2026.01.07
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毎月一つの主題で旅をする、月刊TRANSIT。
今月のテーマは、「世界の祝祭を旅して」。
旅したいと思ったときに、「どこへ行くか」と同時に、「いつ行くか」も旅の計画をたてるときの大きな要素ではないだろうか。
世界各地で開かれているお祭りやイベントに合わせて旅の一歩を踏み出したり、はたまた旅先で偶然のお祭りとの出合いがあればその土地やローカルの人と結びついた濃密な時間を過ごすことができたりする。
その土地、そこに暮らす人びとが、連綿と継承してきた伝統的なお祭りもあれば、現代社会が生み出した、非日常と日常を結ぶようなアートイベントからくすっと笑えるユーモア溢れる大会まで。
祈って、歌って、踊って、競って、飲んで、食べて、神々や死者や異界のものたちと出合って……。「いつ」の時間軸と、「どこ」の座標軸を合わせて、祝祭溢れる世界を旅してみよう。
世界には、その土地の風土や信仰、人びとの熱気が織りなすユニークな「お祭り」が存在する。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアの伝統行事から現代社会が生み出したユニークなイベントまで、地球の隅々で繰り広げられるお祭りについて、月ごとに解説!
ここでは、2026年の1、2、3月の世界のお祭りをピックアップ。春節やニュピをはじめ、それぞれの土地、それぞれのタイミング、それぞれの習慣で、新年をお祝いしたり、冬から春への季節の移り変わりを刻んだりするお祭りが盛りだくさん。
*本記事の内容は、掲載時点での参考情報です。正確な開催日程・場所・内容については、各お祭りや自治体の公式発表をご確認ください。
Text:Takamasa Kujirai Edit:TRANSIT
1月のお祭り
🗓2025年クリスマス付近から2026年2月中旬予定 *毎年1月から2月頃
📍中国・ハルビン
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1985年から始まった世界三大雪祭りのひとつ。開催地のハルビンは、黒竜江省の省都で「極東のパリ」とも呼ばれるほどロシア風の美しい街並みが残るところだけれど、冬場は最低気温が−30℃になることもある寒〜い街としても知られている。太陽島、兆麟公園、そして氷雪大世界の3つの会場で開催。世界中から集まった彫刻家たちが、その腕前を競う。
昼間は真っ白な雪の美しさとその繊細さが際立つが、夕方からはライトアップされて華やかで幻想的な美しさに変貌。巨大な作品だけでなく、細かな彫刻が施されたアイスランタンアートも見応え抜群。さらに500mもの巨大な氷の滑り台や雪池カートなどのアクティビティも豊富。期間中には、氷でつくられた結婚式場で合同結婚式も開かれる。極寒のなか、ウエディングドレスに防寒着を羽織った花嫁たちは、ロマンチックな舞台での結婚式に笑顔をこぼす。
🗓2026年1月16日-25日予定 *毎年1月頃
📍ブルガリア・ペルニク
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旧暦の正月を祝うブルガリア三大祭りのひとつ「クケリ(Kukeri)」。1月から3月までブルガリア各地で行われているが、とくに西部の町・ペルニクのお祭りが有名。ブルガリアの先住の民・トラキア人が、ワインの神であるディオニソス神を祀っていた儀式に由来している。ただ6世紀には形態が変わって、悪霊や災いを追い払い、豊穣を願って春の訪れを祝う祭りとなった。
祭りの主役は、羊などの毛皮でできたお面を被ったモフモフ姿のクケリ。
姿かたちは人それぞれで、獣よりなもの、人間よりなもの、カラフルな装飾をしたものもいる。1体で優しい顔と恐ろしい顔の2つの顔をもっているのが特徴。クケリたちは悪いものを退散させて幸福を呼び寄せられるように、腰に付けたベルを鳴らしながら各家庭を巡る。期間中、祭りの参加者は6000人、観光客は10万人以上も集まり、ブルガリアの熱気を体感することができる。
🗓2026年1月30日-2月1日予定 *毎年1月から2月頃
📍インド・ジャイサルメール
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黄色い砂岩でできた街並みが夕日に照らされて黄金に輝く、ジャイサルメール。そんなゴールデンシティの郊外で行われるゆる~いお祭りが「砂漠祭り」。
鮮やかな装飾をまとってドレスアップしたラクダたちの行進で祭りはスタート。ラクダに騎乗して行うラクダクリケット、スピードと芸術性を競うターバン巻き大会、ミス&ミスター砂漠選考会、長い髭を自慢する髭コンテスト、国境警備隊によるラクダの変則騎乗などの催しが盛りだくさん。会場にはステージもあって、伝統音楽やインド音楽を取り入れたラーガ・ロックなどが演奏される。砂漠を背景に、インドカルチャーを存分に満喫できるはずだ。
🗓2026年1月31日-2月17日予定 *毎年1月末から3月初め頃
📍イタリア・ベネチア
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リオ、トリニダード・トバゴに並ぶ、世界三大カーニバルのひとつで、およそ300万人が訪れるといわれる巨大な祭典。1162年にヴェネツィア共和国がアクイレイアとの抗争に勝利したことを祝して始まった。当時、仮面をつけることで身分差を気にすることなく誰もが祭りを楽しめたことから、仮面がイベントを象徴する存在となり、現代では仮面コンテストも行われていてお祭りのハイライトになっている。仮面だけでなく仮装に力を入れる参加者も多い。
ほかにも天使に扮した女性が、サン・マルコ広場の鐘楼から広場に舞い降りて開幕を告げる「天使の飛翔」や、ベネチアの夜空を彩る壮大な花火ショーなど、見どころは盛りだくさん。
2月のお祭り
🗓2026年2月12日-17日予定 *毎年2月中旬から下旬頃
📍ハンガリー・モハーチ
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木彫り仮面と羊毛のマントで怪物のような仮装をした「ブショー」が街へやってくる、ハンガリーの伝統行事。地元にはブショーにまつわるふたつの伝承が残っている。ひとつは、侵略を目論むオスマン帝国の兵士を、怪物の仮面で怖がらせて逃げるように仕向けたというもの。もうひとつが、冬の終わりには悪い幽霊が生まれるため、派手な騒ぎや人形を燃やすことで、追い払うというもの。
500人以上のブショーがドナウ川を渡って街に現れ、街中を練り歩き終わったあと、街の中心の広場で冬に見立てた人形を燃やし、悪霊を追い返す。夕暮れには、ブショーや祭りの見学者たちが焚火を囲み、お酒を飲み交わしたり、ダンスをしたりと和気あいあいとした雰囲気に。温もり溢れるひとときを過ごせる。
🗓2026年2月13日-21日 *毎年2月半ばから3月上旬頃
📍ブラジル・リオデジャネイロ
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世界最大の祭典ともいわれる「リオのカーニバル」。カーニバルは、もとはキリスト教の宗教行事で、「肉を断つ(carnem levare)」が語源になっている。食事制限をしていた時期を終えて、肉を食べられるようになったことを祝う意味があるのだ。
だが、リオのカーニバルと聞いて思い浮かぶのは、宗教的な装いよりも、ブラジルの国民的音楽サンバに乗って踊る、華やかなダンサーたちの姿ではないだろうか。サンバは、アフリカからリオに連れてこられた黒人奴隷たちが、奴隷制度やそれにまつわる貧困・差別への抵抗から生まれたもの。自由を得たアフリカ系ブラジル人たちがカーニバルに参加して、彼らがサンバを奏で踊るようになり、1930年代にはリオ・デ・ジャネイロ市がサンバのパレードをコンテスト形式で披露することによって、現在のリオのカーニバルがかたちづくられた。
リオのカーニバルでは、12のエスコーラ(サンバチーム)が参加。それぞれ数千人のメンバーと5~7台の巨大な山車を率いて、華々しい熱狂の世界へと誘う。数日間にわたるカーニバルで、下部リーグ、本戦、チャンピオンズパレードが披露される。
🗓2026年2月14日-15日予定 *毎年2月から3月頃
📍ボリビア・オルロ
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リオのカーニバルと並ぶ南米三大祭りのひとつが、このオルロのカーニバル(ちなみにもうひとつはペルーのインティライミ)。老若男女問わず参加する50以上のグループが、それぞれ違ったテーマで踊るため、衣装もダンスもさまざま。植民地時代の黒人奴隷や悪魔、ラマ追いなどがダンスのモチーフになっていて、出場チームごとに個性が光る。
夜になると、衣装にイルミネーションをつけたり、火を吹くパフォーマンスをしたりと、リオとはまた違った華やかさで観客を盛り上げる。会場付近では、ダンスのモチーフとなる悪魔やクマをデザインした帽子なども販売され、被れば参加している気分もアップ。街中では、水や泡スプレーをかけ合うこともあるので服装にはご注意を。地元民も観光客も関係なく、カーニバルの参加者として一体感を味わえるお祭りだ。
🗓2026年2月15日-23日予定
📍中国各地
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旧正月を意味していて、中国でもっとも重要視される祝日。民家の入り口には縁起のよい言葉が書かれた赤い紙・春聯(しゅんれん)が飾られ、道路や建物は赤い灯篭や提灯が飾られるなど、街全体が赤く染まり、お祝いムードに。街中では邪気を払うといわれる爆竹を鳴らしたり、窓から花火をしたりする。そして、魔除けの役割を担う獅子舞や、雨乞いで豊作を祈る龍舞など、さまざまなイベントが行われる。
春節には、食べる楽しみも。健康を祈る「長寿麺」、家族のつながりを象徴する団子「湯円(タンユエン)」、財運を招くとされる「水餃子」など、春節の大晦日から縁起のいい食べ物を食べる。食べ物も地域や家庭によって違いがあり、中国の文化の豊かさが感じられる時期だ。
🗓2026年2月15日-17日予定 *毎年2月から3月頃
📍イタリア・イブレア市
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イタリア語のお祭り名を直訳すると「オレンジの戦い」という意味になる。その名のとおり、貴族と市民のチームに分かれ、3日間で計900トン以上のオレンジを投げ合って戦う奇妙なイベント。審判も存在し、投げた量やかわし方などを評価し、ポイントをつけて勝敗が決まる。
一説には、権力を盾に女性に迫った領主に対し、町娘が返り討ちにした事件がきっかけで始まったお祭りだといわれている。返り討ち事件の後、圧制に苦しんだ市民が自由を求めて反乱を起こしたことから、貴族vs市民の戦いを再現しているのだとか。ちなみにお祭りの当初は白インゲン豆を投げていたそう。事前予約すれば観光客でも参加可能。ただ、毎年ケガ人も出ているので気をつけて参戦しよう。
🗓2026年2月16日-22日予定 *毎年2月から3月頃
📍ロシア各地
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スラブの民に伝わる「冬を送り、春を迎える」という意味をもつ伝統的な祭り。キリスト教が広まってもこの文化はつづき、キリスト教の大断食が始まる1週間前から行われる(正教会の四旬節Great Lentが始まる直前の週にあたる)。
この期間は、肉が食べられず、卵や乳製品を食べられる最後の週となる。そのため、主に食べるのはクレープのような「ブリヌイ」。その丸い形は太陽に見立てられ、春を迎え入れるシンボルとなっている。また、この1週間はそれぞれの曜日で役割があり、ブリヌイをつくり始める日や遊ぶ日など、やることも決まっている。最後の日には、冬を象徴する巨大なかかしを燃やし、長い冬との別れを告げ、心待ちにしていた春を迎える慣わしになっている。
3月のお祭り
🗓2026年3月3日-4日 *毎年3月の満月の前後2日間
📍インド各地
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色とりどりの粉や水を周囲の人にかけ合う祭り。もとは豊作祈願の行事だったが、神話や地方の習慣が混じり合って、現在は春を迎える祭典へと変化した。初日は夜に焚火で悪魔払いをし、翌日の朝から色粉や色水が飛び交う。祭りの期間は、お酒も解禁され、カースト制度も撤廃されるなど、日々の縛りから解き放たれる。色粉をかけたら「ハッピーホーリー」と叫び抱き合い、音楽に合わせて踊り、幸せいっぱいの空間が生まれる。粉の色には意味があり、緑は純粋さ、鮮やかな赤は変化、オレンジは幸福などを表している。
インド各地で祝われるお祭りだが、とくにマトゥラやバラナシなどのヒンドゥー教の聖地での盛り上がりは格別。地域によってはその土地ならではの風習も加わっているため、どこのホーリー祭に参加するか事前に調べておきたい。
🗓毎年3月15日-19日予定
📍スペイン・バレンシア
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大工だった守護聖人サン・ホセを称える祭り。祭りの前日、ある大工がお祓いのためにおがくずや木製ランプの「パロット」を燃やしたところ、その習慣が定着。さらにパロットが人形に変わり、いまでは「ファジャ」と呼ばれる巨大な張り子人形となった。
バレンシアの街には、30mにも及ぶファジャが約800体も集結。どれもプロが数カ月かけて手がけた力作だ。しかし、それも最優秀作1体を残し、祭りの最終日には燃やされることに。街中が炎に包まれる情景は、恐ろしくも荘厳だ。この火祭りはスペインの各地で行われているが、3月19日14時にバレンシア市庁舎前で催される爆竹ショーや、祭りの期間中に街中で鳴らされる爆竹は、バレンシアならではの風物詩となっている。
© Abariltur
🗓毎年3月17日予定
📍アイルランド各地
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アイルランドにキリスト教を布教した守護聖人・聖パトリックの命日を祝う、1200年以上続く祝祭。イギリスから独立した後に大規模化し、アイルランドのシンボルカラーである緑の衣服や、聖パトリックがキリスト教の布教に利用したシャムロック(三つ葉のクローバー)を身に着けて、各地でパレードなどが行われる。
とくに首都ダブリンのパレードには50万人以上が参加。また建物や道路も緑の装飾があしらわれるなど、とにかく街中が緑で埋め尽くされる。そして、そんな街では伝統的なアイルランド音楽やダンス、大道芸などが行われ、道行く人びとを楽しませている。
🗓2026年3月19日-20日予定 *毎年3月頃(サカ暦の新年)
📍インドネシア・バリ
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ヒンドゥー教の「サカ暦」に基づくお正月。この日は「静寂の日」とも呼ばれ、外出や火・電気の使用、娯楽、殺生が一切禁止。静かに瞑想し、悪霊が去るのを待つための日となっている。これは他宗教の信者や観光客にも適応され、外に出ると警官に取り締まられる。商業施設はもちろん、交通機関も動かない。ただし、前夜祭にあたる「オゴオゴ」は盛大に行われる。
ヒンドゥー教の悪霊をモチーフにした巨大なオゴオゴを担ぎ、パレードには毎年多くの見物客が殺到。各家庭にいる悪霊が乗り移るといわれるオゴオゴは、その邪気と一緒に燃やされ、バリの島を浄化する役割があるとされている。バリの静と動が見える時間だ。
© Bayu Mahardika
🗓2026年3月19日-20日 *イスラム暦のシャワール月の1日に祝われる
📍イスラーム圏
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ラマダンの終了を祝い、アッラーへの感謝の気持ちを捧げる、イスラム教の重要な祝祭。ラマダンを通じて魂は浄化され、イード・アル=フィトルによって新たな自分になると考えられている。期間中はモスクなどで祈りを捧げ、家族や隣人たちと伝統的な料理やお菓子を分かち合い団結を深める。新調した衣服を着て街に繰り出すことも。
地域によってその風習は異なるが、インドネシアの習慣がユニーク。インドネシアではイード・アル=フィトル当日に家族と過ごすため、「ムディック」という帰省ラッシュが起こる。また、インドネシアではこの期間に人間関係を許し合ったり、絆を深める「ハラル・ビハラル」という習慣がある。家族・親戚でプレゼント交換をすることも。
© ©dbgg1979
世界各地には、その土地の風土や信仰、人びとの熱気が織りなすユニークな「お祭り」が存在する。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアの伝統行事から現代社会が生み出したユニークなイベントまで、地球の隅々で繰り広げられるお祭りについて、月ごとに解説!
ここでは、2026年の4月、5月、6月の世界のお祭りを15こピックアップ。ソンクラーンや夏至祭といった夏を感じるお祭りから国際的な芸術の祭典まで、各地の自然の恵みや固有の文化・信仰、創造性を感じられる多彩なお祭りの数々をどうぞ。
*本記事の内容は、掲載時点での参考情報です。正確な開催日程・場所・内容については、各お祭りや自治体の公式発表をご確認ください。
Text:TRANSIT
4月のお祭り
🗓2026年3月29日-4月5日予定(カソリック、プロテスタント系)、4月5日-12日予定(正教会系) *毎年3月下旬から4月下旬頃、復活祭(イースター)の一週間前から始まる
📍イスラエル・エルサレム
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イエス・キリストのエルサレム入城、受難と死、そして復活までの一週間を思い起こす時間で、旧市街の石畳は世界中から訪れた巡礼者で埋め尽くされる。毎日、街のどこかで祈りや儀式、祝賀の行進が行われる。
「棕櫚の主日」から「復活祭の日曜日」までつづく公式行事のなかで、もっとも胸を打つのがキリストが亡くなった日に行われる「聖金曜日の行列」だ。独特の衣装に身を包んだ信者たちが十字架を掲げ、歌い、祈りながら、イエスが歩んだ苦難の道(ヴィア・ドロローサ)を進んでいく。
エルサレムは一年を通して祈りの空気をまとう街だが、この「聖週間」はさらに濃い霊性が宿るひととき。古代の路地の静けさと巡礼者の熱気が入り混じる聖週間のエルサレムには、訪れたものの心を揺り動かす力があり、その光景に立ち会うことは忘れがたい体験といえる。
🗓2026年4月4日-6日 *毎年4月5日前後
📍中国各地
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先祖供養と春の訪れを祝う中国の伝統的な行事で、日本のお盆のように親族が集まってお墓参りをする日。春分から15日後の二十四節気「清明」に由来する祝日で、種まきの目安にもなっていた。
お墓を掃除して、食べ物やお酒をお供えして、線香をあげて、紙のお金を燃やして、祖先を供養する。清明節は「踏青節(とうせいせつ)」とも呼ばれて、春に芽吹いたばかりの青草を踏みながら野山で遊んだり、凧揚げをしたりして、春の訪れを祝う。
© Peng Zhang
© Kevin Chan
🗓毎年4月13日-15日
📍タイ各地
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ソンクラーンは、タイの旧正月で新年の始まりを祝う伝統行事。毎年4月13日から15日の3日間にわたり、参加者は水鉄砲やホース、水を入れたバケツを手に、通りを行き交う人びとと水かけ合戦を繰り広げる。バンコクをはじめ各地で催しが行われ、地元の人だけでなく多くの旅行者も参加し、街中びしょ濡れの人びとで賑わう。お祭りの期間中は水をかけられる可能性があるので、街を歩くときは濡れてもよい服装や防水バッグの準備が必須。
近年では、そんな「水かけ祭り」として広く知られているが、起源は仏像や年長者に香水を振りかけて清め敬意を表すともに邪気を払って豊かな雨と実りを願うタイの伝統的な風習からきている。2023年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されている。ソンクラーンは、伝統と現代の活気が交わるタイを代表する祭りなのだ。
🗓2026年4月21日-26日予定 *毎年4月
📍イタリア・ミラノ
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正式名称「ミラノサローネ国際家具見本市」は、1961年からつづく世界最大級のインテリアの見本市。毎年4月、ミラノのロー・フィエラの会場に世界中から2,000を超える創造性あふれる企業が集い、家具、照明、装飾品、キッチン、バスルームまで、デザインの今を体現する展示が並ぶ。奇数年開催のユーロルーチェ、偶数年のユーロクッチーナと国際バスルーム展、若手の登竜門サローネサテリテなどの催しが同時開催され、例年、世界中から30万人以上のインテリア業界やデザイン好きな人びとが訪れる。
ミラノ市内では著名デザイナーによる関連イベントも繰り広げられ、街全体がデザインとクリエイティビティに満ちた空間になる。ビジネスの場でありながら文化的価値を併せもつ見本市として、世界のデザインシーンを牽引しつづけている。
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🗓2026年4月27日-5月3日 *毎年4月末から5月頃
📍南アフリカ・タンクワ・カルー
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アフリカバーンは、南アフリカ西ケープ州のタンクワ・カルー(Tankwa Karoo)という半砂漠地帯に、たった一週間だけ現れるコミュニティイベント。
米国ネバダ州の野外イベント「バーニングマン」のアフリカ版とされ、バーニングマンの10原則(脱商品化、自己完結性、自己表現、痕跡を残さないなど)に加えて、アフリカバーン独自の「Each One Teach One(一人一人が教え合う)」の原則がある。
参加者は会期中の食べ物や飲み物、住処まで、生活に必要なすべてのものを持ち寄り、砂漠の一画に仮想都市を創りあげる。そこで繰り広げられるのは、奇妙な姿で走るミュータントビークル、巨大アートやパフォーマンス、コミュニティにおける生活空間でありながら参加者の交流の場としても機能するテーマキャンプなど、形も目的もさまざまな実験的アートプロジェクトたち。祭りが終われば、参加者たちはゴミも含めて持ち帰り、すべては解体され、跡形もなくなり、もとの風景だけが残る。
5月のお祭り
🗓2026年5月12日-23日予定 *毎年5月
📍フランス・カンヌ
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カンヌ国際映画祭は、フランス南部のカンヌで毎年5月に開催される映画祭。ヴェネツィア国際映画祭、ベルリン国際映画祭とともに「世界三大映画祭」のひとつとされている。
最高賞は「パルム・ドール」と呼ばれ、芸術性と革新性を備えた作品に贈られる。レッドカーペットを歩く世界的スターの姿や、各国の映画人が集う華やかな雰囲気でも知られ、まさに世界の映画の祭典。映画業界の動向を占う場でもあり、多様なカテゴリーが設けられていることもあって、映画制作者、俳優といった映画に関わるさまざまな才能を世界に広める場でもある。
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6月のお祭り
🗓2026年6月6日-7日予定 *毎年6月の第一週の週末を中心に開催
📍ブルガリア・カザンラク
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オスマン帝国時代にバラの栽培が伝わったブルガリアは、実は世界有数のバラの生産地。とくに香り高い品種のダマスクローズの栽培が盛んで、高品質なローズオイルを生産している。なかでもブルガリア中部のカザンラク(Kazanlak)がバラの都として有名で、その街を中心に毎年6月初旬のバラの収穫を祝ってバラ祭りが開かれる。
期間中は、バラ摘み体験やパレード、民俗舞踊、バラ製品の展示販売などが行われ、街全体が華やかな香りと色彩に包まれる。毎年、地元の若い女性から「バラの女王」が選ばれて、バラにまつわる文化を広める役割を担う。
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🗓毎年6月頃(旧暦の端午節の頃)
📍中国・貴州
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端午節の頃になると中国各地で行われるのが、ドラゴンボートフェスティバル。水の神や祖先への感謝、豊作と平安を祈るお祭りで、とくに中国・貴州省のミャオの民のドラゴンボートレースは荘厳。伝統衣装を身にまとった人びとが細長く優雅な形をした龍船に乗り込み、力強い太鼓のリズムに合わせて、船の上に立って船を漕いで川を進む。
祭りの期間中には、歌や踊りのほか、伝統料理が振る舞われて、地域全体が活気に満ち溢れる。
© John Meckley
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🗓毎年6月12日、13日
📍ポルトガル・リスボン
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「聖アントニオ祭」は、ポルトガルの首都リスボンで毎年6月12日から13日にかけて行われるお祭り。リスボンと縁結びの守護聖人である聖アントニオを祝う行事で、街中が色鮮やかな飾りと音楽でにぎわう。
とくにお祭りに欠かせないのが、お祭りのタイミングで旬を迎えるイワシの炭火焼き。リスボンの下町アルファマやバイロ・アルトを中心に屋台が立ち並び、香ばしい煙が広がる。各町内会が趣向を凝らした衣装と踊りを披露するパレード「マルシャス」もあって、市民も観光客も一体となって盛り上がる。リスボンの初夏の風物詩だ。
🗓2026年6月17日-6月27日予定 *一年を210日とする「ウク歴」に沿って行うので毎年日にちが変わる
📍インドネシア・バリ
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「ガルンガン」と「クニンガン」は、インドネシア・バリ島でもっとも重要とされるヒンドゥー教の祭礼。ガルンガンは善の勝利を祝う日で、先祖の霊が家族のもとへ帰ってくる日。家々やお店の前には竹でつくられた長い飾り「ペンジョール」が立ち、寺院では祈りが捧げられる。10日後のクニンガンは先祖の霊が天界へ戻る日とされ、黄色い供物が用いられる。
期間中はバリ島全体が特別な雰囲気に包まれ、伝統衣装を身にまとった人びとが寺院詣でを行い、家族とともに精神的なつながりを深める時間を過ごす。
🗓2026年6月19日-20日 *毎年夏至に近い週末に行われる
📍スウェーデン各地
🔗参考リンク
夏至祭は一年でもっとも日が長い夏至の時期に合わせて、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、バルト三国など、北欧各国で行われる伝統的な祝祭。スウェーデンでは「midsommar(ミッドソンマル)」とよばれ、毎年6月中旬の金曜日と土曜日を中心に全国で盛大に祝われる。
象徴的なのは、花や葉で飾られたメイポール(マイストング)という柱の周りを輪になって踊る習慣。家族や友人が集まり、ジャガイモ、ニシンの酢漬け、イチゴなどを食べたり蒸留酒のスナップスを飲みながら野外で過ごす。自然の恵みに感謝し、長い冬を越えた喜びを分かち合う日であり、スウェーデン人にとってもっとも大切で待ち遠しい祝日の一つ。白夜の光の下、昼から夜まで短い夏を楽しむ。
© Skati
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🗓2026年6月20日-22日予定 *毎年6月から7月頃(旧暦7月)
📍タイ・ルーイ県ダーンサーイ
🔗参考リンク
タイ東北部のルーイ県ダンサーイ(Dan Sai)で、毎年6月から7月頃に開催される伝統的な精霊祭り。雨季の訪れを告げ、豊作と地域の安寧を祈る仏教行事で、仏教説話「プラ・ウェート物語」に由来するといわれている。
お祭りの名前が、タイ語で「ピー(霊)」「ター(目)」「コーン(仮面劇)」を表しているように、カラフルな仮面と衣装を身にまとった人びとが、太鼓や鐘の音とともに街を練り歩く。仮面は竹や椰子の葉などでつくられ、ユーモラスで少し不気味な表情が印象的。祭りでは伝統音楽に合わせた踊りや宗教儀式が行われ、地域全体が熱気に包まれる。タイの民俗文化と信仰が融合した独特の祭り。
🗓毎年6月24日
📍ペルー・クスコ
🔗参考リンク
太陽神インティを讃えるペルーの伝統的な祭典。インカ帝国時代の冬至のお祭りが起源とされていて、毎年6月に行われる(ペルーは南半球に位置しているため6月が冬至になる)。かつて皇帝が主導した重要な祭礼で、現在は壮大な歴史再現劇としてよみがえり、多くの観光客を魅了する。
祭りはコリカンチャ(太陽の神殿)での儀式に始まり、色鮮やかな衣装をまとった参加者が音楽とともに行進してアルマス広場での儀式へつづき、その後、サクサイワマン遺跡では劇によって太陽への感謝や豊穣祈願が表現される。クスコの街全体が祝祭ムードに包まれ、アンデス文化を味わえる。
© Junior Córdova
© Junior Córdova
🗓2026年6月27日-28日予定 *毎年6月の最終週末
📍アメリカ・サンフランシスコ
🔗参考リンク
1969年6月28日、警官がゲイバーに踏み込んだことを発端に起きた「ストーンウォールの反乱」の事件から、6月は「プライド月間」としてLGBTQ+の権利を啓発するイベントが世界各地で行われている。とくに世界最大級のLGBTQ+コミュニティの祭典となるのがサンフランシスコ。音楽、ダンスとともに多様な人びとが街を練り歩き、平等と尊厳を祝福する。
1970年代に始まったこのパレードは、公民権運動としての側面をもつと同時に自由と個性を称える華やかなイベントとして発展。一般市民や企業、行政機関も加わって、社会全体で多様性を支持する姿勢を示す。
© David Yu
🗓2026年6月29日-7月5日予定 *毎年6月末から7月頃
📍トルコ・エディルネ
🔗参考リンク
トルコの伝統スポーツ「ヤールギュレシ(オイルレスリング)」の最大規模の大会で、毎年6月から7月にトルコ北西部の街・エディルネで開催される。選手たちは革製の特製ズボンを着て、オリーブオイルを全身に塗って試合に臨む。
ちなみにトルコは世界有数のオリーブオイル生産国でもある。
試合は力と技術のぶつかり合いで、オイルで滑るため投げ技や関節技の難易度が非常に高く、観客を熱狂させる。大会は500年以上の歴史を誇り、トルコ文化を代表するものとして国内外で注目されている。
web特集|月刊TRANSIT「世界の祝祭を旅して」
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2026.01.07
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世界各地には、その土地の風土や信仰、人びとの熱気が織りなすユニークな「お祭り」が存在する。
アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアの伝統行事から現代社会が生み出したユニークなイベントまで、地球の隅々で繰り広げられるお祭りについて、月ごとに解説していく。
ここでは、2026年の7月、8月、9月の世界のお祭りを15こピックアップ。有名な牛追いやオクトーバーフェストはもちろん、ひたすらトマトをぶつけ合うトマト祭りや携帯電話投げ選手権など、一風変わったお祭りも勢揃い。
*本記事の内容は、掲載時点での参考情報です。正確な開催日程・場所・内容については、各お祭りや自治体の公式発表をご確認ください。
Text:Takamasa Kujirai Edit:TRANSIT
7月のお祭り
🗓2026年7月3日-12日予定 *毎年7月頃
📍カナダ・カルガリー
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「地上最大の野外ショー」を謳うカウボーイの祭典。1912年にアメリカ人ロデオマンが、“失われつつある西部開拓文化”を伝えるために始めた。数百頭の馬がダウンタウンの街を行進するパレードは圧巻。賞金総額200万ドルの世界一高額なロデオ大会のほか、馬に乗って樽の周囲を回るバレルレーシング、カウボーイたちが食材を運んでいた幌馬車を使ったチャックワゴンレースなど、人と動物のたくましさを実感できる。
そのほか、移動遊園地やモトクロスショー、音楽フェス、先住民の伝統文化体験などさまざまなエンターテインメントが集結。カウボーイカルチャーを軸に、世代を問わず楽しめるイベントになっている。
🗓2026年7月3日-5日 *毎年7月最初の週末
📍ポルトガル・リスボン近郊のヴィラ・フランカ・デ・シーラ
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闘牛が盛んなヴィラ・フランカ・デ・シーラ(Vila Franca de Xira)で、1932年から続く牛追い祭り。お祭りの名前の由来にもなっている「赤いチョッキ」は牛飼いの民族衣装で「カンピーノ」と呼ばれている。リバテージョ平原の牛飼い、牛、馬、大地を称えるために始まったお祭りだ。
闘牛場で闘牛が行われ、さらには街にも牛が放たれる。赤いチョッキを身にまとって馬に乗る牛飼いやお祭り参加者が、牛とともに狭い路地を駆け抜ける光景は刺激的で、街は熱狂に包まれる。
またパレードでは、牛飼いたちの卓越した馬術も披露され、観客を盛り上げる。さらに、広場では昼夜問わず音楽ライブやダンスショーなども行われ、ポルトガル名物のイワシ料理などの屋台も並び、夜明けまで賑わう。
🗓毎年7月6日-14日頃
📍スペイン・パンプローナ
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パンプローナの守護聖人・聖フェルミンの宗教儀式が起源。14世紀以降に始まった牛追い「エンシエロ」が有名になり、スペイン三大祭の一つになった。
アーネスト・ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』の舞台になったことを機に、世界的にも知られるようになったお祭り。「チュピナソ」と呼ばれるロケット花火の打ち上げで開幕。市庁舎前の広場には、白い服と赤いスカーフを身に着けた人びとが埋め尽くす。翌日からは毎朝8時に牛追いが始まり、サント・ドミンゴ通りからパンプローナ闘牛場までの約850mを約3分で大勢の参加者と牛たちが駆け抜ける。
また、牛追い以外にも、4mを超える巨大人形「ヒガンテス」のパレードも見もの。巨大な人形が伝統音楽に合わせて踊る。
🗓2026年7月10日 *毎年5月下旬から7月上旬
📍ニュージーランド各地
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ニュージーランドの先住民マオリにおける一年の始まり。「マタリキ」とは、マオリ語で「プレアデス星団」を意味する言葉。日本では「昴」と呼ばれ、秋から春先にかけて観測できる。プレアデス星団はマオリの神話にも登場する重要な星団で、主な星には自然や故人、食べ物に関する意味が与えられている。そのため、マオリはこの日、亡くなった人を偲び、今あるものに感謝を捧げ、新年の喜びを祝う。
2022年にはマタリキがニュージーランドの祝日に制定された。先住民ではない現地の人びとにとっても身近な行事になっていて、街ではマーケットが開かれたり、フードイベントやマオリの文化体験などの催しが行われる。
🗓毎年7月11日-13日頃 *各地の祭りは6月下旬から7月下旬にかけて開催
📍モンゴル・ウランバートルや各地
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モンゴルの遊牧民文化を象徴する祭典。6月下旬から7月下旬まで国内各地で行われているが、ウランバートルのナーダム祭がモンゴル最大規模となっている。
ナーダム祭の主なイベントは、モンゴル相撲・競馬・弓。モンゴルの遊牧民が伝統的に行なってきた。モンゴル相撲では強靭な肉体を、競馬では騎乗技術を、弓ではその集中力と狩猟の腕前を披露する。遊牧民族として必要不可欠な要素であり、それぞれの優勝者は大統領より表彰される。
ちなみに競馬に参加するのは、6歳から12歳の子どもたち。幼いながらに見事に馬を操って、約30kmもの草原を駆け抜ける姿には驚きと感動を覚えるはず。
🗓2026年7月12日-18日予定 *毎年7月頃
📍ジャマイカ・モンテゴ・ベイ
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レゲエの生みの親のひとり、ボブ・マーリーの故郷で行なわれる世界最大級のレゲエ・フェスティバル。かつて開かれていた「レゲエ・サンスプラッシュ」が開催困難になったことをきっかけに、1993年に新たなレゲエフェスとして始まった。
初回から国際的なスターが出演し「地球上でもっとも偉大なレゲエショー」といわれるまでになった。夜通しのライブやビーチパーティに加えて、ストリートダンスや真っ白なドレスコードが設けられたオールホワイトパーティなど、さまざまなイベントが1週間、毎晩行われる。レゲエの本場ジャマイカで、レゲエ音楽の熱狂とレゲエ文化の奥深さを肌で実感できるイベントだ。
🗓2026年7月20日-23日予定 *毎年7月頃
📍カナダ・ナイアガラフォールズ
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グリーンランド国際サンタクロース協会から認められた世界各国の100人以上のサンタクロースが集まるイベント。会議の目的は、クリスマスに向けた準備。その年のプレゼントの内容などの情報共有。そして子どもたちとの交流だ。
集まったサンタたちは、パレードを行ったり、真夏のクリスマス会に参加したりと、子どもたちに笑顔を配る。例年、デンマークにある世界最古の遊園地「バッケン」で行われてきたが、2026年はカナダで行われる予定。ちなみに参加するサンタは自宅からサンタの衣装を着ていく必要があるため、途中の交通機関でもサンタに出会える可能性がある。
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🗓毎年7月から8月頃
📍韓国・保寧
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貝殻でできた白浜が有名な、韓国中部の西海岸にある大川海水浴場。リゾート地やマリンスポーツ目的で人が集まる大川海水浴場だが、その海中に沈む泥はイスラエルの死海よりもミネラル成分が豊富で粒子が細かく、街の名産物にもなっている。
そんな泥に全身まみれて楽しむのが、このマッドフェスティバル。泥相撲や泥フットボール、泥のボディーペインティング、泥で滑る巨大滑り台など、600トン以上の泥を使ったさまざまなアクティビティが楽しめる。
美容効果も期待できることから女性にも人気で、国内外から100万人以上の観光客が訪れるという。1998年から始まったが、今では韓国の夏を代表する祭りとして世界的に知られている。
8月のお祭り
🗓毎年8月頃
📍フィンランド・サヴォンリンナ
世界的携帯電話メーカー・NOKIAのお膝元で2000年から始まったのが、このイベント。飛距離を競う部門や、携帯電話を投げるフォームの芸術性や独創性を競うフリースタイル部門もある。
ちなみに投げる携帯電話は主催者が用意。形も重さもさまざまだが、220g以上と定められている。世界記録は、ベルギーのアスリートが叩き出した110.42m。使用済み携帯電話のリサイクルの一環として始まった大会だが、電子機器によって湧き上がるストレスをぶつけるかっこうの機会になっている。
老若男女問わず愛されているこのスポーツは、フィンランド各地で国内大会が行われるだけでなく、海外でもときおり開催されている。
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🗓2026年8月1日-11日予定 *毎年8月上旬頃(奴隷解放記念日と同時開催)
📍グレナダ・セントジョージ
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カリブ海に浮かぶ島国グレナダは、かつてイギリスの植民地で、ナツメグなど香辛料の栽培が盛んなスパイス・アイランドだ。そんなグレナダで行われているのが「スパイスマス」。植民地時代に奴隷だった人びとの解放を祝う祭りだ。
見どころは、夜明けとともに始まる行列に現れる「ジャブジャブ」。彼らは顔まで泥や油を塗って全身真っ黒。首にチェーンをかけ、角のある兜をかぶったその姿は、奴隷から解放された瞬間に喜びで道に躍り出た人びとを再現しているのだとか。子どもも大人も、ジャブジャブスタイルで街を練り歩く姿からは、自由を取り戻した誇りがうかがえる。夕方には、明るい色の衣装や照明器具を身に着けて行列を歩く「マンデーナイトマス」が行われる。煌びやかなその光景に心躍るはず。
🗓2026年8月18日-28日予定 *毎年7月または8月頃
📍スリランカ・キャンディ
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古都キャンディはスリランカ仏教の中心地。ブッダの犬歯を納めたダラダー・マーリガーワ寺院は聖地になっている。夏のペラヘラ祭になると、キャンディでは約2週間にわたってお祭りムードとなる。
「ペラヘラ」が「行列」を意味しているように、最大の見どころは毎晩開催される大規模パレード。100頭もの象や伝統舞踊を踊るダンサーなどが数時間にわたって練り歩く。これは、この地に納められた仏歯がはるばるインドから船で海を渡り、海岸からキャンディまで象の背に乗って10日間かけて運ばれてきたことにちなんでいる。ペラヘラ祭では電飾を身にまとった煌びやかな象が仏歯を運び、当時を再現する。
🗓2026年8月26日予定 *毎年8月頃
📍スペイン・バレンシア
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スペインのバレンシア州ブニョールの街で始まった、ひたすらトマトをぶつけ合う奇祭。世界中から2万人以上の観光客が押し寄せる。トマトの使用量はなんと100トン以上にものぼるそう。街中の人びとがトマトに染まり、異様な興奮に包まれる。
ちなみにこのイベントは、1945年に行われた町の守護聖人・聖ルイスを祝う祭りで若者同士がケンカになり、近くの青果店にあったトマトを投げたことが起源だといわれている。
その翌年もなぜかトマト投げが行われ、2度も禁止になったものの、1959年から地元の公認イベントとなった。なお安全のためのマナーがあって、硬いものを持ち込まない、トマトは潰してから投げるなどのルールがあるので、しっかり学んでから参加しよう。
🗓2026年8月30日から9月7日予定 *毎年8月から9月頃
📍アメリカ・ネバダ州
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ネバダ州の砂漠に生み出される架空都市「ブラックロックシティ」で開催されるアートの祭典であり、コミュニティイベント。
会場は砂漠でインフラは何もない。貨幣経済もなく、商業活動も行われない。持ち物も制限され、サバイバルのような環境だ。そこで参加者たちは助け合いながら生活し、パフォーマンスや作品として自己表現を披露する。現代社会から切り離されたような環境で公開されるアートは、奇をてらったものばかり。これまでの価値観を覆すような出合いにあふれている。
祭りの締めくくりは、「ザ・マン」と呼ばれる巨大な木製人形を燃やすこと。“痕跡を残さない”という理念が徹底されていて、お祭り期間の9日間を終えると再び何もない砂漠に戻る。
9月のお祭り
🗓2026年9月19日-10月4日予定 *毎年10月の第1日曜日を最終日とする16日間
📍ドイツ・ミュンヘン
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ビールとグルメが楽しめる食の祭典として知られているけれど、その由来は結婚式にあるといわれている。1810年のバイエルン王国王太子ルートヴィヒの結婚式で、競馬とパーティが行われ、多くの市民が招待されて宴会を楽しんだという。その楽しみが忘れられなくなり、翌年以降も開催されることに。
もともとこの時期はビールの醸造シーズンの幕開けを祝う祭りが国内各地で行われていたため、「競馬大会と収穫祭」という名目で行われ、ミュンヘンで定着するとともに規模が拡大していった。
1950年からはミュンヘン市長の「O’zapft is!(オ ツァプフト イス=お酒が開いたよ)」というかけ声で始まることが恒例化していて、いまなお続いている。
🗓毎年9月半ばから終わり頃
📍スイス各地、とくにベルン州ユスティスタールが有名
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アルプスの豊かな自然のもとでつくられるスイスのチーズ。夏の4カ月間、牛たちはアルプスの高地で放牧され、秋になると乳牛たちが麓に下りてくることを「牧下し」という。夏から秋に移り変わるタイミングで山小屋でチーズがつくられる。数えきれないほどのチーズが会場に並び、乳量に応じて牛の所有者に公平に配られるのが、この伝統行事だ。
一番多くのミルクを出した牛は、花飾りで彩られ、パレードの主役のように連れられて、人びとの祝福を受ける。会場にはバゲットやワインなどが並び、チーズの試食も。緑に囲まれた牧歌的な風景のなかで、その完成を祝いながら食べるチーズは格別。
世界には、その土地の風土や信仰、人びとの熱気が織りなすユニークな「お祭り」が存在する。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアの伝統行事から現代社会が生み出したユニークなイベントまで、地球の隅々で繰り広げられるお祭りについて、月ごとに解説。
ここでは2026年の10月、11月、12月の世界の祝祭日をピックアップ。死者を思うお祭りや、暗闇に光を灯すような伝統行事が多いよう。 一年の締めくくりに向けて、世界のお祭りを楽しもう。
*本記事の内容は、掲載時点での参考情報です。正確な開催日程・場所・内容については、各お祭りや自治体の公式発表をご確認ください。
Text:Anna Hashimoto Edit:TRANSIT
10月のお祭り
🗓毎年10月頃
📍スペイン・マドリード
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マドリード中心街の大通りを、数千頭の羊が通過するお祭り。古くは北部の羊飼いたちが冬を前に牧草地を求めて南西部へ家畜とともに移動していたことを起源とする。一説によると、15世紀頃に移牧牧羊組合が市議会にかけあい、マドリードを通過する権利を得たことから始まっているそう。
現在では、あえて都市部のマドリードを通過することで、畜産移牧(トラシュマンシア)の文化を多くの人に周知し、保護する狙いがある。祭りの日には、糸紡ぎや毛織のワークショップ、チーズ試食会など牧畜に関連した体験イベントに参加したり、中世の時代にタイムスリップしたような民族音楽やダンスを見たりできる。
🗓2026年10月4日予定 *毎年10月第1日曜日
📍イタリア・ラツィオ州マリーノ
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イタリア中部のローマ郊外にあるマリーノで行われる、ブドウとワインを祝う伝統的な収穫祭。毎年10月第1日曜日を中心に、前後数日から1週間ほど開催される。地元ワインの試飲・販売、食文化の紹介をはじめ、中世・ルネサンス時代の衣装をまとったパレードなど歴史的な再現も行われる。
祭りのもっとも象徴的な瞬間は、ワインの噴水! 中心広場の噴水からワインが噴き出す。歴史的には、1925年にローマの詩人レオーネ・チプレッリ(Leone Ciprelli)が考案したとされている。一説によると、1571年の「レパントの海戦」でキリスト教連合軍が勝利したことを記念する宗教行事とも結びついているそう。
🗓2026年10月4日-10日予定 *毎年10月の第1日曜日から1週間ほど行われる
📍フィンランド・ヘルシンキ
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1743年からつづく、フィンランドでもっとも伝統のあるお祭りのひとつ。ヘルシンキの港のすぐそばのマーケット広場(Market Square)で、毎年10月初旬に開催されている。数十名の漁師が港に船を係留し、ニシンの加工品(塩漬け・酢漬け・燻製など)やバルト海の水産品、ほかにも黒パンやベリーのジャムなどがマーケットに並ぶ。食品を買うだけでなく、ニシン料理をその場で食べることもできる。もとは冬の食べ物を備蓄するために、秋に開催されていた市場。冷蔵庫がない時代、塩漬けのニシンが長期保存が効く大切な食料だったことが伝わってくる。
フィンランドでは、スウェーデン王国時代(中世末期以降)に農民や漁民が都市で収穫物を販売するよう定められ、市を開くなどして都市に暮らす人に安定して食料を供給できるよう仕組み化していった歴史がある。
🗓2026年10月11日-25日予定 *ネパール暦に合わせて毎年9月から10月に15日間ほど行う
📍ネパールやインドのダージリン地域、アッサム州やメガラヤ州、ブータン等
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約15日間続く、ネパール最大のヒンドゥー教のお祭り。女神ドゥルガーが水牛に姿を変えて悪神に勝ったことを祝う祭りであり、善が悪に勝ったことを象徴する日。雨期の終わりと農作物の収穫を祝う意味も含まれている。この日は、家を掃除し、身だしなみを整えることで、女神ドゥルガーを自宅に迎える。
日本のお正月のようなお祭りでもあり、家族や親族で集まり、ご馳走を食べたりプレゼントを贈り合ったりする習慣もある。祭りの間は、米粉ドーナツのSel roti(セルロティ)や山羊肉のカレー、ライスプディングなどを食べたり、凧揚げや竹製のブランコに乗ったりして楽しむ。
🗓毎年2月22日、10月22日予定
📍エジプト・アブ・シンベル
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世界遺産「アブ・シンベル神殿」で年に2回催される太陽祭。2月22日と10月22日に朝日がまっすぐ岩窟神殿に差し込み、神殿の正面より奥まった「至聖所」に佇む神々の像を照らす。太陽神のラー、神格化されたラムセス2世、守護神アメン、闇の神プタハの4体の像が並び、闇の神だけは光が当たらないよう設計されている。その瞬間を一目見ようと、多くの人が訪れる。
この神殿は紀元前1260年頃に建設されており、当時から豊かな暦の知識や建築技術があったことがうかがえる。アブ・シンベル神殿を含むヌビア遺跡群は、1960年代にナイル川沿いの巨大ダム建設計画によって水没する危機に直面していたが、ユネスコが各国に支援を求めて、移築に成功した。
🗓毎年10月31日
📍アイルランド、世界各地
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いまや世界各国で開催されるようになったハロウィンだが、起源のひとつは古代アイルランドのケルト人が行っていた「サウィン祭」にある。サウィンはアイルランド語で「夏の終わり」を意味していて、このお祭りは約2000年前から、収穫期の終わりと冬の始まりを祝う収穫祭だった。古代、サウィン祭の時期になると、この世とあの世を隔てる境界が曖昧になり、死者の魂が墓からよみがえって、さまよいながら生家に帰ると信じられていた。幽霊や悪魔の姿をした死者が家に帰ってきたときに機嫌を損ねないように、人びとは食べ物や飲み物を差し出し、かがり火や仮装で悪霊から身を守ったという。これが、子どもたちが仮装してお菓子を要求する「トリック・オア・トリート」や、カボチャなどをくり抜いた灯籠の「ジャック・オー・ランタン」などにも結びついている。
現在のアイルランドでは、仮装はもちろん、ドライフルーツの入った伝統的なケーキ「バーンブラック」を食べる。ケーキには、コインや指輪などのアイテムが入っており、出てきたものによって運勢を占う。
🗓毎年10月から11月(ヒンドゥー暦のカルティク月)の数日間
📍インドのラジャスタン州プシュカル
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砂漠地帯のラジャスタンの町、プシュカルで行われる世界最大規模のラクダ市。鮮やかな布やビーズなどで装飾されたラクダが1万頭以上集まるほか、牛・馬・羊などの家畜の売買をはじめ、ラクダのダンスやパレード、レースや毛刈りのテクニックを競うコンテストなどもある。プシュカルはヒンドゥー教の創造神ブラフマーを祀る数少ない聖地であり、ラクダ祭りが行われる同じ時期の満月の日には多くの巡礼者がプシュカル湖で沐浴を行い、身を清める。
祭りの期間、町は巡礼者、民族音楽家や民族舞踊家、家畜商人、旅行客などさまざまな人で溢れかえる。人間の口髭の長さを競うコンテストも名物。長さだけでなく、形やデザインも審査対象なんだとか。世俗的な家畜市と、厳粛な宗教的儀式が同時に存在するお祭り。
11月のお祭り
🗓毎年11月1日
📍グアテマラのサンティアゴ・サカテペケス、スンパンゴ
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11月1日にグアテマラのサンティアゴ・サカテペケスやスンパンゴで行われる凧揚げの祭り。マヤの精神世界に根ざしているとされ、空に浮かぶ凧は生者と死者の魂をつなぐとも考えられている。凧は円形でピンクや赤、黄色など鮮やかな色で装飾され、大きいもので直径10m以上のものもある。凧揚げや凧制作を通して家族や地域コミュニティの結束が強くなるという社会的な役割も果たしている。
たとえばサンティアゴ・サカテペケスでは家族で墓地に集まり、凧を揚げることによって、故人への思いや愛、郷愁のメッセージを空に届ける。2024年にはユネスコの無形文化遺産に指定されている。
🗓毎年11月1日-2日 *前後の10月31日から11月3日頃まで死者の日の準備やイベントが行われている場所もある
📍メキシコ各地 *オアハカ、グアナファト、ミチョアカン、ミスキック、チアパス、メキシコシティなどが盛ん
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毎年11月1日、2日をメインにその前後で祝われる、死者のための伝統行事。この世と霊界をつなぐ通路が開かれ、亡くなった人たちが再び会いに来る日とされており、故人が迷わず帰って来られるよう故人の写真や好物、キャンドル、マリーゴールドやケイトウの花などを自宅の祭壇や墓地に供えて迎える。執り行われる儀式が満足いくものかによって、死者は家族に繁栄も不幸ももたらすとされていて、準備には細心の注意が払われる。
死者の日はメキシコ先住民の生活文化と先コロンブス時代の宗教儀式やカトリックの祝祭などが融合していて、メキシコ人の主食であるトウモロコシの収穫サイクルが完了する時期でもあることから、農暦とも呼応する。2008年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
🗓2026年11月6日-11日予定 *毎年10月下旬から11月頃、5、6日間程度行われる
📍インド *ネパールでは「ティハール」という名前で祝われる
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ヒンドゥー教徒にとって、一年のうちでもっとも大事なお祭りのひとつ。光が闇に、善が悪に、知識が無知に勝利することを象徴する「光の祭り」として国中で祝われる。叙事詩『ラーマーヤナ』の物語のなかで、ラーマ王子が悪王ラーヴァナを退けたことに由来しているという説もある。
家や町中がイルミネーションで照らされ、建物の入口や玄関などにはカラフルな模様「ランゴリ」が描かれる。また、礼拝をしたり、甘いお菓子などの贈り合いをしたり、花火をあげたり、爆竹を鳴らしたりする。お祭りの間は毎日違う行事や儀式が執り行われる。たとえば初日は財運祈願の日で、金、銀、台所用品などを購入して、幸運を祈る。3日目がお祭りのメインの日で、ガネーシャ神とラクシュミ女神の像を置いてお祈りをする。マントラを唱え、お花、菓子、お金、灯籠などを捧げて祝福をする。
🗓2026年11月24日-25日予定 *毎年10月から11月頃(旧暦12月)の満月の夜に行われる
📍タイ各地 *チェンマイ、バンコク、スコータイが盛ん
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バナナの葉でつくった小舟「クラトン」を池や川に浮かべる、灯籠流しのようなお祭り。クラトンは家族や自分でつくったりお店で買ったりして準備する。日没になると水辺に行き、クラトンに載せたキャンドルや線香に火をつけて水に放つ。民間伝承では、灯籠が視界から消えるまで灯っていれば、翌年幸運がもたらされるといわれている。
とくにチェンマイのお祭りは、灯籠流しだけでなく空にも天灯(コムローイ)を飛ばすので見応えたっぷり。川の水位がもっとも上がる11月の満月の日に行うため、毎年開催日が変わる。水の女神プラ・メー・コンカーに、その年の米の収穫へ感謝し、川を汚してしまったことを謝罪し、さらに自らの罪の汚れやネガティブな感情を水に流す。タイ土着の自然信仰、インド由来のヒンドゥー教、それに仏教が融合したお祭りでもある。
🗓毎年11月中旬から下旬頃
📍タイのスリン県
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タイ東北部スリン県で行われる象のお祭り。タイ全土から200頭以上の象が集結して、象のパレードや、象と人との綱引き、サッカー、丸太運び、お絵描きなど、多彩なプログラムが行われる。見どころは「象の朝食」。数百メートルにおよぶ長いテーブルに大量の野菜や果物が置かれ、象が鼻を使って上手に食べる姿を見ることができる。
スリン県は、タイのなかでもとくに人と象の関わりが強い地域。タイの北東部からカンボジアにかけての丘陵に住むクイの民は、何世代にもわたって象使いとして象の調教を行ってきた。祭りは1960年に初めて開催されたのだが、ちょうど象で林業や農作業を行うことが減り、象使いが生計を立てることが難しくなった時代に当たる。象祭りを新たな観光資源とすることで、地域の象と人の文化を保護して継承している。
🗓11月中旬から12月頃
📍オランダ
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オランダ各地で行われる子ども向けの祝いごと。シンタクラースは、子どもや貧しい人たちを助けた「聖ニコラウス」に基づいていて、サンタクロースの起源とされている。11月中旬のシンタクラースの到着から始まり、12月5日のシンタクラースの誕生日前夜に「プレゼントの夜」があり、そこで子どもたちにプレゼントが配られる。
オランダでは、シンタクラースの期間中、子どもたちが自分の靴を暖炉やドアのそばに置く慣習がある。子どもたちは靴のなかに手紙や絵、シンタクラースが乗ってくる馬のためのニンジンなどを入れる。するとシンタクラースからチョコレートや小さなおもちゃなどが靴に届けられる。シンタクラースは伝統的に蒸気船でスペインからお供を連れてやって来るとされ、11月中旬に各地で開催される到着パレードはテレビで放映されるなど、盛り上がりを見せる。
12月のお祭り
🗓毎年12月5日頃
📍オーストリア
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12月5日頃に行われるアルプス地域の伝統行事で、「クランプス」という妖怪が街を練り歩くお祭り。毛皮や角の衣装、木製のお面などを身につけた大人が扮すクランプスが悪い子どもを戒める。クランプスと対になる存在が聖ニコラウスだ。クランプスが鎖とムチを持って悪い子どもの前に現れる一方で、聖ニコラウスはよい子たちにプレゼントを配る。
クランプスのパレードは、ザルツブルクやチロル州、オーストリア各地の小さな村などで行われていて、地域ごとの違いを楽しめる。クランプスが纏う毛皮は天然素材、お面は木製で手彫りが原則とされていて、量産ではなく木彫り職人によってつくられており、製作期間は数週間から数カ月ともいわれる。そのため手彫りのお面は一点もので、高価な民藝品として扱われることもある。
🗓毎年12月13日
📍スウェーデンなど北欧の国々
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一年でもっとも暗いとされる時期に、希望や光、あたたかさを感じるために行うお祭り。4世紀頃に殉教したとされる聖ルチアを祝うキリスト教の祭日でもあり、「ルチア」はラテン語で光を意味する。聖ルチアは迫害されたキリスト教徒に食べ物を届けた際、手にものを持ちながら足元を照らすため頭にロウソクの冠をつけたとされ、この様子を摸した「光の行列」が学校や職場、教会などさまざまな場所で行われる。
聖ルチア祭そのものは民間信仰や冬至の慣習とも結びつくとされるが、スウェーデンで現在の祝祭のかたちをとるようになったのは20世紀初頭のこと。ストックホルムの野外博物館「Skansen」が伝統を復興し、普及に貢献したという。