台湾×旅する編
旅の予算はどれくらい?
気になる台湾の物価のこと

月刊TRANSIT/もうひとつの台湾特集

台湾×旅する編
旅の予算はどれくらい?
気になる台湾の物価のこと

TRAVEL

2024.12.15

10 min read

動詞別で台湾を読み深める「もうひとつの台湾特集」の「旅する編」!

いったい旅の予算はいくら必要? 異国を旅するにあたって、やはり気になるのは現地の物価のこと。とある編集者の旅日記から「旅の初日」「デスクワークの1日」「地方を訪れた週末」を抜粋して、気になる台湾旅の予算についてお届けします。

台湾到着、旅の初日!

▶入国〜両替〜市内へ移動

2024年10月某日、台北へと降り立つ。東京・羽田空港からエバー航空の直行便で約4時間。往復航空券がエコノミーで5万円ほど。桃園空港着の便もあったけど、台北市内の宿に近い松山空港着を選択。ちなみに観光などの目的で台湾に90日以内滞在する場合はビザが不要なため、さながら国内旅行のように気軽だ(なお中国ではビザ免除の滞在は30日以内)。
 
空港内の両替所でとりあえず1万円を両替。手数料などを鑑みると、1台湾元≒4.9円!(ネットで検索した2020年の為替レートは1台湾元=3.6円だったのに……)円安に落胆しつつ、以後、1台湾元を5円で計算することにする。暗算しやすくていい。
 
松山空港からTRANSIT宿舎がある象山エリアまではバスを乗り継いで行くこともできるけど、荷物が多いので車で宿まで直行したい。ここはUberかタクシーか。Uberでクレジットカード払いもできたけど、まだ海外SIMが手元になくて空港を一歩出たときのネット接続が不安だったので、タクシーを選択。目的地まで、6kmほど約20分乗車して280元。タクシーは日本よりも割安な印象。支払いはクレジットカード不可、キャッシュレス決済も不可で、現金払いのみ。

▶交通系ICカード&SIMカードをGet

宿に荷物を下ろし、まずはケータイ用のSIMカードを購入するためにコンビニへ。〈ファミリーマート〉と〈セブンイレブン〉は、通りを見渡して1軒くらいはある印象でコンビニ探しには苦労しない。つまり急な日用品の調達も問題なし。しかし肝心のSIMカードが売られていない。
 
というわけでコンビニで、交通系ICカードの「悠遊カード(EasyCard)」を購入。この「悠遊カード」は、日本のPASMOやSuicaのようにお金をチャージして、地下鉄やバスなどの公共交通機関、自販機やコンビニの買い物でも使えるので、1枚持っておくと便利。ノーマルなカードなら100元だが、凝ったイラストタイプや、セーラームーンやドラゴンボールなどのキャラクターものまで、絵柄が豊富。せっかくなので、スヌーピーのキーホルダータイプ(250元)を選択。ちなみに「悠遊カード」そのものはクレジットカードで購入できたけど、チャージは現金しかできなかった。コンビニで200元分をチャージしておく。
 
SIMカードを求めて、散歩がてら市街地にある大手通信会社「中華電信」の店舗へ向かう。そこで待っていたのは長蛇の列。自分の番号が呼ばれるまでに、1時間半以上を要した。SIMカードは空港や日本で購入すべし(あるいはeSIM対応の機種に)。
日数別の定額プラン(4G対応GB無制限の3日間で300元、7日間で500元など)もあったけど、滞在に必要な15日間モデルが700元ということで、迷って(ケチって)使用量に応じて金額が異なる4G対応3GBで400元のプランを選択。というのも、台北では、台北市政府が提供しているフリーWi-Fiサービス「Taipei Free WiFi」が使える場所も多く、各コンビニでも無料Wi-Fiサービスが使えるからだ。ちなみにこの通信会社の店舗でも、現金でしか支払いができなかった。台湾は現金社会だということを改めて知る。

▶本格的に台湾滞在がスタート!

ケータイも通常運転となったところで、腹ごしらえに宿の近所の〈美而美〉で軽食をとる。蛋餅(ダンピン)やトースト、パスタなど朝食メニューが手書きのお品書きにずらりと並ぶ味な店だ。もっともシンプルな「原味蛋餅」30元、「高山茶・中」30元を選ぶ。
 
その後、旅の日記を書くため書店兼文房具店へ。日本の文具メーカーのものも多かったが、店員さんに「Made in Taiwanはどれ?」と聞いてノート2冊とペン2本を購入、計150元。
 
夜、地下鉄MRT淡水信義線で象山駅から東門駅へ移動、片道20元。バッグに引っ掛けた「悠遊カード」で改札もビッと、ローカル気分で通り抜ける。運賃は距離や路線によって変わる。たとえば象山駅から港町の淡水駅までは、淡水信義線で直通60元で行ける!
 
ローカルが集う永康街の客家料理店〈家家客家菜館〉で編集部メンバー4人が集い、夕食をともにする。メインの蒸し鶏料理、筍の煮物や牛肉の甘辛炒めなどの副菜4品に魚のスープ、ビール瓶を2〜3本注文。舌もお腹も大満足。割り勘して1人540元。コンビニで水と缶ビール、ヨーグルトを購入して宿舎に帰る。日本のビールやお菓子は割高だけど、台湾産のものはだいたい日本と同じくらいの価格だ。

05

01/紛失しないようにキーホルダータイプの「悠遊カード」を選択。
02/台湾産の文房具。これに旅日記を綴ります。
03/象山の近隣のマンション、35坪(約118平米)で3530万元也。不動産店、ついチェックしてしまう。
04/怒涛のメニューに目が眩む。Googleレンズで翻訳して注文。
05/客家料理店での食事。複数人いるといろいろと注文できてうれしい。

▷旅の初日の明細書

タクシー代(空港〜象山)…… 280元
「悠遊カード」+チャージ代……450元
SIMカード代(4G/3GB)……400元
軽食代……60元
文房具代……150元
夕食代……540元
水(2L×2本)……50元
缶ビール(350ml×2本)……70元
ヨーグルト……35元
計2035元

※航空券代は含まず。地下鉄代(象山〜東門往復40元)はチャージ代に含む

台北でデスクワークの1日!

▶市場で朝食を調達&プールで朝活

今日は取材がないので、台北で丸一日デスクワークをする。
朝、散歩がてら永春駅前にある昔ながらの〈虎林市場〉へ歩いてみる。店の軒先や露天で、青果やお惣菜、乾物や魚介などが売られている様子にワクワク。目移りしつつも、パパイヤ1個35元と、油条入りの紫米おにぎり1つ30元をGet。宿舎に戻ってヨーグルトとともに、朝ごはんを済ませる。
 
せっかく台北にいるのに、日がな一日宿舎で過ごすのはもったいない。というわけで、台北市内でリモートワークをすることに。国立台湾大学の社会科学院の施設〈辜振甫紀念圖書館〉へ。時計を確認するとまだ朝8時半。始業前にプールでひと泳ぎすることにした。場所は国立台湾大学からもほど近い、〈国立台北教育大学泳健館〉。象山から「悠遊カード」を利用してバスで向かう(一段運賃で15元)。バスは何もしないと停留所を通りすぎてしまうので、お目当ての路線バスが来たら手を挙げよう。学生だけでなく市民にも開かれている国立台北教育大学のプールは、1回の利用で120元。別の日に訪れた大学の公共プールは110元だったので、だいたいそれくらいの金額なのだろう。50mプールを5往復、500mほど泳ぎ、ジャグジーとサウナに入って朝活終了。

▶リモートワーク@台北大学&昼食

体がスッキリしたところで、歩いて〈辜振甫紀念圖書館〉へ戻る。台湾大学の学生以外はIDカードが必要で、受付でパスポートを渡し、リュックなどの大きな鞄をロッカーに入れると入室が許可された。伊東豊雄が設計したこちらの図書館へは、見学にやってくる日本人も多いよう。受付のスタッフの方が、「写真を撮ってもいいし、デスクも使っていいですよ」そう言って、日本語パンフレットを渡してくれた。利用料はタダ。懐が深い。
 
心地よい空間で、仕事も捗る(ような気がする)。2時間半ほどパソコンに向き合い、お待ちかねの昼食の時間。学食棟へ行き、「自助餐(ビュッフェ式)」の店で野菜中心のお惣菜をお皿にのせる。料金は重さで決まるようで、お会計では79元と示された。構内のコンビニで500mlペットボトルのお水20元を買い、カフェテラスの席についた。周囲を見渡すと、ほとんどの人が水筒を持参。図書室にも学食にもウォーターサーバーがあって、マイボトルに水を汲んでいる。今度来るときは水筒を持ってくることにしよう。
 
台湾大学の敷地内には農学部が運営する売店〈台大農場農産品展示中心〉があると聞いて、せっかくなので行ってみる。手づくりのアイスクリームやパン、オーガニック食品などが販売されていて興味をそそられる。しかしお腹は空いてないので、名物の牛乳・小、35元を買って木陰で小休止。

▶リモートワーク@スタバ&夕食

お腹は空いてない、と言ったものの豆花は別腹である。Google検索で見つけた〈甜逗〉で、檸檬豆花を注文。65元。とろけるようにクリーミーな豆花に甘酸っぱい檸檬ソースがたまらない。この旅No.1の豆花に出合えた。
 
スイーツのあとはやはりコーヒーが恋しい。そんなわけで午後は場所を変えて、〈スターバックス〉で仕事をすることに。Wi-Fiも電源もあるので作業にはもってこい。トールサイズのアメリカーノを注文。95元、日本よりもやや割高か。勉強をしている若者やビジネスマンなど、ローカルにまじってせっせと作業を進める。
 
夜の帳が下りる頃、編集部メンバー2名と連絡をとりあう。メニューは小籠包と海老焼売、酸辣湯の3品のみという通化街にある店で合流し、夕食を一緒に食べる。小籠包(8個入り120元)×2と海老焼売(8個入り120元)×1をシェアし、酸辣湯(45元)はそれぞれオーダー。1人165元。宿舎がある象山まで約3kmの帰路は3人でUberに乗車、180元。今日も1日お疲れさま。コンビニでいつもの台湾ビールとヨーグルトを買って帰る。

06

01/〈虎林市場〉のお惣菜店で朝食を購入。
02/バスは、バス停でも手を挙げて止める必要がある。路線は電光掲示のサインでチェック。
03/公共プールはジャグジーやサウナつきの場所も多いので、泳がない人にも。
04/〈辜振甫紀念圖書館〉でリモートワーク。清潔だし静かだし、作業にも集中できた。
05/台湾大学の学食。選んだ惣菜の分量で値段が決まる。白米と紫米のどちらかを選べるのもうれしい。
06/キャンパスライフ気分で、台北大学で1日を過ごすのもよさそう。

▷デスクワークの1日の明細書

朝食代(パパイヤ、おにぎり)……65元
プール入場料……120元
昼食代(惣菜、水)……99元
牛乳代……35元
豆花代……65元
コーヒー代……95元
夕食代……165元
Uber代……180元
缶ビール(350ml)…… 35元
ヨーグルト……35元
計894元

※地下鉄代やバス代は初日のチャージ代に含む

地方都市で過ごした週末!

▶チケット購入&高鐵で嘉義へ移動

取材で嘉義を訪れるため移動手段を宿舎でリサーチしていると、同部屋の編集者が、「『KKday』なら台湾高鐵(新幹線)の乗車券がお値打ち価格で買えるらしい」と耳寄りな情報を教えてくれた。「KKday」とは、旅先のアクティビティや現地ツアーをお得に予約できるウェブサイト・アプリ。早速検索、いくつかあった外国人限定の台湾高鐵バウチャーのなかから「高鐵3日間乗り放題券(2200元)」をゲット!
 
嘉義取材後は台南や高雄も訪れたいと思っていたので、割安で高鐵乗車券を買えてよかった(台北→嘉義間の普通料金は片道約1000元ほど)。
乗り放題券は、はじめにオンラインで利用登録をすれば事前に座席まで予約できるのでとても便利。ただ、混雑する時間帯の便は選べないこともあるので、移動時間に余裕がある人におすすめしたい。私も希望の便には乗ることができず、想定よりも1時間ほど早い早朝便で嘉義へ向かうことになった。
ちなみに台湾高鐵は台湾高鐵のサイトで日時指定の予約もできる。しかし台湾で発行したクレジットカードでしかオンライン決済ができず、やや不便。駅の窓口でなら日本で発行したクレジットカードでも購入できるよう。
 
いよいよ嘉義旅へ!当日、台北駅の高鐵乗り場に着いて、時間に余裕をもってホームに降りる。朝ごはんでも食べながら電車を待とうと思っていたけど、改札内には飲食店やコンビニはナシ。改札に入る前に買っておけばよかったと学ぶ。高鐵に乗ると、日本と同様に車内販売があるのが救いだった。とりあえずコーヒーを飲んで気持ちを落ち着けることに。1杯50元。

▶嘉義の街歩きとごはん

台湾高鐵で約1時間半、高鉄嘉義駅で下車。バスに乗り換え、町の中心エリアである嘉義駅まで約40分で到着。駅によって高鐵の駅とローカル線や私鉄の駅が離れているので、移動に余裕をもったほうがよさそう。運賃は悠遊カードで51元を支払った(運賃はルートによる)。
 
いよいよ嘉義散歩スタート!嘉義は、“レトロな街”と称される台南を、さらにのんびりさせて小さくしたような町。徒歩でももちろん楽しめるけれど、台北よりも気候が暑いこともあり、町中の移動は自転車をおすすめしたい。嘉義駅前にはシェアサイクルサービス「YouBike」があるし、自転車を貸し出しているホテルもある。私はちょうど自転車を無料レンタルできるホテルを予約していたので、荷物を預けて自転車で街へ繰り出した。
 
まずは朝ごはん抜きの空腹を満たすため、嘉義名物の七面鳥ご飯、火雞肉飯(フォージーロウファン)の専門店へ。火雞肉飯・小とスープを頼んで45元。お肉の味が濃いのにさっぱりしていて、臭みもなく絶品! その後は嘉義のローカルに大人気のフルーツがどっさり入ったお茶が楽しめるドリンクショップ〈源興御香屋〉で、一番人気の「グレープフルーツ×緑茶」65元を買い、水分補給しながらまた自転車を漕いだ。
 
時間が許す限り、嘉義を巡る。〈台湾花甎博物館〉で(入場料100元)可愛らしいマジョリカタイルを眺めたり、阿里山森林鉄道を走っていた赤い列車が見られる〈阿里山森林鐵路車庫園區〉(入場無料)や、日本式の木造建築群を展示している〈檜意森活村〉(入場無料)を見学して取材をつづけた。(TRANSIT66号の南台湾ガイドの嘉義ページもぜひご覧ください!)

▶取材後の夕食とホテル宿泊

日が暮れてあたりが暗くなってきた。暑いなか動きつづけて体力を使い果たしたので、夕食はテイクアウトしてホテルの部屋でゆっくり過ごすことにした。町の中心エリアで毎夜開催しているナイトマーケット〈文化路夜市〉に立ち寄り、ひと際長い行列だった〈黄毛ㄚ頭東山鴨頭専売店〉へ。ここは甘辛い味つけをした鴨肉が部位ごとに売られていて、欲しいものをビュッフェのように自分の皿に取り会計するというシステム。臓物らしきものから、足、血を固めたもの、頭(!)まで、たくさんの種類があるなかから気になるものを選び取り、合計330元(思っていたよりいっぱい買ってしまった)。最後に近くのコンビニで台湾ビール(35元)を買って終了。
 
泊まったのは〈永悦商務大飯店〉というホテル。宿泊前日に予約したから選択肢が少なかったけど、清潔なホテルが空いていてよかった。翌日の朝食つきで、部屋はエアコンと冷蔵庫を完備。駅から離れているけれど、自転車レンタル無料もありがたい◎ 宿代は日本円で6500円(≒約1405元)。

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01/パスポートと「KKday」の引き換え券を台湾高鐵乗り場の窓口で提示して、3日間乗り放題の冊子をもらう。
02/台北から高雄(左営駅)まで1445元、時間にして約90分でつなぐ台湾の新幹線こと、台湾高鐵。
03/高鐵嘉義駅のホーム。台北と違って空が広い。嘉義駅へは、高鐵+バスのほか、Tze-Chiang Limited Express(自強号)でもアクセスしやすい。
04/嘉義の町中には名物・火雞肉飯の店が多数。せっかくなので何軒か食べ比べてみるのもおすすめ。
05/鴨の人気店〈黄毛ㄚ頭東山鴨頭専売店〉。どれがどの部位かわからず直感で選んだけれど、それはそれで楽しめる。
06/嘉義のナイトマーケット。混雑しすぎていなくてちょうどいい規模感。

▷週末嘉義旅の明細書

台湾高速鉄道(高鐵)3日間乗り放題券……2200元
高鐵車内販売のコーヒー……50元
高鐵嘉義駅から嘉義駅までのバス……51元
火雞肉飯・小とスープ……45元
グレープフルーツ×緑茶ドリンク……65元
〈台湾花甎博物館〉の入場料……100元
〈黄毛ㄚ頭東山鴨頭専売店〉のテイクアウト……330元
ビール代……35元
宿泊代……1405元
計4281元

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Kei Taniguchi

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