選挙権を求めてデモ行進した日!

#今日は何の日

選挙権を求めてデモ行進した日!

READ

2025.03.20

1 min read

1965年3月21日は、アフリカ系アメリカ人の選挙権を求め、キング牧師率いる市民がデモ行進を行った日です。
 
その道のりは、アラバマ州のセルマからモンゴメリーまで、ハイウェイ80号線沿いに87km。その前に阻止された2度の行進を含む一連の抗議運動は、投票権法成立のきっかけとなり、公民権運動においてきわめて重要な出来事とされています。

当時、セルマの人口の半数ほどを占めていたアフリカ系アメリカ人は、差別と脅迫により有権者登録を妨害されていました。のちに「血の日曜日」と呼ばれるようになった同年3月7日のデモ行進では、警察たちによって突如催涙ガスが打ち込まれ、警棒やむちでの殴打により50人以上が負傷。この出来事は公民権運動の転換点となり、21日のセルマの行進のきっかけともなりました。

デモ隊が通ったエドモンド・ペタス橋。3月7日の行進時は、渡った先に警察が待ち構えていた。 

© David Wilson

モンゴメリーへ向かう途中、参加者は増え続け、最終的に2万5000人までふくらんだとか。”How Long, Not Long”のフレーズで知られるキング牧師のスピーチは、公民権運動の象徴として後世まで語り継がれています。

現在のハイウェイ80号線 

© formulanone

投票権法が成立したのは行進から約 5ヵ月経った1965年8月6日。多くの命の犠牲の上に獲得された権利は非暴力運動の力を証明し、世界のあらゆるところで虐げられてきた人びとへ勇気と希望を与えました。

そんな歴史あるアラバマ州に行くなら公民権の史跡巡りがおすすめ。
 
モンゴメリーの中心街にあるデクスター通り(Dexter Avenue)沿いを歩くと、数々の史跡に出会うことができます。1800 年代に奴隷が売られていた場所〈コート・スクエア・ファウンテン(Court Square Fountain)〉や、公民権運動に大きな影響を与えたローザ・パークスがバスの座席を譲ることを拒否した場所は人気の観光スポットです。なんといっても外せないのは、キング牧師が勤めていた教会〈デクスター・アベニュー・キング・メモリアル・バプティスト教会(Dexter Avenue King Memorial Baptist Church)〉。キング牧師が説教を行っていた説教壇がいまもなお残されています。
 
お腹が空いたなら、南部の伝統的なバーベキューを。セルマ東部の黒人地区にひっそりと佇む〈Lannie’s Bar-B-Q Spot〉は、激動の1960年代を見守った歴史ある店です。運動の激戦地だったにも関わらず、誰もが歓迎されていると感じられる場所だったといいます。
 
長い差別の歴史と、世界中の平和に思いを馳せて。雄大で、きらびやかなアメリカとはまた違う顔をのぞいてみる旅はいかがでしょう。

© StretchyBill

キング牧師が勤めていた〈デクスター・アベニュー・キング・メモリアル・バプティスト教会〉

© Ron Cogswell

TRaNSIT STORE 購入する?

ABOUT
Photo by

Yayoi Arimoto

NEWSLETTERS 編集後記やイベント情報を定期的にお届け!