アフリカ系女性詩人フィリス・ホイートリーの命日

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アフリカ系女性詩人フィリス・ホイートリーの命日

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2024.12.05

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12月5日は、アフリカ系女性詩人フィリス・ホイートリーの命日です。

フィリス・ホイートリーは、アフリカ系アメリカ人として最初に詩集を出版した詩人です。西アフリカで生まれた彼女は幼少期に誘拐された後、奴隷として売られて北米に移送。ボストンで暮らすホイートリー家に買われ、そこで読み書きを学びます。

フィリスが通った教会、オールド・サウス・ミーティング・ハウス。

© Cortlandt V.D. Hubbard

1773年、フィリスに転機が訪れます。ホイートリー夫妻の息子とロンドンに旅をしたとき、自作を刊行すべく、さまざまな著名人と会いパトロンになってもらったのです。同年9月1日、フィリスの詩集である『Poems on Various Subjects, Religious and Moral』がロンドンで刊行。イギリスとアメリカの両方の地で名声を博し、当時、「地球上でもっとも有名なアフリカ人」となりました。

フィリスは自作の刊行後、ホイートリー家から解放されます。奴隷身分から脱した彼女は、1778年に自由黒人のジョン・ピーターズと結婚。しかし、夫婦の生活は苦しく、誕生した子どもたちが幼くして亡くなるという悲劇に見舞われます。
 
1779年には2冊目の詩集を出版しようと奮闘しますが、資金不足や独立後の支援者の減少、さらにはアメリカ独立戦争の影響によって計画は頓挫。それでも彼女の詩の一部はパンフレットや新聞を通じて世に広まっていきました。

彼女の才能は誰もが認めざるを得ないものでしたが、当時の植民地社会では、アフリカから連れてこられた奴隷がこれほど優れた作品をつくることが信じられず、1772年には彼女自身が自身の作品であることを証明するために法廷に立たされるという事件もあったとか。
 

1784年12月5日、31歳という若さでこの世を去ったフィリス・ホイートリー。彼女の人生は困難に満ちていましたが、その詩作はアフリカ系アメリカ人文学というジャンルの礎となり、言葉を通していまもなお多くの人びとに勇気を与えつづけています。

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Kei Taniguchi

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