タイってどんな国?旅をするにも、暮らすにも、ローカルライフをよく知るための、地理、気候、マナーや習慣といった基礎知識をここにピックアップしました!
Text:TRANSIT
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日本よりも広い国土に、日本の人口の約半分が暮らすタイ王国。ラオス、カンボジア、ミャンマー、マレーシアの4つの国と接している。行政区は77県あり、北、東北、中、東、南の5つのエリアに分けることができる。ここでは簡単にその5つのエリアを特徴を掴んでいこう。
タイは、個性溢れる5つの地域が、インドシナ半島とマレー半島で一つに束ねられた国。
中部は、国際都市バンコクや古都アユタヤを擁する今も昔もチャオプラヤー川を大動脈として農業と物流が発展しつづける中心地。
北部は、ランナー王朝と山地民とミャンマーのミックスカルチャーで、中心都市は古都チェンマイ。
イサーンとも呼ばれる東北部は、タイの国土の3分の1もあるメコン川を通してラオス、カンボジアとの交流が深く、言葉も衣食住も近しいものがある。
東部は、享楽的なパタヤがあったり、仏領インドシナだった地域とも近かったり、メランコリックな雰囲気のあるエリア。
南部は、アンダマン海とタイ湾に面したエリアで、イスラームや華僑や欧米人が行き交う多国籍なムードを纏う。
辛い、酸っぱい、甘いで畳みかけてくるタイ料理のように、あの手この手でツボをつくタイマッサージのように、タイは私たちを魅了しつづけるワンダーランドなのだ。
出典:気象庁
タイを旅するにも暮らすにも、どんな気候なのかここで掴んでおこう。
旅にもっとも適した季節。ほかの季節に比べて湿気も少なく、東南アジア特有のスコールもほとんど降らない。日中の気温は25~30℃ほどだが、朝晩は20℃近くまで下がるため羽織るものがあると安心。北部の山岳地域はさらに冷え込むので秋服程度の準備を。
もっとも気温が上がり、日中は40℃になることもある過酷なシーズン。日本の夏同様、水分と塩分をこまめに補給する熱中症対策が必要。雨季に近づく後半は湿度も上がり、天候も不安定に。スコールに備える雨具のほか、冷房対策のための衣服もあると安心。
日本の梅雨のように1日中降りつづくわけではないが、1日に1~2回、バケツをひっくり返したようなスコールは覚悟したい。短時間で止むことが多いため、雨宿りをして過ごすのが得策。道路が冠水するなど交通への影響もあるため、余裕をもって行動したい。
Q1. タイの首都は?
バンコク。タイ語名は「クルンテープ・マハナコーン」だけど、さらに長い正式名称がある。それがこちら!
正式名称:クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット
Q2. 人口はどれぐらい?
約6,609万人(2022年タイ内務省)
Q3. 面積はどれぐらい?
日本の約1.4倍の約51万4000㎢。ミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアと国境を接している。
Q4. タイで信仰されている宗教は?
仏教94%、イスラーム5%といわれている。イスラーム教徒は、ヤラー、パッターニー、ナラーティワートといった南端3県やバンコクに多い。
Q5. タイで使われている通貨は?
バーツ(Baht、B、THB)、補助通貨サタン(Satang)。1バーツは100サタン。
Q6. 電圧、プラグは?
タイの電圧は220V。日本は100Vなので、日本で購入した電化製品が220Vに対応していない場合は変圧器を使用しよう。パソコンやケータイ電話の充電などは、だいたい220Vい対応していることも多いが、ドライやーなどは注意が必要。またタイのプラグは「A」「C」「BF」の3タイプ。日本と同じAタイプが多いが、変換プラグも用意しておきたい。
Q7. 日本との時差はどれぐらい?
日本からマイナス2時間。サマータイムはない。
Q8. タイの観光に必要なビザは?
2024年7月15日から、タイ入国後60日(59泊60日)以内の観光目的の滞在の場合はビザは不要となり、期間が延長された。ただし往復の航空券又は他国へ出国する航空券等を所持している必要がある。日本国籍であればビザなしで入国できるが、国際規定によりパスポートの残存期間は6カ月以上は必要だ。
Q10. 旅行の際に課される税金は?
日本の消費税にあたる、付加価値税(VAT)は、税率7%(2025年6月現在)。外国人旅行者は、「VAT REFUND FORTOURIST」の表示がある店での購入金額分のVATは払い戻し請求ができる。ただし、同日同一店舗で計2,000B以上の買い物であること、4つの国際空港(バンコク、チェンマイ、プーケット、ハジャイ(ハートヤイ)から出国することなど、条件があるので要確認。
タイの人びとの間で王室はとても尊敬されている。王室に対する批判や侮辱的な行為は、たとえ外国人であっても不敬罪として立件される。街中での不用意な発言はもちろん、インターネット上での批判ももってのほか。国王や王族の肖像を乱暴に扱ったり、反体制デモに参加したりする行為も該当する場合がある。
タイといえば、両手のひらを合わせた合掌ポーズ。この伝統的な挨拶は「ワイ」と呼ばれ、相手への敬意を示すもの。手の位置は胸から額の間くらいの高さで行うが、高ければ高いほど敬意の度合いが大きくなる。基本的に、ワイをされたらワイで返そう。花のつぼみのように両手の間を少し膨らませるのがコツ。
タイでは2022年にアジアで初めて大麻を合法化。医療目的の栽培や所持、食品や美容品への添加は指定の濃度以内であればよしとなった。ただ、娯楽目的の吸引は引きつづき犯罪。そもそも日本人は海外であっても大麻の所持・使用はNG。関連商品を日本に持ち帰るのも違法の可能性が高いので避けたほうが無難。
世界中からたくさんの外国人が訪れる観光大国タイでは、いつの間にかチップが習慣化した。ホテルではベッドメイキングスタッフや、ポーターなどに。高級レストランでは会計の5~10%が相場。マッサージでは1時間50B程度、スパは100B~を目安に。タクシーは現金払いの場合、お釣りの端数を渡すのが一般的。
国際空港や中上級のレストランでは洋式トイレが設置されている。だが水圧の弱さや紙が水溶性でないことなどから、ペーパーは流さずゴミ箱に捨てるのが基本(一部を除く)。地方ではペーパーの設置がなかったり、水が張った桶からひしゃくで汲んで流す手動式だったりする場合があるので、使用前に確認すると安心。
1月
中国にルーツをもつ人が多いタイ。中国の旧暦に基づいた旧正月は、中華街(ヤワラート)を中心に祝われる。
2月〜3月
釈迦の説法を聞くために弟子1250人が偶然一同に会したことを記念する日。
© linploy
4月
現在もつづくチャクリー王朝が立朝し(1782年)、バンコクが首都となった日。タイの建国記念日のようなもの。
タイ王国における旧正月で、水かけ祭りとも呼ばれる。仏像や仏塔、年長者に敬意を込めて水をかけてお清めする風習が、今や通行人同士が水をかけ合う祭りに発展した。この日は濡れてもよい格好で外出しよう。
© JJ-Harrison
5月
© Prasat Samapat
© oi137137
釈迦の誕生日。陰暦6月の満月の日。
© vision of domino
6月
© Mark Joseph
7月〜8月
国民は、国王の色である黄色い服に身を包んで敬意を表す。バンコクをはじめ各地で祝賀行事が行われる。
釈迦が初めての説法を行い初めての弟子ができた日。陰暦8月の満月の日。
© BoBo Kandb
雨季の始まる時期から、僧侶が寺にこもって「オークパンサー」まで3ヵ月間修行を始める。仏教における重要な日。
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10~11月
© Sakulchai Sikitikul
カオパンサーからこもって行っていた修行が終わる日。旧暦11月の満月の日。
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12月
ラーマ9世(プミポン前国王)の誕生日を讃える日。「父の日」でもあり、前国王の色である黄色のモノや花を父親に贈る。
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