俳優の小関裕太さんは、大のパン好きで、なかでも食パンに目がない。小関さんがかねて訪れたいと言っていた、浅草の名店〈パンのペリカン〉で食パンを食べながら、パンのある暮らしについて訊いてみた。
Photography:Shohei Hayashi Styling:Satoshi Yoshimoto Hair & make-up:Mariko Sasaki Text:Kei Kawaura Edit:Maki Tsuga
写真好きな小関さん。自分のカメラをバッグから取り出して、食パンをパシャリ。
田原町駅から徒歩3分ほど、赤いファサードが目印の〈パンのペリカン〉。お昼すぎに売り切れてしまうことも多いので、電話や店頭で予約を入れておくのがよい。 毎朝3時頃から、5、6人の職人が交代でパンを作る。毎日400本以上の食パンを焼いているそう。
焼きたての食パンを1斤丸ごと抱え、浅草の街をうれしそうに歩く小関さん。
浅草にある1942年創業の老舗パン店〈パンのペリカン〉。
販売されているメニューは食パンとロールパンのみ。朝8時にシャッターが開くとともにお店を訪れたのが、食パン好きで知られる俳優の小関裕太さんだ。
列に並んで、焼きたての食パンを購入。その場で何もつけずに食パンをちぎって、ひと口、ふた口……止まらない!
「以前にもペリカンのパンを食べたことはあったけど、お店を訪れたのは今日が初。工房を覗かせてもらったら、焼きたてのパンが並んだ棚が熱々で。職人さんが作っている躍動感と、工房に充満しているふくよかな香りに高揚しました。お店の外に一歩出て、思わずその場で食パンをかじってみたんですが、ほんのり爽やかで甘い香りが口に溢れて、とっても幸せでした!」
青いペリカン印の食パンは、もっちり重量系。緑のペリカンは、小さめでぎゅっと身が詰まっている。ほかに水色の山型ペリカンもあって、こちらは1日1度しか焼かないので、出合えたらラッキー。
小関さんを唸らせる、ペリカンの食パン。どんなこだわりがあるのか、店主に訊いてみた。
「『自分に10の力があるとして、その力を出し切るのでは、1や2の力で集中したほうがいいものができる』。そんな2代目の祖父の考え方が好きだったので、品数を増やさずにパンを焼いています」と4代目店主の渡辺陸さん。小関さんもペリカンの秘密に納得した様子だ。
小関さんが食パンを好きになったきっかけは何だったのだろう?
「中学生の頃に舞台のお仕事で合宿をしていたとき、お昼ご飯まで待てないほどお腹が空いてしまって、コンビニで手に取ったのが食パンでした。そのときに『食パンって焼かなくても、こんなにおいしかったんだ』って衝撃で。嚙めば嚙むだけ香ばしさが際立つ食パンのミミと、白い部分は塩味と甘みが両方ともあるのがたまらなくて」
おいしいパンを求めて、旅に出ることもあるという。
「食パン特集の雑誌を買って、行ってみたいパン屋をスマホにメモしています。旅が好きで、仕事の合間にプライベートで海外に行くこともあるんですが、以前、フランスに行ったときは、朝からクロワッサンを食べたり、オペラ座の近くを歩いていて気になったパン屋に入ってハムとチーズを挟んだジャンボンブールを食べたりしていました。パンってその土地ならではの空気を感じられるものですよね。食パンは、やっぱり日本のものが一番好きだけど」とにっこり。
パンは小関さんにとってどんな存在なのだろう。
「パンは癒やし。僕にとって、パンは主食じゃなくて、ご褒美のようなもの。味はもちろん、身体をほぐすようなパンの香りも好きで、一息つきたいときにコーヒーと一緒によく食べています。それにパンをきっかけに、どこかに旅をしたり街歩きが楽しくなったりする。パンが世界を広げてくれている感じがしますね」
俳優
小関裕太(こせき・ゆうた)
1995年、東京生まれ。子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、ドラマや映画に出演。 2025年8、9月に、鴻上尚史作の舞台「サヨナラ ソング─帰ってきた鶴─」では主演を務める。
1995年、東京生まれ。子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、ドラマや映画に出演。 2025年8、9月に、鴻上尚史作の舞台「サヨナラ ソング─帰ってきた鶴─」では主演を務める。
パンのペリカン・ペリカンカフェ
1942年創業、浅草にあるベーカリー〈パンのペリカン〉と、2017年に開店した〈ペリカンカフェ〉。 全国のパン好きに愛される名店。ベーカリーか ら歩いて3分ほどのところにあるカフェでは、ペ リカンのパンを使用した炭焼きトーストやチーズ トースト、フルーツサンドなどが楽しめる。
●パンのペリカン
住所|東京都台東区寿4-7-4
●ペリカンカフェ
Instagram|@asakusapelicancafe
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