあるので利用の際は注意して。
日本人がインドに入国する場合、短期間で観光目的であってもVISAが必要。VISAの申請方法は、事前に手続きするオンライン申請、駐日インド大使館か在大阪インド総領事館への申請、インド到着時のビザ・オン・アライバルでの申請があるが、すぐにできるオンラインのe-TOURIST VISAがもっともおすすめ。出発の4日前まで申請が可能で、有効期間は30日、1年、5年から選択でき、申請料はいずれも25USD+手数料1USD。有効期間内は何度でも入出国ができ、有効期間1年もしくは5年の場合の1回の滞在は連続して179日まで可能。(つまり1年 or 5年がおすすめ!)入出国もデリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、ジャイプルほか主要31空港から可能。
【e-TOURIST VISA申請の流れ】
①下記サイトよりe-VISA申請する
インド政府 e-VISA申請サイト|https://indianvisaonline.gov.in/evisa/tvoa.html
>>申請に必要なもの
・有効期間1年1カ月以上のパスポート(有効期間30日を申請の場合は7カ月以上)
・1MB以下の顔写真のJPEGデータ(350×350px以上の正方形、背景白、帽子、メガネ不可。スマホ撮影のものでOK)
・パスポートの顔写真掲載ページのPDF
・VISA or MASTERカードまたはPayPalアカウント
②72時間以内にメールで届く審査結果をチェック
審査結果が「Application Status : Granted」となっていればOK
③2つの書類をプリントアウト
・1つめの書類
申請したサイトのトップ画面の右下にある「Check your Visa Status」をクリック
↓
申請で最後に取得したIDとパスポート番号を入力
↓
「Check Status」をクリックし、「Application Status : Granted」となっていることを確認して「Print Status」から印刷
・2つめの書類
申請したサイトのトップ画面の右下にある「Print e-Visa Application」をクリック
↓
必要事項を記入し、「Reprint」をクリックして印刷
インドルピー(Rs、INR)は日本国内の銀行や空港などでも両替可能だが、レートが悪いのでインド入国後の両替推奨。デリーなど大きい空港なら両替所はあるものの、こちらもレートが悪く少額だと両替できないこともある。また深夜便での到着だと両替所が閉まっていることも多いので注意。多くのホテルやゲストハウスでも対応してくれるため、空港では必要最低限の両替に留める、もしくはUberなどクレジットカードなどで支払いのできる配車アプリで街中まで行き、ホテルや街中の両替所で両替するのがおすすめ。
また、街中や空港にあるATMなら手持ちのクレジットカードでキャッシングが可能。利用の際は明細書の受け取りを忘れずに。自動で出てこない場合は画面をスマートフォンで撮影しておくと安心。ATM内に紙幣の在庫がなく、指定した金額以下の紙幣しか出てこなかったが銀行引き落としは指定した金額のままされていた、といったケースもまれにあるので、帰国後は不要な引き落としがされていないかカード利用明細でチェックして。
レストランやホテル、ショッピングモールなどはクレジットカード決済できるところも多いが、手数料が割高になることも。また、二重で引き落とされていたり、スキミングされ不正利用に繋がったりといったトラブルも報告されている。街中の食堂や屋台、マーケットなどは基本的に現金が主流なので多めに用意しておくと安心。
年2回ほどインドへ通う編集部員が、いつもインドへ持っていくマストアイテムをピックアップ。
✅️変換プラグ
インドでは、B3タイプ、BFタイプ、Bタイプ、Cタイプのプラグタイプが使用されている(日本はAタイプ)。インド国内でプラグタイプは統一されておらず建物によってプラグの種類が異なるので、4種に対応できる変換プラグが必要。電圧はインドが220〜240V、日本が100Vなので、日本の電化製品を使用する場合は対応電圧の確認を。
✅️SIMカード or e-SIM
日本で手配しておくと安心。アジア各国対応SIMなら乗り継ぎ地での入れ替えも必要なく、そのまま使えるので便利。ケータイがe-SIM対応の機種であれば、e-SIM契約が簡単。
✅️厚手の上着と薄手の上着
インドの寝台列車は予想以上に冷房が効いていて寒いことがある。寝るときは備え付けの毛布(座席クラス3A以上)に加え、厚手の上着があると安心。逆に日差しが強いときには薄手のパーカーやシャツなど日よけになるものがあると便利。
✅️薄手のストール
冷房対策や日差し対策のほか、スモッグや土埃から喉を守るためのマスクがわりにも。
✅️風邪薬
気をつけていても毎回寝台列車では喉をやられがち。日本で常用している風邪薬は必須。
✅️胃薬
いまのところ使用したことはないが、常に携帯している。
✅️カップ麺
どん兵衛などダシの効いたものが旅の終盤に沁みる。
✅️インスタント味噌汁とレトルトおかゆ
体調を崩してなくとも食べたくなるので2〜3食分は毎回持っていく。
✅️ウェットティッシュ
手食をするので必須。また、トイレでは使用後にシャワーで洗い流す習慣があるため使用前の便座が水浸しのことも多く、ティッシュペーパーと併用して使うことも多数。
✅️流せるティッシュ
インドでは、使用後にトイレットペーパーを使わずにシャワーで汚れを落とす形式のトイレが多い。街中の公共トイレや食堂のトイレではトイレットペーパーのないところも多いので、流せるティッシュやトイレットペーパーは常に携帯しておくのがいい。地域や価格帯によってはトイレットペーパーすらないホテルも珍しくない。
✅️虫対策グッズ
虫除けは体に直接塗布するタイプと、部屋の四隅にスプレーするタイプがあると安心。ムヒなど虫刺され時の塗り薬も必須。現地の薬局でもムヒに似た塗り薬があるが、即効性は前者に軍配。