瀬戸内めぐりの拠点にしたい各街のキーパーソンに、おすすめのスポットを教えてもらう企画。
今回は香川の高松編。フリーペーパー「香川BOOK遍路MAP」なるものも存在する香川にあって、文豪・菊池寛を生んだ高松は、文化の土壌の豊かな街。
そこで、三者三様に書店を営む店主たちに聞いた、うどんだけじゃない、とっておきの高松案内をここに。
Text:TRANSIT
Index
10 min read
本屋 ルヌガンガ 店主
中村 勇亮(なかむら・ゆうすけ)
1982年、香川・高松生まれ。信州大学卒業後、新刊書店勤務の後に会社員をへて、2017年に〈本屋ルヌガンガ〉をオープン。
1982年、香川・高松生まれ。信州大学卒業後、新刊書店勤務の後に会社員をへて、2017年に〈本屋ルヌガンガ〉をオープン。
本屋 ルヌガンガ
「街の本屋」を目指して、中村勇亮さんが妻の涼子さんとともに始めた書店。店名の由来はスリランカの建築家ジェフリー・バワが理想郷としてつくった庭園邸宅の名から。扱うのは雑誌、単行本、アートブックや文庫や絵本などの新刊。地元の方のみならず、旅行者にも愛されている。
住所
営業時間
定休日
〈本屋 ルヌガンガ〉中村勇亮さんのお気に入り
明治10年創業の老舗和菓子店。1階では讃岐和三盆の原料糖「白下糖」を用いた、名物の瓦せんべいなどを販売し、2階は喫茶スペースに。「ショーケースに並ぶケーキを選んでコーヒーとセットでいただいています。桜製作所の家具や、猪熊弦一郎の絵画が渋いです。席もゆったりと広く、本を読みながら過ごす時間が好きです(中村)」
住所|香川県高松市亀井町11-13
営業時間|10:00-19:00
定休日|火曜
公式HP|https://www.kutsuwado.co.jp/
古くから大切に使われてきたり伝承されてきた世界各国の雑貨や民芸品を販売。店主が主にアメリカで仕入れた品は、一つひとつが表情豊か。「メキシコやアメリカの素朴なフォークアートやアンティークが並ぶお店です。ビル全体も、個性的な小さなお店がたくさん入っていて楽しいです(中村)」
住所|香川県高松市大工町7-15 アカネビル307号室
営業時間|11:00-19:00
定休日|不定
Instagram|@porte__store
柳宗悦が掲げた民芸の理念である「用の美」と「良い仕事」を根底におき、陶磁器、織染め物、木工品から和紙まで、日本各地から選ばれた品が揃う。「手に取りやすいたくさんの民藝品が所狭しと並んでいて、隅々まで楽しいお店です。高松の民藝玩具も充実しています(中村)」
住所|香川県高松市百間町9−7
営業時間|10:00-17:00
定休日|木曜
公式HP| https://mingei-fukuda.com/
ローカルの心のオアシスともいうべき昔ながらの商店。手頃な価格とほっとする滋味深い味わいが評判。「戦後からつづく小さな八百屋で、手作りのお惣菜やお弁当も並ぶ素朴なお店。フルーツゼリー、牛乳ゼリー、抹茶ゼリー、などの手作りゼリーは、高松のソウルフードです(中村)」
住所|香川県高松市亀井町12-19
営業時間|7:00-19:00(金曜は〜18:00)
定休日|日曜
田町の商店街に佇む蕎麦店。カウンター、テーブル、小上がりの席があり、地元の老若男女に愛されている。「昭和30年代からつづく昔ながらのお蕎麦屋さん。お蕎麦も中華そばも丼ものも、素朴でおいしい。雰囲気も落ち着きます(中村)」。夜は一品料理とお酒も楽しめる。
住所|香川県高松市田町2−6
営業時間|11:00-14:30、17:00-20:00(土曜は〜20:30)
定休日|日曜
なタ書 店主
藤井佳之
1976年、大阪市生まれ。横浜国立大学を卒業後、ドキュメンタリー番組の制作に携わるなどした後、29歳で中学高校と過ごした高松へ。完全予約制の古書店、〈なタ書〉をオープン。「Uber Books」代表。〈COUNT BOOKS〉(軽井沢)のディレクター、〈Biblio〉(高松)、〈四畳半文庫〉(小田原)の選書や執筆等も行う。
1976年、大阪市生まれ。横浜国立大学を卒業後、ドキュメンタリー番組の制作に携わるなどした後、29歳で中学高校と過ごした高松へ。完全予約制の古書店、〈なタ書〉をオープン。「Uber Books」代表。〈COUNT BOOKS〉(軽井沢)のディレクター、〈Biblio〉(高松)、〈四畳半文庫〉(小田原)の選書や執筆等も行う。
なタ書
高松・瓦町にある完全予約制の古書店。古本だけではなく、新刊本・個人がつくったリトルプレスや雑貨等の販売も行う。来店予約はコチラへ。電話:070-5013-7020(藤井) メール:natasho0718@gmail.com
住所
定休日
〈なタ書〉藤井佳之さんのお気に入り
古民家を改装してつくられた宿。香川県民割や地元の人が参加できるイベントもあり、集いの場にもなっている。「ゲストハウスのはずですが、夜になるとなぜかいつ訪れてもカオスです。毎週水曜日の夜は持ち込み制で謎の夜会が催されてます。近くにある〈本屋ルヌガンガ〉で本を購入すると無料で宿泊できる『本泊』というサービスも(藤井)」
住所|香川県高松市亀井町10-3
公式HP|https://to-ya.org/
倉庫街にある〈青い羊 for Vintage Lovers〉に隣接するコーヒーとアイスクリームの店。「ギャラリーも併設するなど、広大な空間の一角にあるコーヒースタンド。飲み物はテイクアウト可能です。店主が酒好きなことから、昼間から酒を呑む会が定期的に催されています(藤井)」
住所|香川県高松市本町9−5 back door
営業時間|11:00-18:00
定休日|不定
Instagram|@valo.acc
文学や芸術の情報交換の場としたいとの思いを込めて2024年末にオープンした、書店兼ギャラリー。「新刊本、古本やZINEに雑貨他、さまざまなジャンルの本を取り扱いしてます。2階がギャラリーとなっていて、店主の智恵美さんが企画した厳選された展示が定期的に催されています(藤井)」
住所|香川県高松市南新町8-26
営業時間|13:00-20:00
定休日|水曜、木曜
Instagram|@cloudyandwool
昭和38年から田町に店を構える寿司店兼食堂。「カウンターだけの寿司屋ですが、とにかくそのメニューの豊富さに圧倒されます。焼きそばからチャーハン、そうめんに鍋、オムライス他、自分が何屋に来たのかを一瞬忘れてしまいます。寿司屋にもかかわらず全席喫煙可能です(藤井)」
住所|香川県高松市田町13-4
営業時間|17:30-23:00(土曜〜22:00、日曜〜21:00)
定休日|無し
片原町の駅近くで古くからつづく焼き鳥の名店。「通称“パラダイス”と呼ばれる、高松のかつての青線地帯で今なお営業している焼き鳥屋です。おすすめを聞くと、必ずメンチカツと返ってきますので、誰もが皆、焼き鳥ではなくメンチカツを夢中で食べています(藤井)」
住所|香川県高松市内町5-3
営業時間|17:00-26:00(※日よって異なる)
定休日|不定
アートやサブカル関連の新刊と古書を扱うブックカフェ。「瀬戸内国際芸術祭の公式カメラマンでもある、宮脇慎太郎が営むアンダーグラウンドスペース。アンダーグラウンドすぎて、いつオープンしてるのかすらわかりません。写真好きのマストスポットです(藤井)」
住所|香川県高松市太田上町1036
営業時間|平日夕方-22:00(※日よって異なる)
定休日|不定
X|@cafesolow
朝昼夜と営業している、完全手打ちの本格讃岐うどんの店。「店の目の前を香川県唯一の私鉄、ことでんが通っていく姿は圧巻です。大将の機嫌がよかったらエンドレスに日本酒を振舞ってくれます。高松出身の文豪、菊池寛のビールが飲めるうどん屋です(藤井)」
住所|香川県高松市瓦町1-7-3
営業時間|8:00-16:00、17:00-24:00(土日は〜25:00)
定休日|無し
X|@sanukimennosuke
「個性的なお店とは本来こういう場をいうのかと思い出させてくれる強烈な外観。持込自由で無人店。『1000円で飲める』と書かれていても肝心のお金を渡す人すらいない。現時点で高松最強の無人店(藤井)」。1000円で3杯+1品のせんべろ酒場。
住所、営業時間、定休日|地元の人に聞いてみよう!
ショーケースに並ぶ食品サンプルが懐かしい、昔ながらの洋食店。「昭和が溢れる錦町にある食堂。メニューはポークチャップにビーフカツ他、うどんだけでは決してない高松の食の奥深さが味わえます。名物のオムライスは0.8mmの極薄軽量のフライパンからつくられてます(藤井)」
住所|香川県高松市錦町2-10-20
営業時間|11:30-14:30(L.O.14:00)、18:00-21:00(L.O.20:45、日曜は17:00〜)
定休日|火曜
Instagram|@yo_shoku.itami
音質にこだわったスピーカーで音楽を聴きながら、コーヒーやアルコールが飲める店。「国内唯一の電子音楽喫茶。お店は深夜にしかオープンせず、DJでもある店主が延々と爆音で電子音楽を流しつづける。定期的にライブイベント他も開催。頼めばターンテーブルも触らせてくれると思います(藤井)」
住所|香川県高松市常磐町1-7-19
営業時間|20:30-24:00
定休日|不定
Instagram|@pheme_lux
フォトグラファー/〈Book cafe Solow〉店主
宮脇慎太郎
1981年、香川・高松生まれ。大学卒業後に六本木スタジオなどを経て2009年頃から高松に拠点を移して活動。2012年に〈Solow〉をオープン。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。
1981年、香川・高松生まれ。大学卒業後に六本木スタジオなどを経て2009年頃から高松に拠点を移して活動。2012年に〈Solow〉をオープン。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。
Book cafe solow
宮脇さんが仲間とともにDIYでつくったブックカフェ。それぞれに本業をもつメンバーが日替わりでお店に立ち、アートブックやサブカル関連の本を中心に、新刊と古書を販売。不定休のためFacebookページかTwitterにて営業日を確認してからの来店がベター。
住所
営業時間
定休日
〈Book cafe solow〉宮脇慎太郎さんのお気に入り
野菜たっぷりのお弁当やお惣菜を提供するお店。夜はお惣菜をアテにナチュラルワインや燗酒をいただける。「おいしい料理はもちろん、日本酒やワインのセレクトが豊富でテイクアウトもできる名店。周辺の片原町は戦後の闇市感が残るエリアで散策も楽しい(宮脇)」
住所|香川県高松市内町4-14
営業時間|火〜土11:00~14:00(L.O.14:00)、 17:00~22:00(料理L.O.21:30、ドリンクL.O. 21:30) 日11:00~15:30 (料理L.O. 15:00、ドリンクL.O. 15:00)
定休日|月曜
Instagram|@miyamoto.souzaiten
レトロで上品な雰囲気が漂う喫茶店。「高松中心部で〈VITAMIN COFFEE〉も営むオーナーが手がける喫茶は、仏生山駅のランドマーク的存在。ナポリタンや卵サンドなどいかにも喫茶店といったメニューがおすすめ(宮脇)」。オリジナルブレンドの中煎りの「天色」と深煎りの「青藍」の2種類の販売も。
住所|香川県高松市仏生山町甲844
営業時間|12:00-18:00(金土は〜21:00)
定休日|不定
Instagram|@kissakai_busshozan
瓦町の路地裏にある隠れ家的なお店。本格的なタイの伝統料理をカジュアルにいただける。「旅好きの店主が開いたタイ料理の店は、高松にいながらアジアの気分を味わえる。お店の本のセレクトもこだわりがあり、旅気分を盛り上げたい方は是非訪れてもらいたい(宮脇)」
住所|香川県高松市瓦町2-3-3 大喜ビル2F
営業時間|11:30-15:00
定休日|日曜、月曜
Instagram|@chaloo_tak
2025年3月に、焼き鳥部門も増えて浜ノ町に移転オープン。「長崎から移住した高松の夜のレジェンドが手がけるチャンポン屋。親子で営む店には今日も大勢の常連が訪れる。上階には今後ギャラリーやイベントスペースも開設予定。新たな高松のホットスポットになること間違いなし(宮脇)」
住所|香川県高松市浜ノ町13-9
営業時間|11:30〜13:30(火曜以外)、17:00-22:00
定休日|月曜、第3日曜
Facebook|チャンポン慶造
プラモデルや日本人形から縁日玩具にお菓子まで、懐かしい品々が所狭しと揃う店。「今や貴重な町の玩具屋と駄菓子屋が一緒になったお店は、一気に昭和にタイムスリップした感覚を味わえる。しかしプラモデルの品揃えなどは最新のものをカバーしており、マニアックな商品を求めて今日も趣味人が詰めかける(宮脇)」
住所|香川県高松市塩屋町11-4
営業時間|不定(問い合わせ0878216532)
定休日|月曜
Instagram|@toys.matsuya
〈仏生山小書店〉という名の古書店コーナーもあるモダンな温泉施設。「古本も買える仏生山エリア屈指の観光スポット。建築のオシャレさなどに話題がいきがちだが、ここは温泉の名前の通りお湯がとにかくいいのがポイント。旅の疲れを一気に癒やしてくれるセーブポイントのような場所(宮脇)」
住所|香川県高松市仏生山町乙114-5
営業時間|11:00-24:00(土日祝は9:00〜)
定休日|火曜
公式HP|https://busshozan.com/
生演奏が聴けるカフェバー。「科学と音楽をこよなく愛する店主が営むこだわり空間。定期的に開催されるライブには有名ジャズアーティストなどを国内外から招致。間近で演奏を堪能できる贅沢さはここならではの醍醐味(宮脇)」。店長をはじめ科学研究や科学教育に携わった経験のあるスタッフが在籍しており、科学の世界にも触れられる。
住所|香川県高松市丸亀町4-12 1階
営業時間|11:30-14:00(L.O.13:30)、18:30-23:30(L.O.23:00)
定休日|月曜
公式HP|http://www.einstein-guarneri.com/