2024年12月発売のTRANSITは「台湾特集」!
編集部は雑誌制作のために約1カ月の間、台北に拠点を移し、台湾の東西南北を旅します。
TRANSIT.jpでは、編集部メンバーが日替わりで「編集部日誌 in 台湾」をお届けしていきます。
海外での撮影は、日本からフォトグラファーさんと一緒に渡航することもあれば、現地の方に依頼することも。私も今回一つの企画で、台湾人で台湾在住のリンさん(Lin Youren)に撮影をお願いした。しばらくメッセージのやり取りをして事前打ち合わせの日程を検討していると、「朝食の時間はいかがですか?」とリンさんから提案をもらったのだった。
ある日の朝9時、待ち合わせたのは万華(ワンファ)という地区にある〈穗月朝食〉。小麦粉や片栗粉などでできた生地を鉄板で薄く伸ばして焼き、卵やチーズといった具材を包んだ蛋餅(ダンピン)の人気店だ。お肉やマッシュルーム、ハニーマスタードやタルタルソースなど、さまざまな具材を使ったモダンスタイルの蛋餅が楽しめるとあって、着いた頃にはすでに店の周りに多くの人が。順番待ちをして入店し、私はバジルとトマトが入った「Margaret」という名前の蛋餅をチョイスした。想像の通り、パリパリした生地と具材の相性が抜群でとてもおいしかった◎ (もう少し冒険してもよかった……?)
想像以上に店内が混雑していたため一旦外へ出て、別の場所で改めて打ち合わせることに。すると「この万華はとても歴史があって面白い地区だから、少し案内します」とLinさん。説明を聞きながら、古い建物が並ぶ住宅地のなかをあとをついて歩いていく。そして現れたのは、1970年代に作られたという華江整建住宅。交差点にたつ4棟の住宅の2階部分の廊下が歩道橋で繋がっているような珍しい設計で、台北ではここにしか残っていないのだとか。
そして、100柱以上のあらゆる神様を祀る龍山寺でお参りして、青草巷(青草通り)にあるLinさん御用達の店で冷たい青草茶(いろんなハーブを煮出したお茶)をゲット。蒸し暑い台湾で体をクールダウンさせるのによく飲まれているそう。色は真っ黒だけど、すっきりした甘さで美味しい! ドリンク片手に18世紀の清朝時代の建物が残る「剝皮寮(ポーピリャオ)歴史街区」へ。ここは貿易によって台北で最初に開発された場所で、台北始まりの地ともいわれている。
そして地元の買い物客と観光客で賑わう東三水街市場(日本統治時代は新富市場と呼ばれていた)の狭い路地をすり抜ける。ちなみに、日本統治時代の公設市場の跡地である新富町文化市場という建物の中では居酒屋のようにアルコールを提供していて、市場で買った食べ物を持ち込んで楽しめるということで、午前中から多くの人で賑わっていた。その奥にひっそりと佇む〈tokyobike cafe〉でゴール! さっきまでの喧騒が嘘のように静かな店内で台湾茶を注文し、改めて打ち合わせをしたのでした。Linさんの万華歴史散策ツアー、おしまい。
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